恋泥棒 と カレンダーガール

落語では『泥棒』の出てくる噺は縁起が良いとされている。

「お客様のふところに入り込んで、ハートも御祝儀も奪っちゃうぞ♪」ということらしい。

『あなたのそのハート、い・た・だ・き・ま・す・！』（by.怪盗少女）みたいなことですね。

しおりんのツイテ、可愛かったなぁ。←

そんな可愛い泥棒には『時にはキーック！時にはパーンチ！逮捕しちゃうぞ♪』（by.ミニスカポリス）と返したい。← いちいち古い。

年明けの初席。

だいたいどこの寄席でもかかるのは、みんな大好き【初天神】。

古典落語のテッパンネタで、前座から師匠まで幅広く扱う噺。

みんなが大好きでも、みんながみんな【初天神】ばかりを演る訳にはいかないので、そんなときには、まぁ、演技の良い“泥棒噺”がかかったりするのです。

ちなみにわたしは、昨年末、“あのウワサの初天神”を聴くことが叶ってしまった。

そう。

三遊亭ふう丈氏 /【ターミネーター初天神】

演目名だけは存じ上げていたのですよ。とてもおもしろいって。界隈では有名でした。

古典落語【初天神】の世界に、あの、アーノルド・シュワルツェネッガーでお馴染みの“ターミネーター”が舞い降りたという新作落語。

ね？

どう贔屓めにみてもつまらなそうでしょ？ ← 言い方。

Ａさんにハマる笑いがわたしにハマるとは限らない。笑いのツボは十人十色。

よって全然期待していなかった！ ← だから言い方。

それが、年末に偶然にも拝聴できたのですが・・・

クッソヤバい！！！ ← どっちにしても言い方。

抱腹絶倒で、元ネタに忠実でありつつも、ターミネーターを巻き込んでのドタバタ劇がめちゃくちゃおもしろい！！！

ちょっとナメてましたよ、ごめんなさい、アサダ五世改めアサダ三世！！！流石です！！！←

さて、はなしも時も戻そう。

御正月なんていうのは、何かと“縁起物”が重宝されますからね。

【初天神】だけでは間が持ちませんので、縁起担ぎの“泥棒噺”も持て囃されるワケです。

そこで、パッと思いつく泥棒の噺。

【鈴ヶ森】
【置き泥】
【だくだく】

あたりでしょうか。

そう言えば先日、とある噺家さんが、久しぶりに【だくだく】をかけたのですよ。

珍しいなぁと思っていたのですが、あぁ、なるほど御正月だからかしらん、なんて思い至ってみたり。

そして、その数日後、何気なくスクロールしていたTwitterで別の方の【だくだく】を偶然に拝見しました。

We had a great start of the year at Aoteya Rakugo Club yesterday!!!

9 people attended, and I even got to test the story I’m currently learning (not OK-ed by my master yet).

Info about next meeting: https://t.co/zXayvsek2J pic.twitter.com/UTNnRRMEqG

— English Rakugo NZ (鹿鳴家英志/Kanariya Eishi) 🇳🇿🇯🇵 (@rakugonz) January 10, 2021

Who is Eishi?

ニュージーランドにて『英語落語』を演られている鹿鳴家英志氏。

数ヶ月前に、いしまるゆき嬢と「英語で落語をやりたいね〜」なんて話していたときに、時同じくTwitterで出会いました。

鹿鳴家英志氏は噺家さんではなく、役者&コメディアン。

そんな、英志氏の【だくだく】、元ネタを崩さずに海外文化にマッチするように手を加えられていて、しかも全部英語で話されているのです。

それだけでも凄いのに、きちんとそれが海外の子供たちにウケている！！！

“NEO落語”とでも言うべきでしょうか。新しい落語の可能性を感じました。

YouTube動画もあるようで、こちらからどうぞ☆

English Rakugo NZ- Kanariya Eishi

そう、この【だくだく】を初め、“泥棒噺”はいくつかある。

『お客の懐に入り込む』ところを、泥棒が『忍び込む』様子に重ねているのだと言うが・・・

そうだと言うならば・・・

もっと、『お客のカレンダーやスケジュール帳』にも積極的に入り込んでみても良いのではないかと思う。

というのも、寄席や落語会はもちろんのこと、音楽ライブなどのイベント情報って『お客が積極的に情報を取りに行かないと取れない』という状況が多いなと感じる。

確かに、日程は事前にSNSなどで発信されているがさらりと流れてしまう。コアなファンだったら厭わず自ら情報を取りにゆくのだが、“にわかファン”や“プレファン”にとっては、情報取得のために相当程度能動的に動く必要があるなと思う。

いつ・どこで・だれが・なにしてるのか・・・受け身でいたら、全くわからない。

さらには、『噺家Aと噺家Bの落語会がバッティングしちゃう！』なんて落語ファンからしたら顔面蒼白・意気消沈な事態は頻繁にあることで、そんなときにどちらの落語会を優先させるというのは、やはり“ふところのスケジュール帳に先に忍び込んでいた予定”のほうである。

なので、“舞台の人たち”は客のふところに自分の存在を落とし込みたければ、まず、積極的に、そして確実に“予定”をねじ込みにゆくのが正攻法だと思う。

もし、わたしだったら、好きなあの娘のハートを盗むためには、まず相手とのデートのスケジュールをガッチリ盗みにゆくね！

そして・・・

「くっそー！ さや香め、まんまと盗みおって！ヤツはとんでもないものを盗んでいきました！・・・あなたの心です」

くらいのことを銭形警部に言わせたい♪ ←

で、『カレンダーガール』くらいに、相手のハートもカレンダーもいっぱいにして、メロメロにできたら“勝ち”なんだと思う☆

誰でも参加できちゃう！
大人の文化祭やってます♪
2021年もまだまだ突っ走ります！
ご参加お待ちしてます☆

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