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リヒロの本棚13

「三陸海岸大津波」吉村昭著(文春文庫)
明日5月11日が東日本大震災の月命日にあたるため、この本をご紹介します。2011年3月11日に東日本大震災が起こった当時は千年に一度の大津波と表現されていました。しかし、この本を読むと、概ね30年周期で大津波が東北の沿岸に襲来しています。明治29年(1896年)6月15日の明治三陸地震、昭和3年(1933年)3月3日の昭和三陸地震、昭和35年(1960年)5月23日のチリ地震、そして平成23年(2011年)3月11日の東日本大震災です。

東日本大震災では津波により多くの犠牲者を出しましたが、前出の三つの地震による津波でも多くの犠牲者を出しており、同じ歴史が繰り返されています。

かたや「津波てんでんこ」や「おはしも(おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない)」などの津波避難に関する標語もできて伝承されていましたが、活かされませんでした。特に一度避難したのに何かを取りに戻ったために犠牲になった例を少なからず聞いています。

次の震災が来た時には一人でも犠牲者が減るように、一人一人が過去の教訓をしっかり胸に刻み、その教訓を後世に語り継ぐ事が大切だと感じています。

明日は震災の時に何が起こり、僕たちはどの様に対処すべきかを事例をもとにまとめた本をご紹介します。

吉村三陸海岸大津波


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