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#66 つかず離れず

【私の仕事術:❻部下の育成】
こまめにコミュニケーションをとる。

皆さんの会社には座席表はありますか?

最近はフリーアドレスも一般的になってきましたが、まだまだ座席表がある職場もあると思います。

またフリーアドレスであっても、暗黙の了解のように部署単位であったり、年次や役職で座る順番が決まっている会社もあるのではないでしょうか?

特に役員や部長など偉くなると、誕生日席だったり、窓側の少し大きな机が用意され、いわゆる『お偉いさん席』に座るというのが当たり前みたいになっていませんか?

私も前職では執行役員まで務めさせてもらいましたが、私はどうも『お偉いさん席』に座るのが苦手で、一度も座りませんでした。またドコモの時も年次や役職順で座るような暗黙のルールになっていましたが、私のチームはそれを無視して、新入社員を私の隣に座らせたり、年次や役職での並びにはしませんでした。

なぜ、そのようにしたかというと

気軽に話しかけてほしいし、気軽に話しかけたいから

です。

窓側の『お偉いさん席』に座っていると、部下の席との間に少し距離ができます。距離があると気軽に声をかけるのもちょっと躊躇してしまいます。

日頃あまり声をかけていないのに、たまに部下に「最近どう?」と聞くと、だいたいの部下には「え?なんですか突然!?」とびっくりされるのがオチです。逆の立場だったら私も嫌です。

ですから、私は基本的にフリーアドレスだと自分の目が届くよう、自分の背後には部下をおかず、周囲に配置するスタイルをとり、気軽に話しかけてもらい、気軽に話しかけるようにします。


なぜ、このようなスタイルが「部下の育成」につながるのでしょうか?

❶テンポよく仕事を進めるコツを部下がつかむようになる
部下との距離が近いと、「あ、そうだ。例の案件、その後どうなった?」などの仕事に関する質問も気軽に聞けます。

もし『お偉いさん席』から同じ事を声掛けしたらどうなるでしょうか?

下の写真のように、パソコンか印刷した資料をもって「報告」という形で『お偉いさん席』にくる事になりますが、ちょっと仰々しいというか、あまり『お偉いさん席』に近づきたくないですよね?

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上司として、もっと最悪なのは部下に「ちょっと待ってください!資料にまとめて明日報告します」とか言われると、「そこまでしなくていいから、早く教えて・・」となりますし、気軽に聞きたかっただけなのに部下に「報告する為の資料作成」という新しい仕事を作ってしまいます。

近くにいれば、仰々しさは多少は減り、例えば、その場でパソコンの画面を見せてもらうで済むこともあります。

話を聞いた上で「なるほど、よし今週金曜日、30分会議で決めようよ」と指示や頼み事もすぐにできますし、またその後の進捗も気軽に聞けます。

このようなコミュニケーションを繰り返していると、特に勘が良い部下ほど、先回りして仕事の段取りをしてくれたり、聞かれた事にクイックレスポンスで対応してくれるようになって、テンポよく仕事を進めるコツをつかんでくれるようになります


❷「報告しにくい事」が報告できるようになる
近くに座っていると、部下の表情や醸し出す空気を察知しやすくなります。例えば取引先や他部署と電話で話をしていて困っている顔をしていたり、どんな会話をしているのかも漏れ伝わってきます。社内の誰かと話をしていて、ちょっと揉めているような空気もすぐに感じます。

これまで、他のnoteの記事でも「困ったら相談してね」と部下に声掛けする話をしましたが、部下にしてみれば役職が上になればなるほど話しかけにくいものですし、まして自分の方に非があるような話ならなおさらです。そして物理的な距離があるとお互いの状況がわからないので「困ったけど、声をかけていいのかどうか・・」と躊躇して相談しなくなるでしょう。

部下が誰にも相談できず仕事を一人で抱え込んでしまうのは、上司としては一番避けたい状況です。

部下の異変を察知し、「さっきの電話大丈夫?」とか「何かもめているみたいだけど何があった?」のように部下から起きている問題を報告してもらうキッカケを作ってあげて、「報告しにくい事」を報告できるようにするのも重要です。都合が悪いと報告せず隠ぺいする人もいますから、それだけは絶対避けたいですね。


❸コミュニケーション能力がつく
仕事以外にも「昨日あった面白い話」など、あらたまって話すようなものではない話や仕事と全然関係ない話をして、軽い雑談をして、みんなでワイワイ笑う事も、節度ある範囲でしやすくなります。

そんなやり取りをしていると、話にツッコミをいれたり、うまい切り返しだったり会話術を自然と身に着けていく部下もいます。

当然、私の方から「こういえば相手はどんな反応するだろう」「あの人は絶対こういうに違いない」と考えて会話を投げかけますが、それを見て、部下も同じように相手の立場にたって会話の内容を考えられるようになったらしめたものです。

そして今はSlackやLINE、チャットなどのコミュニケーションツールも充実していますが、相手の反応を想像しながらやり取りができる能力は、それらのツールにも応用できるようになります。

何気ないやり取りの中で、自然とコミュニケーション能力をつけていく為にも気軽に話をできる環境作りは重要だと思います。


ただ、昨今は特にあまり上司に関わりたくないとか、介入されたくない人やコミュニケーションが苦手な部下もいますので、その点は配慮し、深追いしすぎず時間をかけて距離を縮めていきましょう。

このように部下とはつかず離れず、こまめにコミュニケーションをとっていく事で、部下のコミュニケーション能力が高まり、間違った方向に仕事を進める事が減り、まっすぐ成果を出せるように成長していきます。

部下とはぜひ、こまめにコミュニケーションをとっていきましょう。

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