みんなあなたをすきなんだから。

わかる人はわかると思う。とても有名なゲーム MOTHER に出てくる、プレイ経験のある人なら必ず覚えているであろうセリフ。

きっと　また　かえってくるのよ。
くるしいときに　ここに……
みんな　あなたを　すきなんだから

みんなあなたを好きなんだから。
これを見た時、ああそうか、人は、これを言われたいために生きているんだな、と思った。

期待に応え、人を喜ばせることこそが幸福なんだろう。
でもそのせいで不幸になっている人が沢山いる。
好かれたい、嫌われたくない、が強すぎると結局自分のことしか考えておらず相手が見えていないから。
相手を喜ばせるためには、相手がどうすれば喜ぶのか見つめなきゃいけない。
相手に愛を伝えるためには、相手がどうされれば愛を感じられる人なのか、考えないと、自分と全く違う場合もあるからね。
それは相手に対する愛だから、愛されたいなら愛さなきゃいけない。それが檻から出るということ。

誰かと一緒にいるには自分の檻から出なきゃならない。誰かと一緒にいても、心を檻に閉じ込めていれば、うまくいかない。
檻から出れば、徹底的に傷つけられるし傷つけるのが当たり前。
どんなに人生経験積もうが自己啓発しようが、傷つかなくなるわけないし、自分が傷ついたのと同じくらい自分も他人を確実に傷つけている。
そんな覚悟もなくて、人生の幸福を味わうことなんか、できるわけねぇわ。

そんなことない、私は一人がいいし一人で好き勝手してるのが一番幸福なんだ、って言う若者よ。
覚えておいて欲しいのは、そうやって好き勝手して一人で生きてきて中高年以降、アル中になったり病院のお世話になったり自殺したりする人はかなりの数いるということ。
一人でいることが、逃げ、であれば。

MOTHERね、本当にいいゲームだった。
友人の中には、怖くて最後までできなかったと言う人がいた。怖いというか生理的に気持ち悪いと。
それはある意味褒め言葉で、表現が非常に生々しいんだよね。
なにやら世間はクリエイティブクリエイティブ言うとりますが、心にクる生々しいものを作る、ってかなり難しいからな。すんごく個性的ってことだよ。

私は学生時代にプレイしたのでもう大人になってしまっていた。
これを子供の頃に遊んでいたら、どう思ったのだろう。