「青と赤」あらため「赤と青」
4年前の11月、私は「青と赤」というエッセイを投稿しました(下にリンクがあります。読んでいただければ幸いです)。2020年のアメリカ大統領選開票結果が出た直後に書いたものです。このとき、私はニューヨークに住んでいました。
ニューヨーク、特に都市部は圧倒的に民主党支持者が多いところ。私の友人知人も、私が知る限り100%民主党支持者でした。高い教育を受け、知性もある人たちがこぞって民主党を支持しているのです。外国人の私も自然にそれに染まっていきました。
彼らは新聞は読みやすいUSAトゥデイやニューヨークポストのような大衆紙ではなく、ニューヨークタイムズやワシントンポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルを読み、保守系テレビのフォックスニュースなんかバカにして見ない。私もそんなものかと思っていました。つまり、なんちゃって民主党系だったのです。
2016年の大統領選のとき、民主党系の人たちの御多分に洩れず、私もいきなりトランプが出てきたことにまず驚き、油断していたらトランプが大統領になってしまった!と思いました。私はヒラリーに大統領になってほしいとはさらさら思っていませんでしたが、周囲がヒラリー推しだったので彼女が当選することを疑ってはいませんでした。
開票が始まったときはみんな「ヒラリー楽勝」だと確信していて余裕がありましたが、次第にヒラリーの旗色が悪くなり、トランプの当確が決まるとSNS上に民主党支持者の驚きと嘆きのコメントが溢れ、まるでお通夜のようだったことを覚えています。
そして再び大統領選イヤーの2020年を迎え、メディアには選挙関連の報道が増えていきました。私はそれを見ていて、夏頃から「ちょっと待てよ」と思うようになりました。ニューヨーカーが大好きなニューヨークタイムズをはじめ、主流メディアの大統領選関連の報道が偏っているように感じはじめたのです。
トランプが言ったこと、したことは何でもかんでも悪い文脈で語られる。いわゆるトランプ叩きです。方や、バイデンの方はよき大統領候補として語られ、悪いことは全く報道されない。私には主流メディア(そのほとんどが民主党系)がアンフェアな報道をしているように見えました。
私がそう思う根拠はありすぎるほどありますが、これは酷すぎると思ったのは、トランプに対する弾劾です。民主党はトランプがロシアと繋がっているなどとして、なんと2度も弾劾しようとしました。結果、何も証拠が見つからず、弾劾は失敗しました。
現役の大統領を弾劾に持ち込むなら揺るぎない証拠を持ってやるべきです。それぐらい重大な政治マターなはずです。ところが、民主党はいい加減な根拠で弾劾しようとしました。そして2度も失敗。お粗末としか言えません。こんないい加減なことをする国家を、アメリカの民主党を信用できますか。民主党とそれを後押ししている主流メディアを本当に恐ろしいと思いました。
民主党は同じようなやり口で、トランプをこれでもかというほど多くの件で起訴しました。そのほとんどは言いがかり的なもので、弾劾のときと全く同じ構図です。トランプは大統領キャンペーンの大事なときに、この対応に追われて多くの時間と資金をこれに費やさなければなりませんでした。しかし、アメリカでも日本でも、主流メディアは民主党寄りの報道ばかりで、相変わらずトランプに対して悪い印象を植え付けようとしていました。
私はトランプが正しくて民主党がダメだと言いたいのではありません。メディアのアンフェアさが耐え難いのです。報道は公平に行われるべきだと言いたいのです。メディアは大衆の考えを簡単にコントロールできる凶器なのです。
今年もあと1ヶ月で第47代アメリカ大統領が決まります。日本ではアメリカの大統領選はあまり関心が持たれないかもしれません。でも、アメリカの動向が日本に大きく影響することは誰もが認めるところでしょう。
バイデン政権になってウクライナ戦争が始まり、民主党政権は戦争を続けることに熱心で停戦しようとしません。ウクライナ支援のために膨大な予算が計上されましたが、その9割はアメリカ国内の軍需産業に流れていくのです。インチキにも程があるでしょう?さらに、日本にもお金を出せと。一方、トランプは在任期間中戦争を始めませんでした。
メタのザッカーバーグ氏のステートメントにより、バイデン政権が民主党に都合のいいようにfacebookに検閲させていたことも明らかになりました。でも、メディアはこのことも大きく報道しません。
民主党支持者は平和主義者で表現の自由も大切にしていたはずですが、いつの間にか変質したようです。民主党支持者はトランプは民主主義の脅威だと言っていますが、全く逆でしょう。表現の自由、言論の自由、そして民主主義を破壊しているのはトランプではなく、バイデン政権であり民主党です。
トランプには具体的な4年間の実績があります。民主党支持者はトランプは差別主義者だとか、何をするかわからないから怖いと感情的なことばかり言いますが、彼の政策の何が悪かったか具体的に批判しているのをほとんど聞いたことがありません。多くの人たちはメディアにのせられて、なんとなくのイメージでトランプを悪く言っている、というのが私の印象です。
民主党支持者に対する今の私の印象は、彼らは平和主義者でも民主主義者でもない、現実を見ようとしない頭の硬い偽善者です。
先日の副大統領討論会で、共和党のヴァンス候補は司会者の「あなたはかつてトランプを非難していたが、どうして今はトランプの副大統領候補なのか」という意地悪な質問に対し、「私がトランプを批判していたのは、メディアの報道を鵜呑みにして真実を見誤っていたからだ」という内容の答えをして見事に切り返していました。
ネットでさまざまな人の意見を見聞きしましたが、在米日本人女性で、「かつては民主党を支持していたが、今はもう支持していない」と、ヴァンスや私と同じような体験を話している人がいました。
逆に共和党に幻滅して民主党を支持するようになった人もいるでしょう。私はそういう人たちの感想を聞いてみたいです。
以上がアメリカ大統領選にまつわる、この8年間の私の体験と感想です。
らうす・こんぶ/仕事は日本語を教えたり、日本語で書いたりすること。21年間のニューヨーク生活に終止符を打ち、東京在住。やっぱり日本語で話したり、書いたり、読んだり、考えたりするのがいちばん気持ちいいので、これからはもっと日本語と深く関わっていきたい。
らうす・こんぶのnote:
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