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楽しいこと全部しようよ!…って馬鹿みたい。

将来が不安だと嘆いた。
真昼間。

『もう来年には就職を考えなきゃじゃん』

電話越しからそう言ったのは
小学校の頃からの友達…いや、親友。
日曜日の真昼間に僕達はSwitchのオンラインゲームで盛り上がっていた。

親友が放った言葉は多分、結構深い話なんだと思う。
親友は小学生の頃から不登校で、僕は中学生の頃から不登校。
勉強も疎か、親友はコミュニュケーションも苦手だ。
好きなことをして生きていきたい。
そんな僕達はどこに就職したらいいのだろうか。
働けるのだろうか。
そんなことが、僕達の頭によぎる。


考えるのが嫌になったから、高校生のうちに制服着てディズニーランドにでも行こうなんて話をした。
いっぱい楽しもうって。
美味しいもの沢山食べようって。
新作ゲームをやろうって。
少し旅行もしようって。
そんなこと言ってる場合じゃないのに。


僕達は親友。
でも、お互い1度も辛いと言ったことがない。
親友と一緒にライブに行ったことがある。
そのライブが終わった帰り道で僕は泣いた。
親友は僕が泣いていることに気づいていたのかはわからないけど、何も言わずに前を歩いてくれた。
理由も聞かずに、顔も見ようとせずに。
ただ、僕の前を歩いて暗い帰り道を導いてくれた。
それが2年前。
昨日のことかのように覚えている。
小さい頼りない背中が、僕にとっては凄く大きくて頼りのある背中に見えたあの日のことを。
それ以降、親友の前で泣いてないし辛いとも言ってない。


でも僕達の中で、辛い時の合言葉みたいなのが自然とできている気がする。多分。
親友が辛い時の合言葉だと思って使っているのかはわからないけど、僕はそう思っている。

「親友、好きだよ」
「僕のこと適当に褒めて」

この言葉が、辛い時の合言葉。多分。
でもこれを言ったからって大丈夫?辛いの?とかは言わない。
ただひたすら僕も好きだよって、こういうことが凄いよって可愛いよって。
ただ、ひたすら好きって言って、ただ、ひたすら褒める。
でもなぜかこれだけで元気が出る。
嬉しくて涙が出るくらい。
あぁ、僕はこの子がいるから大丈夫だ。
そう思える。


ねぇ、僕らはこれからどうなるのだろうか。
就職、したくないなぁ。
ずっと好きなことをして生きていきたい。
一緒に絵を描いて生きていこうよ。
ね、親友。
やりたいこと、やりまくろうよ。
したいこと、しまくろうよ。
食べたいもの、食べまくろうよ。
行きたいとこ、行きまくろうよ。
買いたいもの、買いまくろうよ。
楽しいこと、全部しようよ。
…って、馬鹿だよなぁ。

将来が不安だ。

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