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もうすぐ母の命日

お盆の季節になると
実家で看取った母の
最期の3か月間が思い出される

兄と交代しながらの介護であったが
振り返ればなくてはならない
貴重なお別れの時間であった
その時その時は目の前のことで精一杯
お別れなんて気持ちもなかったのだが
4年たった今
東京へせっせと通ったあの時間は
母と初めてじっくり向き合えたときだった
父があまりにさっと消えてしまったこともあり
母とは少し覚悟して向き合った

家に残してきた夫や子どもたちにも
ずいぶんと協力してもらった
特に毎日の食事当番だった長男には
とても負担が多かったに違いない
まだ高校2年生だった
長男は私が帰ってきたらそんなことも
すぐに忘れてしまうので
何も言わなかったのだが
ずっと後になって何かの拍子に
「あの時は大変だったよ
だってさ食材もないんだよ」
なんて言われた
次男は一年後の夏休みになってから
「去年は学校の夏季勉強会の時の
お弁当がなかったから
自分でおにぎり作って持って行ったんだよ」
なんて打ち明けられた
娘二人は鬱がひどくなっていた夫のかわりに
明るく家事を切り盛りしていた

家族みんなにとっても貴重な時間だった
きっと今に生きている
どんなことも過去は今の自分を作るためにある
その時はつらくてつらくて精一杯でも
きっとそれが栄養になる日がくる
母に感謝して命日を迎えよう