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ブリュッセルの5つ星ホテル=メトロポールは、19世紀末創業。


 2018年夏。ダルムシュタットに一泊したのち、そのまま夏季休暇に突入し、ベルギーの首都=ブリュッセルへ。この行程が、実は私史上最悪の地獄の移動となってしまった。この日はドイツ国鉄始まって以来のシステムクラッシュの日にあたったらしく、フランクフルトにたどり着いた後、そこから出発するはずの列車がキャンセルになり、これに乗れって指示されて乗った列車はケルンへ向かう途中で、何とフランクフルト空港駅に引き返す、みたいな大混乱のダイヤに。本来ブリュッセルに到着しているはずの時間にまだフランクフルト空港駅にいて、怒号飛び交う中、何とかブリュッセル行きのチケットを手に入れた。

 ところが、さらなる苦難が続く。ブリュッセル行きの列車は超ノロノロ運行で、ケルンに到着したのは夜の21時。しか~も、何とブリュッセル行きのその列車はケルンどまりになり、全員降ろされた。いや、本当に意味不明でした。駅事務所に全員で押しかけて、わあわあやっているとそのうちどうやらタクシーでDBもちでブリュッセルへ連れて行ってもらえるということらしい。要領よく主張して、三番目くらいのタクシーに乗り込んだもののこっからがまた辛かった。イギリス人の若者たちとドイツ人のおっさん合計6人の相乗り、狭いうえにブリュッセルにたどり着いたのは夜中の1時でした。ホテルの前まで連れて行ってもらったのが、せめてもの慰みでしたが、その時のホテルが、ここホテル・メトロポール。

地獄から天国へ。

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もちろんこの画像は翌朝。あの日は、疲れ果てて即寝でした。

このホテルの建築美は、さすがでした。

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カフェの横、正面から入ると、大理石の廊下を奥へ向かいます。

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ホテル・フロントが、この雰囲気です。

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1895年創業。アール・ヌーヴォーをほんの少しスパイスにいれたルネッサンス様式といったところでしょうか。連写でその美しさをご堪能下さい。

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19世紀末の美しさそのままに、現役のホテルとして、活用されています。

人気映画ではありませんが、『陰謀のスプレマシー』(原題: The Expatriate、米国題: Erased)というベルギーを舞台とした映画で、このホテルのロビーとクラシカルなエレベーターを利用して、逃亡シーンが撮影されておりました。

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自分で扉の開け閉めをする、クラシカルなエレベーター。映画の中でもそうでしたが、実際階段を走って昇った方が早かったりするくらいの、優雅な動きのエレベーターです。この時代のものは、機械も美しさがありますよね。

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入口脇のカフェも美しい空間です。ここならば、宿泊客でなくても楽しめます。ただ、お部屋の方は、ちょっとクラシカル過ぎるかもしれません。

ブリュッセルは、アール・ヌーヴォー建築のパイオニア=オルタが建てた建物がたくさんあって、アール・ヌーヴォー建築のエキスポ的な都市です。オルタの自邸はじめ、また機会を改めてご紹介したいと思います。

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