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コラボしようぜで始まったけどまだ中身も決まっていない本の連載

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突然の「コラボしようぜ」というツイートから、いきなり始まってしまった本の企画を連載していくマガジンです。 https://scrapbox.io/kuratakabooks/ もっと読む
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#倉鷹コラボ本

第二十七回:つなぐ、つなぐ

第二十七回:つなぐ、つなぐ

倉下さんの、私以外との「コラボ」はどんな感じですか?

と、前回鷹野さんに話を振っていただきました。

最初に断っておきますと、2018年は私にとってコラボ強化月間、いや年間です。これまでのセルフパブリッシングは、そのほとんどを「ひとりっきり」でやってきましたが、「かーそる」の活動が存外に面白かったこともあり、今年以降はそうした活動も増やしていこうと考えています。

そもそも私は、長年コンビニの店

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第二十六回:混ぜるな危険

第二十六回:混ぜるな危険

前回の倉下さんからは、3万6800円の限定セミナーで語られている内容の一端をご紹介いただきました――っと、これは「半分冗談」とのことなので、たぶん1万8400円なのでしょう。はい、これも冗談です。

こちらの直球を素直に打ち返していただいたので、こちらも「コラボ」という直球を素直に打ち返すことにしましょう。そもそもこの企画が「コラボしようぜ」で始まっていますからね。

◇ ◇ ◇

さて、一般的に

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第二十五回:バーベル戦略で行こう!

第二十五回:バーベル戦略で行こう!

では、どうやって話題を作ればいいのか? —— セール以外で。

前回は、463のゲッツーくらい綺麗な流れで話を振っていただきました。セールもなし。炎上もなし。それで話題を作る方法?

いいでしょう。本来は3万6800円の限定セミナーだけで教えている内容ですが、今回はこっそりその方法をお教えします。本当に貴重な内容なので、心の石板に刻んでおいてください。

○○を、話題になるまで続けること。

○○

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第二十四回:在庫リスクがなく無限の棚に並べられるから突然売れても機会損失しない

第二十四回:在庫リスクがなく無限の棚に並べられるから突然売れても機会損失しない

前回の倉下さんは、私のストレートな振りに対し、わりと素直に答えていただきました。天邪鬼はどこへ行った? という疑問はさておき、私も別のグラフを公開してみましょう。これは、私が2012年5月にセルパブした本の、月別の販売部数推移です。2012年5月ですから、Kindleストアが日本に来る半年くらい前の話です。

当時、商業出版で類書は3点くらいありましたが、あまり売れなかったとみえて、改訂版も出ない

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第二十三回:売上げグラフに電気ショックを

第二十三回:売上げグラフに電気ショックを

私は、二十代という多感な時期をコンビニで働いて過ごしてきたので、販売データには目がありません。特に、前回鷹野さんが公開してくださったような単品の販売データは大好物です。ご飯三杯はいけます。

たとえば、あのデータも「販売数では3倍以上も離れているのに、金額ベースだと1.5倍程度しか離れていない。トータルの金額では値段を変える方に軍配が上がったが、変えない戦略もそれはそれでありだな」なんてことを考え

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第二十二回:最初は無料、あとから有料、そして値上げという価格戦略

第二十二回:最初は無料、あとから有料、そして値上げという価格戦略

連載の間隔が少し空いてしまいました。ここしばらく、ちょっと予定を詰め込みすぎて、あっぷあっぷになっていました。溺死するかと思ったほどです。続きをお待ちいただいていた方々、申し訳ありません。

とはいえ、もしこの連載が、誰かから原稿料をいただける形であれば、あるいは、ちょっと美味しいもの食べられるくらいの投げ銭が毎回いただけるような状態であれば、優先順位を跳ね上げ多少無理をしてでも原稿を仕上げていた

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第二十一回:新しい値付けへ向けて

第二十一回:新しい値付けへ向けて

前々回で「セルパブではほとんど参考になりません」とばっさりと書いたのには、もちろん理由があります。セルフパブリッシャーに勇気を持ってもらいたかったのです。

◇ ◇ ◇

前回鷹野さんは、以下のように書かれました。

小説ならどうか? こちらももちろん、同ジャンルの商業出版の値付けを意識せざるを得ません。たとえばライトノベルなら、商業出版で一定以上の品質である(はず)の文庫本が、600円~700円

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第二十回:定価? そんなものはない

第二十回:定価? そんなものはない

前々回、原稿を書きながら「ここから先を説明すると、ちょっと長くなりすぎるな……」と思った私は、そこでぶった切って倉下さんへぶん投げるという荒技を仕掛けました。往復書簡的連載ならではの強引さ。今回ばかりは、素直に打ち返していただきました。ふふふ。

とはいうものの、冒頭のこの一節で、私は盛大に笑ってしまいました。

まず、前回鷹野さんが丁寧に解説してくださった商業出版での本の値付けは、セルパブではほ

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第十九回:「物の経済学」と「情報の経済学」

第十九回:「物の経済学」と「情報の経済学」

前々回、気軽な気持ちでボールを投げたら、剛速球が返ってきました。

では、我々が小さな出版社(者)としてセルフパブリッシング、もしくはセルブズパブリッシング、あるいはチームパブリッシングを行うときは、どのように価格付けを行えばいいか?

ここまで真っ直ぐな球ならば、いさぎよく打ち返すしかありません。セルパブにおける値付けについて考えてみましょう。

◇ ◇ ◇

まず、前回鷹野さんが丁寧に解説して

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第十八回:商業出版ではどうやって価格を決めているのか?

第十八回:商業出版ではどうやって価格を決めているのか?

私は前回、マーケティング・フレームワーク4Pのうち「Promotion(販売促進)」と「Product(製品)」の2つに関することを書いた時点で、倉下さんへバトンを渡しました。普通の天邪鬼なら、残り2つを放置して別のことを書くでしょう。その場合、次の私のターンで残り2つを書けばいいだけの話です。

「あ、やはりそう来たか」と思った私は、思わずこれに反応してしまいました。あとから考えてみたら、こんな

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第十七回:人の居る場所に、無料で読めるものを展開する

第十七回:人の居る場所に、無料で読めるものを展開する

皆さん、ご存じでしたか。真なる天の邪鬼というのは、「あっ、こいつ天の邪鬼だから、予想とは違う行動をするな」と思われたときは、むしろ素直な行動を取って、さらに予想を裏切るものです。

というわけで、前回の鷹野さんの話を受けて、マーケティングの残りのP二つについて書いてみましょう。

◇ ◇ ◇

まず4Pの全体像を覗いておきます。

箇条書きではなく、円の上に並べたのには実は理由があります。

この

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第十六回:認知がまったくない段階でもできる施策とは?

第十六回:認知がまったくない段階でもできる施策とは?

「コンテンツの無料と有料をどのようにコントロールしたらいいのか?」という倉下さんの問いに対する私の答えは、書き手の「認知度」と、コンテンツを伝播するメディアの「固さ」に依って異なる、というものでした。それに対し倉下さんからはさらに、以下のような問いが返ってきました。

では、書き手の「認知度」がまったくないか、あるにしてもごくわずかだとして、その人が「電子書籍」を売っていきたいとしたら、どんな施策

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第十五回:経験財のバイパスルート

第十五回:経験財のバイパスルート

前回では、鷹野さんが「経験財」「探索財」「信頼財」の三つを提示してくださりました。ここでポイントとなるのは「財」というキーワードです。

「財」とは経済学において、何らかの効用を持つものを差す言葉ですが、そのうち需要に対する供給にギャップがあり、価格が形成されるものを「経済財」、供給が無限にあり価格が形成されないものを「自由財」と呼びます。

現代のネット状況を眺めてみると、時間つぶしのためのコン

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第十四回:中身を読んでみないと価値が判断できないのに

第十四回:中身を読んでみないと価値が判断できないのに

前回の締めで、倉下さんの悪そうな笑顔が脳裏に浮かんで離れなくなってしまった鷹野です。なんというバトンの渡し方をしやがりますか。天の邪鬼属性Sの倉下さん、ちーっす。

往復書簡的に進んでいる当連載ですが、倉下さんの投げ返しがあまりに速く鋭いため、受け取りまた投げ返すのが大変です。まあ、私はM属性なので、これはこれで楽しいのですが。引き続きのんびり、マイペースにいきたいと思います。

◇ ◇ ◇

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