日本美術の楽園・MOA美術館@熱海
夏休みになり、お盆になりましたが、世間は相変わらず何となく遠距離観光には控えめな環境が続いています。関東圏のマイクロツーリズムなら熱海もひとつ魅力的な温泉ですが、熱海はやはりこの美術館に是非立ち寄りたいですよね。
熱海の市街地の急斜面の上にあるMOA美術館です。玄関ロビーあたりから熱海の市街地と海が上の写真のような感じで見下ろせる場所にあります。駅南口から直通シャトルバスが運行されておりますので、そちらをご利用下さい。歩くと今だと熱中症確実な斜面です。
ここの代表的な収蔵作品はもちろん国宝のこれ。
尾形光琳の「紅梅図屏風」。こちらは、梅の季節に主に展示されますので、展示期間をチェック下さい。他にも重文級の作品の連続です。私が行った初夏の展示物をいくつか。
琳派の祖、俵屋宗達の虎の屏風。いい表情です。
光琳の兄弟=尾形乾山の作品。吉野の桜をテーマとしたもの。以前、箱根の美術館で竜田川の紅葉をテーマとした同種の器を見ましたが、おおらかな力強い美しさがありますね。
時代は明治になりますが、近代京都画壇の大家=竹内栖鳳の鹿をテーマとした屏風。左側の鹿が右に飛び込もうとしている、見事な動きのある構図ですね。アイコンに使ったのは、この左側の鹿ちゃんの接近写真。近づくと大掴みな筆致なのですが、形態と動きの把握力が凄いと思いませんか?
他にもいろいろありますが、庭には光琳の屋敷を復元しているという光琳テーマパークっぷりです。
最後に、光琳の紅梅図を描かれた当時の雰囲気に復元した画像を上げておきます。鮮やかな銀の成分が経年変化で黒くなり、現在のような渋い雰囲気になっていますが、本来華やかでデザイン性の高い作品だったんですね。
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