中途半端のススメ/未完であることは現在進行中なわけで
私だけかもしれませんが、大好きなドラマや小説などに限って、最後を見ないようにしています。なんだか、終わってしまうのが寂しくって。
そんな物語ほど、深く長く忘れられなかったりするから不思議です。
人は未完了なタスクや目標に対して、完了したものよりも強い記憶や関心を持ちます。
ツァイガルニク効果という心理学的現象です。
この効果は、1930年代にソビエト連邦の心理学者ブラーマ・ツァイガルニクが発見しました。
ツァイガルニク効果のメカニズムについては、いくつかの説があります。
一つは、未完了なタスクは注意や認知資源を引きつけるため、記憶に残りやすいというものです。
もう一つは、未完了なタスクは自己像や自尊心に関係するため、動機づけや感情的な関与が高まるというものです。さらに、未完了なタスクは完了したタスクよりも不安や緊張を引き起こすため、記憶の強化に影響するというものもあります。
オープンリング(完結していない円)という、未完了なタスクや目標を意識的に思い出すことで、ツァイガルニク効果を利用する手法があります。
オープンリングは、タスクや目標を明確に定義し、その達成度や進捗状況を可視化することで行います。
例えば、本を読むというタスクでは、読みたい本のリストを作り、読んだ本にチェックを入れることでオープンリングを作ります。このようにすると、読んでいない本が記憶に残り、読書への動機づけが高まります。
ツァイガルニク効果は、学習や仕事などのさまざまな分野で応用できます。例えば、学習者は、一つのトピックを完全に理解する前に別のトピックに移ることで、記憶の定着を促進できます。
また、仕事をする際には、一つのタスクを中断して別のタスクに取り組むことで、創造性や生産性を高めることができます。
ただし、ツァイガルニク効果を利用する際には、適度な難易度や時間制限などの条件が重要です。
あまりにも難しいか簡単すぎるタスクや、あまりにも長いか短すぎる中断時間は、記憶やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
この話を聞いた、男性が「だから私はプラモデルを積むんです」と言っていましたが、あれはいったい…
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