北斎の娘&林家の娘
2023/6/17(土)
落語家 林家あんこさんの「北斎の娘」を聴く会
に行ってきました。
なかなか盛りだくさんのイベントだったので、起こったことを順番に書いていこうと思います。落語の記事をさっさと読みたいぜって方は、目次からショートカットしてください。
予習…「北斎の娘」
「ノトコレ」のときにお会いしたぼんやりRADIOさんの紹介で、この会のことを知り、題材にも興味があったので、行ってみようと思い立ったが吉日。
鳥類のくせに腰が重いカラスですが、考えなしなので衝動的に行動しちゃうところがあります。人生はいつでもぶっつけ本番。
オンラインで予約してチケットを買い、葛飾北斎の娘について予習しようと考えて。
以前、杉浦日向子の漫画「百日紅(さるすべり)」がアニメ映画化された時、NHKでも宮崎あおい主演のドラマを放映していたことを思い出しました。
ドラマと映画はまた機会があったら観ようと思いますが、とりあえずは「百日紅」の漫画と、ドラマの原作にもなった「眩(くらら)」を読むことに。
眩(くらら)北斎の娘 葛飾応為の半生〜原作/浅井まかて 脚本/大森美香
……ドラマではこんな感じだったのか。
小説では弟子のひとりと恋愛的なあれこれがあったり(孫弟子も含めると北斎の弟子は200人もいたらしい)北斎が倒れて介護したり、大火事に遭ったり、とにかく波乱万丈、彼女と北斎はまさに二人三脚で時代の荒波を乗り越えてきたんだなぁ…という内容でした。
とりわけ、師匠であると共に父親でもある北斎の絵をいつも間近で観ていて、同じ絵描きとして嫉妬と羨望に七転八倒するところは、物書きや物作りをするひとの胸に迫るとおもいます。
小説に比べると、杉浦日向子の漫画は、軽やかに魑魅魍魎が飛び交う江戸ファンタジー群像劇。
笑える話、ゾッとする話、しんみりする話と彩り鮮やかで描かれているひとが生き生きしています。
お栄本人を知りたい、彼女のドラマを隅々まで深く年代記的に抑えたいひとは小説。
お栄の背景にあった江戸時代や、北斎と弟子たちの不思議で人情味溢れる物語を見たいひとは漫画。という感じ。(ちくま文庫から上下巻)
こちらは上記漫画をアニメ化した映画です↓
奥にいるのが善次郎じゃないかな?北斎はとにかく紙と見れば何にでも描いちゃポイという感じだったらしい。モーツァルトかよ…
こんな感じで、北斎の娘=お栄=葛飾応為(かつしかおうい)はどんな人物で、北斎とはどんな関係だったのか、わかりましたでしょうか。まだ分からね〜ってひとは好きな方を読みたまえ。どっちも面白かったですよ。
北斎茶房で昼ごfun
夫に息子を託し、方向音痴の鳥類であるカラスはかなり早く家を出ました。
いつもイベント開始時刻の1時間前には現地に着いて、まずは場所を確認し、時間が余ったらフラフラするのが楽しみなんですよね。
今回、開場は12:30だったので、ランチの時間も考慮して11時には着くつもりでいました。
会場はすみだトリフォニーホール。錦糸町駅から歩いてすぐのところ。わかりやすい場所で、さすがのカラスもすぐに到着。もちろんまだ入り口は閉まっているので、ランチはどうするか、とスマホで検索したところ
……北斎茶房 なるお店を発見!
開店直前に店の着いてみれば、早くも列ができておりました。
おおっ、これは期待できそうだ!
(お店の許可を取って撮影しています)
メニューがおしゃれ!っていうか。家紋かな?北斎に関係あるのかな?
詳しいひと教えて〜
「ご存知のとおり、北斎通りは【葛飾北斎】生誕の地です。この地にて誇れる数々の芸術や文化を遺した北斎への愛着と願いを込め【北斎茶房】と名付けました」
……なぬ!?
北斎生誕の地……ご存知なかった!(あの予習はいったい)
ああ、だから落語をすみだでやるのか。だから北斎茶房か。なるほど。
甘味処とあってスイーツが気になりましたが、せっかくなので他には無さそうな和惣菜盛り合わせ膳を頼みましたよ。美味しかったです。
ご飯を食べ終わり、会場に戻る道にこんな看板が。……書いてあるっつーの、思いっきり。北斎通りって。
時間なくて行けなかったけど、すみだ北斎美術館、いずれ行こう。
会場、開場、入場
食後、ホール入り口で整理券をゲットしたまではよかったが、よそでグズグズしてるうちに入場列が早くもできていて、あとから割り込む形でなんとか列の中に入れてもらうことができました。どんくさくてスミマセン。
そこでミムコさんとぼんラジさんに会いました。ぼんラジさんは関係者側で、何かと忙しそうでした。
お客さんは40代〜70代という感じ。年配の方が多い印象です。
金屏風の後ろにパイプオルガン。音楽ホールでもありますからね。入場する時にパンフレットを貰いました。そこには林家あんこさんの写真が。おおーかっこいい。オーラがある…
舞台の袖から鳴り物の音が聞こえてきて、いよいよ始まり始まり〜
……えー、内容についてはカラスに落語の知識がないので割愛させていただきます。(おい)
とにかくすごくて圧倒されました。
宜しければ、落語に造詣の深い geekさん や いぬいさん 、豆千さんの記事をお読みください😁
林家あんこさんの言葉の中で特に印象に残ったのは、北斎の娘である「お栄」と、林家時蔵の娘である自分と。同じ家業の親子という点で、わかる部分もあるのではないか、そう考えて題材を選び、創作落語を作ったと仰っていたこと。
落語、初めて聴いたんですが。
ひとりの話し手が、ひとの一生を文字通り、身体ひとつと扇子一本で物語るんですよ。ライブ感と非現実感と話し手の熱。まるで、ひとり芝居。
参考に「昭和元禄落語心中」(雲田はるこ/講談社)のなかの、有楽亭助六の「芝浜」を貼っておきます。
伝わりますかね……
すいません、ぼんラジさん、決して茶化している訳ではありません…!
あーうまい比喩が思いつかない。カラスのなかで、未知の世界への扉が開いたことは確かです。
落語をもっと知りたい方は、ぼんラジさんの「噺家殺人事件」のマガジンをご覧ください↓
noter大集合…そして神降臨
舞台後、ロビーでnoter大集合の巻!
紫乃さん、ミムコさん、いぬいゆうたさん、じゅんみはさん、豆千さん、geekさん。
男性陣からはお土産にお菓子をいただきました。ありがとうございました♪
そして。
気づけばロビーの一角で、林家あんこさん御本人がお客さんとの撮影に応じてくださっている。わあ!本物!
終わったばかりでお疲れだと思うのに、にこやかな笑顔で対応されている……神。
迷ったけど、noter男性陣がさっそく並んでいたので、カラスも並ぶことに。そしてミムコさんとあんこさんとカラスと三人で写真撮影✨そのあと全員で撮影。
なんて日だ❣️
さらに。コンサートといえば物販はタオル!落語ならばやはり、手拭い!!
ぼんラジさんの関係者パワーのおかげで、あずき柄の可愛い手拭いを入手することができました……ああ、マジ神。
林家あんこさん、noterの皆さん。すばらしく良い日になりました。
ありがとうございました。
おまけ①…北斎漫画
あんこさんの話にチラッと出てきましたが、北斎漫画のこと。
北斎工房の弟子たち向けに、絵の手本として作られた画集らしいのですが。
実は私も一冊所有しておりましてね……(自慢)
浮世絵は好きで、画集も数冊持ってたんですけど。引越しのたびに減っていって、今は三冊しかないのです。まだ手元にあるのは歌川広重、川瀬巴水。
こんな風に細かい絵がびっしり入ってる。ほんとに、暇さえあれば手を動かしていたひとだったんだな、北斎って。鉛筆も消しゴムも無いから全部一発勝負のひと筆描きですよ……恐ろしいよねこの時代の画家。
小説「眩」には北斎のこんな台詞がありました。(p268)
江戸ナンバーワンの画家と呼び名も高い七十翁が、まだまだ上達する気マンマンっていうね。留まるところを知らないハングリー精神かっこいいっす師匠!
私なんか若輩もいいとこっす!
おまけ②…吉原格子先之図
応為の有名な作品「吉原格子先之図」は、11月から原宿の太田記念美術館で見ることができるようです。
すみだ北斎美術館では、6月20日から「北斎山岳」企画展が始まるようです。
夏休みは浮世絵刷り体験みたいなワークショップもあるみたい。うーん息子、行くと言ってくれないかなあ…(自分がやりたい)
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