感想文 ナイルパーチの女子会を観て②

　ナイルパーチとは凶暴な肉食の魚で、公式の情報には、主人公とその友達がナイルパーチであるとか、登場人物全員ヤバい、とも書かれてあり、

　確かに、他人の評価を気にしたりしなかったりの生活の中で、セックスに及んだりしますし、過去の友人関係の挫折体験をショウコに重ね、しつこくメールし続け攻撃的になってしまったり、ストーカー化して監視・脅迫などの犯罪にまで走ったり、人を私欲のために利用したりする、登場人物たちなんです。

　それらの行為はけっして肯定できるものではないけど、でも人間って、そこまでじゃないにしても、傷ついたり傷つけたりする経験を通して成長していくもので、そういうことが何ひとつなくて、なんだか潔白過ぎて、ホントに恋愛かよ？友情かよ？心の動きがなさすぎないか？という気持ちもあります。大事なのは、そういう時に、踏みとどまることを覚えていったり、自分を振り返ったりして成長できるかどうかだとも思います。

　むしろ、鬱屈したものが、発散されている分だけ、凶暴性も薄まることだって、あるのではないでしょうか。だからといって、自分勝手に発散していいわけではないですけど。

　なので、一見、こりゃ確かに凶暴だわ～と思うような登場人物ではなくて、NORIと編集者もかなり怖いなと思ったんです。

 ③に続きます。

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