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小学生の時の作文シリーズ⑭

 昨日に引き続き、新美南吉の「ごんぎつね」の感想文を紹介します。今日は、前に紹介した感想文とは別の感想文を紹介します。

 ごんぎつねを読んで  ごんは最初、畑へ行っていもをほり散らしたり、菜種がらのほしてあるのへ火をつけたり、百しょう家のうらてにつるしてあるとんがらしをむしり取っていたりしている時は、おもしろいなぁと思っていたにちがいない。でもそれは、さびしいしつまらないからだと思いました。兵十がとったうなぎやきすを、川の中へポンポン投げた時は、反省したのにいもの時や菜種がらや、とんがらしの時は反省しなかったのはどうしてか、不思議に思いました。ごんは、兵十に悪いことをしたことに、くりやまつたけをとどけにいきました。それで、兵十に悪いことをしてごめんねと思ってとどけていたと思います。ある日、ごんがくりやまつたけをとどけている時兵十が物置でなわをなっていたのでごんは、しずかにいったのに見つかってしまって、兵十に「ドン」とうたれてしまいました。私はここで、あーあ、せっかくごんがくりやまつたけをとどけにきてくれているのに、どうしてうってしまったんだろう。うってしまったら、もうくりやまつたけが食べられないのになぁと思いました。それに、ごんはいいことをしていたのにかわいそうだなぁと思いました。兵十は、ごんがくりやまつたけをとどけにきてくれたということを知ったときはもうおそかったのはざんねんでした。兵十は、このことを知って、ひなわじゅうを落とした時の気もちは「ごん、おまえだったのか。いつもくれたのは。うってごめんなしらなかったんだ。本当にごめんな。」と思って少しなみだがこぼれたと思います。私は、この物語を読んで、悪いことはしてはいけないんだなぁと思いました。そしてむやみやたらに人をいじめたりしてはいけないと思いました。毎日そういうふうにくらしていけるかわからないけれど、人にはやさしくしんせつに、そしてまじめに生きていきたいと思います。ごんは兵十に対して悪いことをしたのでそのおんがえしにいろいろなおわびをしています。人を苦しめたり、悲しめたりすることは、悪いことです。私も、何か悪いことをしたときよく反省して、これからは同じ悪いことはしないようにいつも気をつけてがんばりたいと思います。

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 小学生当時の感想文を読んでも、けっこう頷けるのですが、「ごんぎつね」を大人になってから読むと、さらにいろいろなことを考えさせられます。

 もしテーマのようなものがあるとすれば、ひとつではないと思いますが、「一度あやまちを犯したら二度とゆるされないのか?」というようなことも描かれていると思います。もし、ゆるされないのであれば、兵十がごんを撃ったことも、ゆるされないことになるよね、とか、兵十(人間)はその後も生き延びて、ゆるされようと行動したごん(動物)は命を落とすというか奪われてしまうという結末なんだよね~…などと考えていると、もやもやするけど、だからこそ、印象に残るお話なんだろうなぁとも思います。もちろん、現実的にも感情としても、「それはゆるされないだろう」というようなこともあるので難しいですが、「ゆるされる」という受動的な立場にずっといるのは不自由だと思うので、一度は、ゆるされる側になったとしても、手遅れにならないように自分の行動で自由になっていけるということを、ごん(動物)が示してくれているのかもしれません。

 ほかにも、始まり方(冒頭)が、「昔こんな話を聞いたことがある」という形で始まっているのが興味深かったり、兵十の友人が神様について話したりするところなどもあるので、「ごんぎつね」がどういう話なのかというのは、想像以上にいろいろあるのではないかと思いました。

 「私も、何か悪いことをしたときよく反省してこれからは同じ悪いことはしないようにいつも気をつけてがんばりたいと思います」

 小学生の頃の自分から、あたりまえといえばあたりまえだけど、生きるうえで大切なことのひとつを言われたような気がしています。

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