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水耕栽培が軌道に乗り、毎日見つめて思う「植物の動き」【胡蝶蘭その7】

カビ事件を経て、水耕栽培のコツ…のようなものをつかんだ私は、着々と数を増やし、半年後には、実に9つの水耕栽培胡蝶蘭と暮らしていました。

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水耕栽培のポイントは、水に浸ける→しっかり乾かす、のメリハリをつけることです。
これは、一般的な水苔+素焼鉢の育て方でも同じだと思います。
一度しっかり乾かすことで、根腐れやカビ防止になります。
私はカビ事件のトラウマがあるので、水耕栽培の初日にアルコール消毒しています。

水耕栽培が軌道に乗り出してから、寝る前に毎日2〜3時間は胡蝶蘭を見つめるという、ルーティンがはじまりました。
ただ見ているだけで満たされました。

水を吸って緑色が濃くなりぷっくりとした根を見ては歓喜。
夏場には毎日ぐいぐいと新しい根が出てくる様子に狂喜。
アイドルの撮影会かというくらいカメラ向けました。

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10月半ばだったと思います。
「根の動きが止まったな」という日がありました。
いわゆる夏の成長期が終わって株が休眠期に入ったのですが、ある時、急にみんな揃って「根の成長、休みます。」となり驚きました。
毎日凝視していたので「その日」が分かったのです。

私は以前、「植物は喋らないので難しい」と書きましたが、「植物は動く」と思っています。
人間や犬や猫みたいに移動したり激しく動かないので、スピード感は違うけれど、結構動くよね、というのが育てている実感です。

日光に向かって伸ばす方向を変える枝とか、水に向かう根の張り方とか、成長のための合理的な、生きる執念を感じるような植物の動きはとても魅力的。
同時に、枯れていく時の動きもまた違った魅力があると思います。

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「喋らない」も実は間違っていて、私が今まで聞こうとしてこなかっただけなのかもしれません。
何事も人間の物差しで測っていると、後々、何ものかから洒落にならないくらい怒られるような気がします。

自然の壮大さの縮小版が家の中にある。
室内の観葉植物でさえ、そう思わせるのが植物の凄いところです。
いえ、室内の観葉植物だから、より際立つのかもしれません。

胡蝶蘭の形状は、何故だか特に、私に「自然への畏怖」のようなものを想起させました。

さて時は移ろい冬の気配。
胡蝶蘭の根、根、根、と根の話ばかりしてきましたが、花、見たいな…と思いはじめるのが人情です。

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