進化と寿命
日本人の平均寿命が男性も80歳を超えていきました。
実は昭和30年代中ごろまで、かの織田信長の18番「人間50年」が平均寿命だったそうです。
大正時代後半の平均寿命は37歳だったとか…
武士の世の時代家督相続や政略結婚などで、わずか15歳で元服し結婚して家督を継いで…
それだけ寿命が短い時代だったんですね…
時代劇や大河なんちゃらでは15歳差の親子を見たことが有りませんが…
もちろんこの時代は戦いの時代もありましたが、なにぶん栄養価が今ほど高くはないと思うのが正直なところ。
最近ではナチュラルフーズや和食ブームみたいになっていますが、昔は誰もが今のように洗練された調理法で食べていたわけでもありませんし、調味料ですらまともになかった時代です。
そこで人の進化や寿命とは?成り立ちの歴史を合わせてざっくりと、ほんの少しお付き合いください。
何故寿命は延びるのか?
結論から言いますと、過酷な環境でDNAが書き換えられ、安全で平和な環境で繁栄し寿命が延びるからです。
人間は動いてナンボの生物です。食料確保も、子孫を残すも行動を起こさないと何も生まれないのです。
そこで動くということは、「身体を支えながらバランスを取り目的を達成させること」であり、立っているだけで重力による荷重がかかり、少し傾くだけで支える力がさらに増えるということです。
つまり負担をかけて重力に抵抗しているということです。
では何のために重力に抵抗しているのか…
脳を守るためです。
簡単に目安として頭の重さは体重の1割程度と思ってください。
体重40キログラムの方でざっと4キロ程です。
↓
前かがみになってみてください。
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頭が斜め前に落ちようとするのをどこが支えていますか?
頸の筋肉に力が入っていませんか?肩はどうですか?背中の筋肉はどうですか?
そうして傾いた所から倒れないようにバランスを取ろうと筋肉を動かすのです。骨と筋肉は必ず隣合い一蓮托生というべき間柄です。
素材はたんぱく質とカルシウムと異素材であることでお互いの存在が成り立つのです。どちらも組織系統は支持組織と言って脳を守りながらバランスを取り身体を支えるものです。
筋肉の役割とは
① 骨にかかる負担を軽減させる。
② 外部からの衝撃を吸収する。
③ 体を温める。
筋肉が細いと余分な力が必要となります。
【姿勢を保つ、荷物を持ち上げる、持ち続ける】 また筋力が弱いと余分な力が必要となります。歩く、走るなど行動を起こす動作。自分の今ある筋肉量や筋力の範囲であれば比較的繰り返し使えますが、容量を超えると疲れてしまいます。
日常生活動作や運動などで筋肉を使う。これって痛めつけてますよね? そして修復する際に同じことが起こらないように、強化(進化)させます。
例えば
筋肉が使われた→筋肉に有ったエネルギー(タンパク質)がなくなります。→脳が「じゃあ供給してください」と指令を出します。 →体内の皮下脂肪に蓄えられていたタンパク質が血行に乗って供給されます。→今度はもう少し持たせるようにしようか! →筋肉繊維が太くなる→繰り返されマッチョになる。ということです。
もう少し大まかに言うと
① 筋肉を動かし(遊ぶ)
② 栄養を補給し(食う)
③ 休息をとる(寝る)
喰う寝る遊ぶです。
これが筋力をつけるコツです。
筋力をつけ丈夫な体の遺伝子をつなげていくことで、未来に起こるかもしれない過酷な環境でも生き延びやすくして、平和な時には寿命を延ばして未来につなげていきます。
人類の祖先はなぜ二本脚に?
かつて人類の祖先ともいうべき生物が猛獣に襲われないため、木の上にのぼり果実を取って食べていました。その生物にとっては襲われるリスクが減ると、環境が良くなり子孫が繁栄していきます。
しかし食べるものが追いつかないとどうなるでしょう? お互い争って食料を奪い合うか新天地を求めて行動を起こすかです。
地面を歩くことは先に書いた通り身体を痛めつけ(進化)強化していくことになります。
さあそこで一大決心をするわけですね!グレートジャーニーの始まりです。新天地を求めて歩くうちに、飢えと肉食動物に捕食されることです。
そこで石を投げてみたり殴ってみたり、でもまだ四つん這いですから圧倒的に勝てないんですね。
そこで考えたんですね。二本足で立って歩き武器を持って戦おうと!
襲われてけがをして進化しました。 そうして少し進化した類人猿が誕生し、それまで捕食者だった猛獣に勝つことで、逆に捕食者となったのでした。
そうして肉食もするようになり、たんぱく質を多く摂れるように。脳が発達し進化を促進させる知恵を得ることにより、人へと進化していきました。
二足歩行のデメリット
そして二足歩行で忘れてはいけない事…それは腰痛です。
それまでの四足歩行で負担のかからなかった腰に、二足歩行となることで重力にあがなう選択をした人類の祖先は、骨盤にかかる上半身の重みを受けながら生活をすることになりました。
その為に動物を捕食するために走ることで、脚の太さを大きくしていき身体が鍛えられ腰の痛みを緩和させていたのでしょう。
※腰痛持ちの方は、四つん這いの『ハイハイ』を繰り返すことによって、腰痛が改善されたりもします。
食料の安定化と争い事による意外な進化
人類はコミュニティを形成し、集団で大型動物を捕獲することで食料を供給してきました。しかし当然怪我人が出るわ、取り逃がすわで安定的に食べられる訳ではなさそうでした。
時代が進むにつれ、大陸から稲作(欧米では麦)が伝えられ定着していくと、狩りをしなくても安定した食料が供給されるようになり、子孫が繁栄し寿命が延びます。
それまで使っていた石器も、突き刺すものから切るものへ変化していきました。
しかし、子宝に恵まれますと、自分のところの田畑が足らなくなるんですね…
そうすると子供の少ない所や、独り身のところなどの他人の畑を横取りしようとするんですね。
また争うことになります。
※日本の戦国期は大寒波が続き、凶作が続き、他の領地へ侵入しないと米が無かったんですね。
それまで使われていた突き刺す武器が進化し、今度は人に向けて使われるようになり、近年そうした怪我人が増えることで整形外科が出来ました。
今日の整形外科という分野は、医学界の中でも比較的新しく、この分野の飛躍的発展の裏に戦争という影も存在しています。
つまり身体を痛めつけどうやったら戻せるか、あるいは近いところに持っていけるかで、生きることにつなげDNAを未来につないでいくということです。 そうやって寿命が少し伸びることができます。
環境と寿命と進化~江戸時代
まず現代に比べて、衛生環境は今ほど良くはないでしょう。
二足歩行を選んだことにより、四足動物の肉を食することで血管に炎症が起こる事が分かりました。
当然生肉なので寄生虫問題も発生します。
こうして身体の内側から痛めつけれられて、人類へと進化したのです。
リサイクル社会が確立していても、ナチュラルフードとは言え、排泄物をリサイクルして堆肥にしていた時代。寄生虫や細菌・ウイルスなど全く理解されていなかった訳ですし、食あたりや食中毒、感染症もペニシリンなどの抗生物質が開発され行き渡るにもまだ時間がかかっていました。
ただその代わり薬味と呼ばれ毒消しとされる辛子、ワサビ、ネギ、しょうがなどや、隠し包丁や酢で〆めるといった調理法の確立などで食中毒や感染症を抑えてきたようです。
アニサキスという寄生虫ですが、冷凍技術がまだない時代にイカなどに隠し包丁を入れることで、食べやすさの他アニサキス対策になっていたようです。
また光り物とされるサバやイワシなどの酢〆、「カツオのたたき」や「アジのなめろう」などの調理法もそういった意味合いもあるようです。
そんな中で様々な料理法を編み出したり流通を良くしたり、工夫を凝らし寿命を少しずつ保ちながら伸ばしてきたようです。
かつては食べるものが決まっていて偏ることで栄養失調になりやすく寿命が短かった。
江戸では白米が多く食されていて、大食い番付けがあったくらいです。江戸は今で言えばトレンドの発信地で、徳川の将軍様と同じ白米が食えるってんで、江戸庶民は玄米よりも白米を好みました。
因みに江戸の人口は100万都市と言われ、この当時で一番人口が多かった都市と言われていたようです。
また出稼ぎ労働者も多く、人口の9割以上は独身男性だったようで、若い女性は特にモテたらしいです。
ただ「入り鉄砲出女」とは関係ないようですが… やもめ暮らしの肉体労働者ですから、なかなか炊事をする者はいないようで、当然外食になりますよね!
脚気(かっけ)とよばれるものは、白米だけを大量に摂取して、ビタミンが不足していたからと言われていますが、そもそもおかず自体もそこまで作っておらず、地方では玄米を食していたが故に、江戸病とされていたようです。
食料が豊富が故のこんなこと
しかし近年では飽食の時代で選べることでまた偏り、新型栄養失調を招いているようです。
便利な世の中になり運動不足となり、筋力が落ち、ごく普通のことでも身体を痛めつけることに。こんな逸話があります。
A,アメリカは冷蔵庫の開発により、しょっぱい保存食ビーフジャーキーをやめました。
B,日本に冷蔵庫がやってきても、しょっぱい保存食漬物をやめることはできませんでした。
さてこの違いも関係あるんでしょうか?
かつては保存食を作ることで、ビタミン摂取やミネラルを取る必要があり、漬物などはうってつけだったのかもしれません。
特に夏場の畑作業は深刻です。熱中症という言葉はなくても症状はあったでしょうし、塩分は筋肉を回復させる材料であり、細胞の一部です。
また江戸時代では麦茶では無く麦湯が飲まれていたようです。(ミネラル成分豊富ですね)
昔と違うところは、身体を使って作業をしていたからこそ、不足するエネルギーを高塩分で補ってもさほど問題にはならなかったのでしょう。
しかし年を取るにつれ、身体を動かさなくなると高塩分は負担になります。
特に現代社会において、デスクワーク中心では普通に摂るカロリーですら過剰になることもあります。
そうして身体を錆びさせて、痛めつけることでまた少しずつ進化していくんですね。
寿命が延びる事とはつまり
身体の危機とどう向き合って種の保存を保っていくか?
その為に必要なのは進化であるという事になります。
欧米人とアジア人の体格差の違いについて
肌の色の違いについては、赤道に近いか遠いかの違いです。生活圏における食文化の違いが体格差を生んでいます。
最近アメリカでも糖尿病が増えてきたようですが…。
一昔前では高血圧に心臓疾患が多かったようで、皆さんご存知かと思いますが日本のような皆保険制度が有りませんので、健康とフィットネスに命かけてます。
アメリカの糖尿病学会や高血圧学会でも運動することによって血圧・血糖値が下がり安定すると臨床結果が出ているようです。
日本でも〇〇ガッテンという番組で、食後10分足を上げて歩くだけで、約二週間後に血糖値が下がった事例をやっておりました。
体格差ですが、欧米人はアジア系に比べるとおおよそインスリンが3倍出ているそうです。
近年では清涼飲料水(いわゆる糖分)や人工甘味料を多く含んだ炭酸飲料の取り過ぎが原因とされており、糖尿が増え和食がトレンドとなっております。
欧米ではたんぱく質を多く摂取している食生活のようですが、ジビエ料理と言って古くからうさぎや鹿、鳩などの野鳥や小動物を狩りなどをして常時食べる文化があります。(食べ過ぎるとたんぱく質も脂肪化してしまいます)
日本においては歴史的に「ももんじ」と言ってイノシシ、鹿、クジラを食べる文化はありましたが稀だったようです。
因みにイノシシを牡丹鍋、鹿を紅葉というのは花札の絵柄からきているそうです。(でもいのししの絵柄は確か藤だったような?)
日本では、確率の悪い狩りや漁から安定的に供給されやすい稲作文化へと変わっていくことで、食物繊維と炭水化物を多く摂取すようになりました。
アジア系民族は農耕民族ともいわれ、家畜(いわゆる犬や牛や豚)など田畑を耕す動物は共に生きていく仲間意識があり、食べるという習慣は有りませんでした。 食文化に肉が登場するのは明治以降ですし、おそらく日本中にお肉が行き渡るのは高度経済成長以降かと思います。
かつて1980年代カリフォルニアでアンケート調査を行ったところ、何らかのダイエットやエクササイズをやったことがあるとした人が、じつに85%もいたそうです。
日本のように皆保険の無い国において、健康でいることが必要とされている国民性ならではかと思います。 ここに体格差が出ているのではないでしょうか。
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