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読書日記『グリーンピースの秘密』

ベルリンで過ごす小川糸さんのエッセイ『グリンピースの秘密』を読んだ。
この本はまるで、小川さんのnoteを読んでいるようで、小川さんが体験したことや、その体験を通じて感じたこと、考えたことが綴られていた。

1月1日のペンギンに五目なますの作り方を聞かれた話で始まり、12月16日のとあるニュースの感想で締められる日記のようなエッセイ。
始まりも終わりもなく、全ての日が1日であり、小川さんの流れの中の1日であることが感じられる。

ベルリンという異国の地での生活が綴られるエッセイだが、エッセイは生活に焦点がおかれているような気がした。友達と遊んだ話や、自分の仕事の話、読んだ本など、決して海外だからやれることではなく、自然な日常の話だった。読んでいてたまにでてくる単語で、「あぁ、そういえばベルリンでの話だったわ。」と思わせるぐらい。
海外生活ってどんな感じなんだろう?と思って読んだ始めは少し驚いたが、小川さんが思われたことがぽんぽんでてくるエッセイは面白かったし、海外でもそこまで日常は変わるものではないんだなとも思えた。

また、まだコロナパンデミックの前の世界の日常だったこともあり、別の意味で異なる世界のお話に思えてしまうのが悲しかった。

たくさんの日のエッセイがつまったこの本だが、私が印象に残っているのは小川さんが思い出の宿にペンギンと行く2月26日のお話。「残念なこともあるけど、良いこともある」この言葉通りなこともあるんだなと印象に残っている。

ちなみに、本のタイトルである『グリーンピースの秘密』は、5月4日のお話のタイトル。グリーンピースの秘密を小川さんが見つけた時のお話。どんな秘密か気になる方は是非この本を読んでみて。

とりあえずエッセイを読み終わった私は今、小川さんも読まれていた『アミ 小さな宇宙人』という本を読んでみたい。

ベルリンで暮らし始めて一年。冬には友人と温泉で新年会をしたり、家で味噌を仕込んだり。春になったら青空市で見つけた白いアスパラガスに、薄切りハムとオリーブオイルを添えて。短い夏には美味しい味と素敵な出会いを求めて、リトアニアとポーランドへ。秋には家でリンゴケーキを焼いたり、縫い物をしたり。四季折々の暮らしを綴ったエッセイ。

幻冬舎 書籍紹介

小川糸 著
『グリーンピースの秘密』

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