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【記憶BOXと感情BOX】 #537


プロローグ

時は2018年
Googleは世界中の人間の検索データを基に
集積解析を行い人間のスタンダードモデルを作ろうとしている

まぁやっている事はそれだけでは無いが
こういう事も行なっている
しかし
まだその結果は出ていない

それとは別にとある企業は
全く違った方法で人間の脳の働きについて研究し
ついに初期のバージョンが作り出された

因みにとある企業と書いたのは
世界的に公表されていない
秘密の企業であるからだ
表では世界的に有名な大企業である
が裏の秘密にされている企業に関しては
表の人間もほぼ知らない

膨大な資金はこの表の企業から流れてきている
この秘密の企業の中のひとつのチームは研究と実験を重ね
ある物を作り上げる事に成功した

それは見た目には単なる箱にしか見えない
大きさはというと
VHSのビデオとよく似たサイズだ

この箱はどういったものかと言うと
2種類あって
1つは『記憶BOX』もう1つは『感情BOX』と呼ばれる物である
名前が指し示すように『記憶』と『感情』が入った箱である
ドナーとなる人間の脳から
生まれてから今までの『記憶』を全てダウンロード
もう1つは『感情』を全てダウンロード

簡単な説明になるが
この箱の素晴らしいところは『記憶BOX』『感情BOX』それぞれ単体でも解析に使用できるが
2つを使う事によって
何年何月何時何分何秒に何が起こり
その時の感情の変化などを調べることができる

この箱が出来上がる迄の期間
基本的にドナーは身寄りの無いお年寄りが中心に選ばれた
研究内容の漏えいを防ぐ為にも
近親者がいない人を中心に
研究対象者であるドナーとして扱われた

ドナーとなった人は殺される訳でも無く
脳を取り出される訳でも無く
頭に数ヵ所小さな穴を開けるのと
鼻腔の奥にも同様の穴を開ける
そこから計器を差し込みデータを抜き取るだけで
処置した後は縫合し2日後にはもう普通の生活に戻れる
本人には病気の治療を行ったと信じ込ませればそれで良い

この様にして
この企業は世界で初めて人間の脳から
記憶と感情を全てダウンロードする事に成功した
あくまでもこれは入口に過ぎない
ここからまた様々な研究へと進んでいく


先ずはそういう物が2018年に作り出された
という事をお知らせし
次回へと続く





ほな!

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