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【アドラー心理学入門】時間の質を変える。フロイトの過去分析からアドラーの未来設計へ【アファメーション】


時間の流れは2つ

あなたは時間の流れについて考えたことがありますか?
「時間の流れ方」は、大きく分けて2つ考えられます。

  • 過去から未来に時間が流れている

  • 未来から今に時間が流れている

の2つです。
他にも論点によっていろいろな切り口があると思います。
今回は考え方が対称的な部分があるアドラーとフロイトの話をしたいので、この視点で説明します。

過去から未来へと時間が流れる

まずは1つめの「過去から未来に時間が流れている」の考え方の例をあげます。

  • 両親がいるから私がいる

  • あの上司に怒られたことがあるから苦手

  • 英語のテストでいい点がとれたことがないから嫌い

  • 私は看護師なので、看護師の仕事をしている

みたいな感じです。
過去にあった事象が今や未来に影響しているという考え方ですね。
間違っていないと思います。正しいです。

フロイトについて

この考え方に立っているのはフロイトです。
簡単に説明します。

  • オーストリアの神経科医、精神分析の創始者です

  • フロイトは精神分析学という心理学の分野を確立しました

  • 人間の心理を深く掘り下げ、意識と無意識の概念を導入しました

  • フロイトは、個人の過去、特に幼少期の経験が未来の行動や性格に深く影響を与えると考えました

  • 幼少期のトラウマや経験は、大人になってからの心理的問題の根源となることが多いと提唱しました

  • 例えば、子供時代の親との関係が成人後の人間関係や自己像に影響を及ぼすと考えました

  • 過去の記憶や経験は多くが無意識の中に存在し、無意識の内容が現在の行動や決断に影響を与えると考えました

  • 無意識の内容を意識化することで、過去の影響を理解し、未来の行動を変えることが可能になると考えました

以上により、「過去から未来に時間が流れている」のはフロイト的な考えであるといえます。

過去の延長が未来である

この考え方でいくと、過去の延長が今であり、今の延長が未来です。
つまり昨日の延長が今日であり、それが死ぬまで続いていきます。

  • 両親がいるから私がいる。そして子どもができる。

  • あの上司に怒られたことがあるから苦手。苦手だから早く上司と違う部署になりたいな。

  • 英語のテストでいい点がとれたことがないから嫌い。英語嫌いは治らない。

  • 私は看護師の資格を持っているので、看護師の仕事をしている。定年まで看護師を続ける。

のような未来が見えてきます。
親ガチャでハズレたので、私は不幸だ、という考えもこちらになりそうです。

未来から今へと時間が流れる

もう一つの考え方は「未来から今へと時間が流れる」です。
先程のフロイト的な考え方とは逆ですね。

  • 私が生まれたから両親は親になった。今後子どもができたら私は親になる。

  • あの上司とうまくやるには根回しが必要。今後気をつける。

  • 海外移住したいので、英語の勉強をしてみる。

  • 私は看護師だけど、在宅ワークをしたいのでプログラミングを勉強している。

みたいな感じです。
どうでしょうか、時間の流れが変わったのがわかりましたか。

アドラーについて

この考え方に立っているのがアドラーです。
簡単に説明します。

  • アドラーは人間の行動は未来の目標や理想に向かって動くと考えました

  • 未来の目標が現在の行動を決定するという目的論的視点を提唱しました

  • 自分自身の未来を形作るために目標を設定し、それに向かって努力すると考えました

  • 人は生まれながらにして劣等感を持つが、これを克服し、自己実現を目指すことができると考えました

  • 未来の成功への願望は、現在の劣等感を補償し、より良い自己に成長する動機となると考えました

  • 未来に向かって進むためには、困難や挑戦に立ち向かう勇気が必要と考えました

  • アドラーは、勇気を持って未来に向かうことが自己実現への鍵と考えました

アドラー的な考え方だと、過去はどうでもよく、ゴールが大事ということが伝わってきます。

未来への通過地点が今である

明確な目標を持つことが大事です。
明確な目標がないと、そもそもアドラー的な考え方ができません。
目標は現在の動機づけとなり、モチベーションになります。
時間は一方通行で、過去は変えられません。
しかし、未来は創造できます。
今この瞬間が未来をつくる唯一の時間です。
現在の行動が未来にどう影響するかをしっかり意識する必要があります。
今日よりも明日、明日よりも次の日と、自分自身を進化させ、未来に近づける、という時間の流れ方がアドラー的だといえます。

時間の質を変える。フロイトの過去分析からアドラーの未来設計へ

フロイトはいわば過去分析、アドラーは未来設計です。

例を挙げると

  • 今日スピーチに失敗したのはあがり症だからだ(フロイト的)

  • 明日のスピーチは前よりも少しでも上手にしたいから入念に練習しよう(アドラー的)

  • 私の頭ではこの学校がギリギリだった。この会社に拾われただけでもありがたい(フロイト的)

  • 私はこの会社でやりたいことができないので、スキルアップして転職する。(アドラー的)

のうような感じです。
どちらが充実した人生を送れるでしょうか?
それは言うまでもないですね。アドラー的な視点を持ちたいですね。

理論は終わりです。
次はあなたはどうか考えてみましょう。

自分の時間の流れはどちらか

あなたの時間の流れ方はフロイト的ですか?アドラー的ですか?
以下、設問を用意したので、できれば答えてみてください。
もちろんスルーしてもいいです。

ここで私の好きな言葉をシェアしたいと思います。

問題は、問題として認識するまで、悪化し続ける
問題がひとりでに解決することは、絶対にない

史上最強の人生戦略マニュアルより

では、設問です。
あなたの選択に関するものです。
3つあります。

問1なぜその職業(学校)を選んだ?

高校、大学、大学院、会社(法人、行政など)はなぜ選びましたか。
理由を考えてみてください。
その理由はフロイト的ですか、アドラー的ですか。

問2なぜその相手を選んだ?

パートナー、友達、職場の同僚、SNSのフォロワーはなぜ選びましたか。
理由を考えてみてください。
その理由はフロイト的ですか、アドラー的ですか。

問3なぜ今の収入源を選んだ?

今の収入源はなぜ選びましたか。
収入源とは、勤めている人なら勤め先、親からお小遣いをもらっているなら親、会社を経営しているなら会社、といった感じです。

理由を考えてみてください。
その理由はフロイト的ですか、アドラー的ですか。

アドラー的な時間の流れにもどすにはゴールが必要

どうでしたか。
フロイト的な選択が多かったかもしれません。
私は全部フロイト的でした。(過去形です)
何も意識しないと、人間はフロイト的な時間の流れをしてしまうようです。
だから今日から、アドラー的な時間の流れを意識したいですね!
では、今からアドラー的な時間の流れをインストールして、時間の質を変えるワークをします。

大抵の記事は読んだあとに
「知らなかった」
「おもしろかった」
「またやってみよう」
みたいな、いわゆる「学習した気」にして終わりです。
読書も同じですが、「勉強した気」になって、自己満足で終わりがちです。

しかし私は行動変容が専門の心理師です。
当然そういった「知識をインストールする方法」も伝えたいと思います。

アドラー的な時間の流れ方をインストールするワーク

無意識の時間の流れをフロイト的から、アドラー的なものに近づけるワークです。
繰り返すとインストールできるので、繰り返してみてください。
スマホアプリやPCのプログラムみたいに一瞬にインストールできたらいいのですが、脳はバックアップ機能や制御機能が優秀なので、繰り返しインストールする必要があります。

ワーク1自分にとって重要なことを考える

一度にたくさんインストールはできないので、1つずつインストールします。
まずは「何をインストールするか」という最重要事項を決めます。
決め方は、

  1. 自分の大事だと思うもの(こと、状態)を「単語で」できるだけたくさん書き出す

  2. 書き出した単語をグループ化する。共通事項をまとめる

  3. まとめたものに重要度をつける

という流れになります。
書き出す方法としては、私はExcelやスプレッドシートみたいなものを使っています。
手書きの場合は並び替えのしやすいふせんがおすすめです。

この本のやり方を応用しました

ワーク2重要なことのゴールを具体化する

ワーク1で決まった最重要事項のゴールを具体化します。

例えば健康なら、体重を適正範囲にする、睡眠時間を確保するなどです。
お金なら、不労所得で生活する、無駄な出費を抑えるなどです。
抽象的なゴールを具体的な形にしましょう。

ワーク3ゴールが達成できた状態をイメージする(アファメーション)

ワーク2で決まった具体的なゴールを更に鮮明にします。
ゴールが達成された状態を感情を使って表現してください。

体重が適正範囲にするというゴールなら、健康診断前に神経質にならなくていい、服のサイズはSサイズ。
Lサイズは全部捨てた。目覚めがものすごく良くて、海やプール、温泉に行くのも視線が気にならなくなった。
みたいな感じです。

目的が達成された状態の理想の1日をイメージするもの効果的です。五感をふんだんに使いましょう。

  • 朝はコーヒーの香りで目覚める(嗅覚)

  • 外を見ると、タワーマンションからのいい眺めが見えている(視覚)

  • ベッドからでると少し肌寒い(触覚)

  • 静寂が心地よい(聴覚)

  • セットしてあったコーヒーを一口くちに含み、穏やかな一日がはじまる(味覚)

のような感じで、目をつぶってイメージしましょう。

イメージの前に、ヨガや瞑想ができる人は、ここで少し心を落ち着かせます。
そういったことができない人は、この瞑想法を軽くやってみてください。

それではどうぞ。安全が確保された空間で、ゆっくりゴールが達成された状態を楽しんでください。

ワーク4現在からゴールまでの道のりをイメージする

ワーク3でゴールを一度体験できました。
あとは現時点とそのゴールの間を考えていきましょう

おすすめはゲーミフィケーションという考え方です。
例えば、現時点をレベル1、ゴールをレベル5と仮定します。
そうするとレベル2から5に上がるためには、何ができたらいいのか?ということが見えてきます。
例えば体重を減らすなら


レベル1 現時点の体重70kg
レベル2 65kg
レベル3 60kg
レベル4 55kg
レベル5 理想の体重50kg


のような形でもいいですし、


レベル1 現時点
レベル2 毎日体重測定 2週間以上継続
レベル3 1食をプロテインに置き換える
レベル4 1日1万歩歩く
レベル5 理想の体重50kg


のような形でもいいです。
後者の方が各レベルのゴールがイメージしやすいので達成しやすいと思います。

まとめ

  • 時間は未来から今へ流れている

  • 過去はどーでもいい

  • 未来から時間を流すにはゴールが必要

  • 私にとって重要なことを探す方法は知っている

  • 重要なことに対するゴール設定の方法も知っている

  • ゴールの達成方法もわかった

  • あとは実行するだけ

この記事を通して、少しでも生活のが充実したものになればいいなと思い執筆しました。
今後も最新情報をお伝えしたいので、よければフォローをおねがいします。
私も自己肯定感が上がり、記事の質と量が向上すると思われます。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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