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真夏の夜のジャズ~ in 2023~

暑い夜はまだ続きますね。
今日は2023年8月29日、夜8時。
火曜日なんで、いわゆる盛り場はどうなんでしょうか?にぎわっているのか、どうなのか。にぎわっているなら、是が非でも行きたい年頃なんで、行かせて貰いたいのですが。

でも、家で、汗をかきながらぬるい赤ワインを片手にこれを書いています。イキってのんか、という若い言葉がありますが、そう思われるような、いやそう思われるべき事態ですよね。だけど、やはりこういうものを書く人がいるってことは、こういう事態だってことも容認してほしい。

前置きが長くなりそうなので…、とかくに表題にあるようにまだまだ驚きを隠せないほど暑い日が続いていますね。そういう日の、まだ出かけることもはばかれるような週の初めや、日曜の夜、一人家で、酒を飲むのにいい音楽は何か?
ジャズですかね。やっぱり。いや、ほんとは清涼感のあるポップスや、個人的にはモーツァルトのオペラとかも以外にいいと思ったりするのですが、、。
でも、やっぱり暑い夏の夜に、ソウルフードの匂いを思い浮かべながら、ジャズを聴くのもいいなぁと思います。

でもジャズのレコードが、鬼のように高い。円安なんで、バイヤーの人たちも海外価格にするし、正直日本人もよくわかんないけれど高値で買う、行儀の悪い人もいると思う(いや、資本主義なんでね、、そういう言い方はよくないのですが、、ちょっと、最近のレコード高騰化にかんする文章、後ほど書こうかと)

そんな中でもせっせとそれなりにお買い得な値段で探して、なおかつ質のいい演奏を探して、今年の夏に買ったレコードを紹介できれば、です。

Charles Minguns "Changes One"

Charles Minguns "Changes One"


今年の夏、もっとも聴いたジャズミュージシャンはミンガス。今更過ぎるけれども、何はともあれ、あっつい夏の夜に本当にぴったりなんだなぁ、と思う。軒並み、ミンガスのレコードも高いけれども、これは日本版だし、珍しく800円くらいだった。やっぱり、50年代から「ミンガス、ミンガス、ミンガス、ミンガス、ミンガス」の原盤は高いけれど、その時期でもまだ日本盤は2000円以内で頑張れば手に入るくらいの相場な気はします。相場が高いってことはもちろん評価されているってことなんだとは思うんですが、ミンガスは海外以上に日本では評価されていないジャズミュージシャンだと思います。
海外の音楽評価サイトのうちの一つのRate Your Musicではめちゃくちゃ評価が高い。もちろん音楽の評価で音楽を聴くなんて、最も意味のない行為の一つなんですが、、それでも、日本人はミンガスの真価に気付いていないのではと思う。
ミンガスはこういう熱帯夜に耳を傾けるとわかる。
このアルバムは彼のアルバムの中でもかなりポップな方だ。そういういいかが適切かは断言できないけれど、でも少なくとも、彼の神髄である「直立猿人」や「ミンガス・アー・アム」、「黒い聖者と罪ある女」と比べるとだ。
でもだからこそ、買い求めやすいし、聴きやすいし、かといってミンガスらしさが全くないわけでない。もちろん軟派すぎるといわれれば、であるけれども。B面の1曲目"Devile's blues"ではミンガスの声も楽しめますよ。


"The Bobby Timmons trio in person"

"The Bobby Timmons trio in person"

ボビー・ティモンズも人気ありますよね、そう、某TV局の草刈正雄さんの番組で流れる、あの曲。もちろん、アートブレイキー&ジャスメッセンジャーズで人気が出たのですが。これももちろん日本盤ですが、なんだかめっぽう音がいい。たまにそういう当たり盤があるからいいですよね、値段もやっぱり500~800円くらい。原盤信仰、いやもちろん自分も音がよければ、それでなるべく買うし、2000円も違わなけえれば、悩んでうーん、、、原盤ということもある。
このレコードがいいのは、高音、特にドラムのハイハットとの音がすごいい。もちろんアルバート・ヒースがいいんでしょうけれど。
1曲目は「枯葉」。でも、枯葉、ってたまに、無性に夏っぽい演奏するひといませんか?ジョニー・グリフィンの枯葉とか。
でも、真価は2曲目の"so tired"から。彼の自作曲がやっぱりファンキージャズだし、本当に夏の夜にふさわしい、ファンキーな演奏なんだ。

渡辺貞夫"Sadao Watanabe(渡辺貞夫)"

渡辺貞夫"Sadao Watanabe(渡辺貞夫)"

 1961年8月15日、日本都市センターホール、今の紀尾井坂、つまり赤坂・~麹町あたりである。そこで、渡辺貞夫はこのファーストアルバムとなるライブをした。その当時に生まれた人も還暦である、その当時彼は28歳、今はもはや90を超えているが、今の若い人はそういうことも想像はできまい。このアルバムを聴いて思うのは、これがこの日本にあってよかったと思う気持ちだ。もちろん、当時マイルスやコルトレーンはモーダルな奏法を見つけて次のステージへと上がってはいるが、、少なくとも渡辺貞夫はこのアルバムでジャズがアメリカの東海岸・西海岸、あるいはアンリルノーのいたフランスやスウェーデンジャズだけではなく、ここ日本に敷衍しようとしている。しかもかなり同時代的にだ。そう、間違いなく、進んだジャズの一つであるハード・バップのそれだ。ジャズがアメリカの音楽ではなく、世界の音楽で同時多発的に広がっていくそのさまをこのアルバムから感じ取れるのだ。
そして、だからこそ、のちに「カルフォニア・シャワー」でオンリーワンな一つの音楽のパイオニアとしてアルバムを作れたのだ。
聴いてほしいのはもちろん、彼が敬愛するチャーリー・パーカーの曲、"Now's the time"だ。暑い夜、汗が吹き出し止まらない夜、ソウルフードの匂いが微塵もないはるか彼方、この極東の都、東京で世界中の誰よりもチャーリー・パーカーに近づいただろう。だからこそ、すべてのジャズファンにこのアルバムを聴いてほしい。

Jackie&Roy "Bits & Pieces"

Jackie&Roy "Bits & Pieces"

ここまで原盤で1000円未満がなかったので、、これを。そういう意味だと、渡辺貞夫さんのも実は、1971年の再発らしく、、なので…。
これは、原盤で900円くらいでした。ジャッキー&ロイ、いいですよね、ボーカルもので、この価格でこの値段なんて。でも、今も、モノによってはシナトラやトニーベネットならそういう値段で買える時もありますが、、なんでしょうね、日本人はボーカルもの好きじゃないんですかね。ただ、海外でも軒並み安いんで、、まぁ、確かに当時はたくさん量産されたんだしょうけれもね、、でも、ジャッキー&ロイがそういう量産対象だったんでしょうか?僕が聴きたかったのは"Darn that dream"なのですが、どれを聴いてもいい、買って損はないアルバムでした。音はとにかくいい、大きい音で聴いても、小さな音で聴いてもその音楽は心に響くなぁと思います。

後、2枚ほど、紹介しておきますね。

Dexter Gordon"Sophisticated Giant"

Dexter Gordon"Sophisticated Giant"


Johnny Griffin quartet"Meeting"

Johnny Griffin quartet"Meeting"


9月もまだまだ暑い夜が続く。


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