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漆黒を切り裂き余白をくり抜き

 現代川柳と400字雑文 その16

 作ったことはないですが、クッキーを作るときに使う型抜きってありますよね。銀色の型で生地をくり抜くやつ。輪切りのニンジンをお花の形にくり抜いてカレーに入れたりシチューに入れたりもしますよね。しますかね。テレビのCMで見かけますがあれ実在の出来事ですか。ま、そういうのですね。型抜き。現代川柳を作るのは、言葉に対してあの型抜きを駆使しているようなイメージだ。おびただしい数の言葉の宇宙に575の型(定型!)をあてがってぽんとくり抜く。そこに自分の意思や創意工夫が介在しているイメージはあんまりなく、要は自分も型抜きという道具の一部でしかない。が、その手法としての型抜きがめっぽうおもしろい。完成品はコンパクトな575サイズなので(77っていうのもあるんですって)どこにでも持ち運べるし、気軽にながめたり味わったりできる。まさに言葉のクッキーである。クッキー、作ったことはないですが。

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