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1K8畳に空き缶と空き瓶

流れる血液はどろどろ、

今ばかりは、体の半分がアルコールでできているんじゃないか?と錯覚してしまう朝。

というより昼。太陽はもう上の方にいる。


昨日の飲み会、何時間も何を話したんだっけ。


・・・


大学生、ひとり暮らし、8畳の1K。

下宿組の中ではほんの少しだけ広め。自慢じゃないけど、持ち物にはそれぞれ物語を持たせていて、こだわりがあるし、ちょっとばかりおしゃれな部屋だと思う。……こんな言い方をすると、完全に自慢だな。


昨日も、うちで飲み会をした。


荷物も下さないまま、広いね〜と言いしばらく立っている人。

洗面所借りるね〜と言い、上着をソファに無造作に置く人。


人という生き物はどこを切り取ってもおもしろくて、他人の家にあがる時も性格や慣れの度合いが行動に現れる。


たこ焼き器を囲んで、クルクルまわす。なぜかひとりくらいは「実家でよくやるから!」とプロみたいな人がいる。学年にひとり年中半袖の人がいるのと同じように、多くの人が「わかる、いるよね(笑)」とうなずくだろう。


「あの教授の授業がつまらない」「〇〇さんが別れたらしい」

ゴシップをゲラゲラ笑いながら飲んでいた。何がそんなにおもしろかったんだろう。翌日になると毎度そう思う。


夜中、何かもっと深そうに見える話をした気がするけど、何だったっけ。

早朝、「先に帰るわ〜ゴミは一応まとめといた!お邪魔しました!」と颯爽と帰っていく友人を、ベッドから見送った微かな記憶。


・・・


自分の家で宅飲みをすると、翌日ずっと友人たちの影を家に感じる。

転校する本人より、転校していく友人を見送る方が寂しさを引きずるのと同じ感じ。


ステレオタイプな宅飲みを楽しんだ夜を、できるだけお洒落に書けないかと奮闘しながら、私は今スミノフを飲んでいます。


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