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茶畑を救え!:里山再生プロジェクト②

この茶畑、もう潰そうかな

私たち家族が引っ越してきたのは、
森町の西亀久保という山あいの集落。
国指定重要文化財の友田家住宅がご近所さん。
10軒あるうち5軒しか住んでいない。
苗字はみんな友田さん。

友田家の目の前には、友田の人々が営んできた茶畑が広がっている。
一つはすでに茶の木が抜かれ、代わりに栗の木が植えられている。
が、残りまだ一反ほどの茶畑が残っており、
その茶畑を営んでいた友田さんも、とうとう昨年やめることを決意。

「この茶畑ももう誰もやらんで、潰そうかなぁ。
 それか、佐野さんやるなら使ってくれていいで」

お茶って私みたいな素人がやってもいいの!?
考えたこともなかった選択肢。
手前から見ただけじゃ分からない、奥に続く茶畑を見てびっくり。

「意外と広いでねー」

およそ1000㎡。意外とっていうか、広い。
正直どうしたらいいか分からないけど、
潰されるのは止めたいので、手探りでやってみることに。

止まらない手摘み

一番茶には間に合わなかったので、
二番茶に照準を合わせ、一番茶は刈り落とすことに決めた。

せっかくの新芽がもったいないので、
自分たちで作れる分だけ、手摘みすることにして
GW明けに茶畑へ向かった。

これで良いのかなー?とチマチマ摘み始めると、
カネさん登場。

「私もちっと摘もうかね。懐かしいやぁ」

そう言って、すごいスピードで摘み始めた。
私たちの倍の速さで、二倍くらいの量を袋に詰め込んでいく。

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「子どもの頃からお手伝いで摘んでたからね。
 ひと芽、ひと芽、摘んでたら間に合わないよぉ。
 昔は自分ちで飲む分は、みんな手摘みで手で揉んでたよ。
 今は機械でたくさん摘めるけど、やっぱり機械は機械の味だって。
 手の味が一番美味しいよ」

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これが噂の『一芯二葉』!
次から次へ目が移って、手が止まらない。
自分たちで手揉み出来る量に限界があるので、
たった二列目が終わったところで終了。

自家製烏龍茶づくり

家に帰って、日なたで一時間。
日陰で二時間ほど干して、半発酵させます。

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本当は、葉の先が黄色くなるまで発酵させるらしいけど、
今回は青臭さが消える程度で、次の工程に進みます。

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中華鍋でお茶っ葉を炒って、パチパチ水分を飛ばします。
炒って熱々の葉っぱを手で揉んで、水分を出します。
そしてまた炒って、の繰り返し。
葉っぱの量が多かったので、二時間ほどかかって全部カリカリになりました。

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さっそく淹れてみると、清清しい香りと優しい味。
釜炒り茶と烏龍茶の間のようなお茶になりました。
手前味噌ですが...ふつうに美味しい♪

自分で自分のお茶を作る

ふだん飲んでいるお茶のこと。

どんな姿の木で、
どんな葉っぱをしていて、
どんなふうに作られているか。

摘んでから炒るまで、変化していくお茶の香り。
目の覚めるような清爽な芳香に包まれる、至福の時間。

知らなかったことを知るのが楽しい。

自分で摘んだ葉っぱで、お茶を作り、飲む。
昔ここで住んでいた人たちの暮らしをトレースしていく。

これから、お茶畑の手入れをしていくにあたって、
勉強することは山ほどあるけれど。
今後、どんなことが出来るかワクワクしています。

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