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読書記録『コトラーのマーケティング5.0 』(フィリップ・コトラー)1 適切かつ俊敏な態度や考え方

コトラーのマーケティング5.0 』(フィリップ・コトラー)を読み始めました。サブタイトルは『デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』です。

まだまだ冒頭のため、今回は気になった箇所をピックアップする形が中心になります。

AIと人間(マーケター)の役割分担

個人的に興味深かったのは、AIと人間(マーケター)の役割分担のお話でした。

「AIが読み取り、分析できる範囲」とAIにはできないため「人間が読み取り、分析する範囲」について書かれていました。

今後、AIがさらに発達したらどうなるか分かりませんが、現時点ではたしかに……こういう箇所がAIに代替されないのではないかと思います。

適切かつ俊敏な態度や考え方も必要だ

速さ重視、行動力重視の傾向がありますが、私はあまり賛同できないと思っています。それに対して「まさにこれだ」と思う記述がありました。

適切かつ俊敏な態度や考え方も必要だ

フィリップ・コトラー『マーケティング5.0』p37

適切さと速さ、態度と考え方どれも必要だと述べています。
まさに、このとおりです。速さと態度だけが強調される傾向に違和感を覚えていました。

深く考えず、明後日の方向に素早く行動しても時間を無駄にしてしまう。
時間は万人に平等な資源。お金はあとで増やすことができても時間は増やせません。

次のようなことも書かれていました。

成否を本当に左右するのは、結局のところ、実行する際の組織の俊敏性である。

フィリップ・コトラー『マーケティング5.0』p40

これを読むと「やっぱり速さが大事なんだ」と思われるかもしれません。
しかし、次のような但し書きがあります。

ただし、データドリブン能力(データを収集、分析し、その結果を次の行動に繋げていく能力)の構築から始めなければいけない。

フィリップ・コトラー『マーケティング5.0』p40

ただ、素早く行動すれば良いというわけではありません。
前提になる能力があると述べてます。

需要のないところに向かって行動しても、結果に結びつくのは難しいと想像がつくのではないでしょうか。
失敗して新たな行動に出たとしても、データを収集・分析する能力がなければ無鉄砲。運が良ければ成果が出るかもしれません。

そうした状況にならないよう警鐘を鳴らしているように感じます。

サブタイトルには「デジタル・テクノロジー時代」とついていながら、人の能力が論点になるのは興味深いですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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