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持ち主のいないお箸が宙に浮く

シリーズ・現代川柳と短文 159
(写真でラジオポトフ川柳247)

 ときどき、箸をクロスさせて使う人がいる。内側に挟み込むのではなく外側に開く。箸はクロスしているからそれが結局内側に挟み込む力になる。トリッキーにも思えるが、慣れてしまえば存外かんたんだ。中学生のころ、その持ち方に慣れることによって、逆にわたしは「クロスさせない」持ち方もかなり整ったという記憶がある。整った、というのは行儀の話ではない。目標物に対して力を効率よく伝えるための箸の運用の仕方がよくわかった、ていどの意味だ。いまでも5年に一度くらい、ふと箸をクロスさせて使ってみることがある。なるほどこれはこれで力のロスの小さい運用法ではあるな、と思う。

▼これまでの「現代川柳と短文」は以下から!


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