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EP.7 事業の急拡大の先の修羅場!労働トラブルと大量離職⁉

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今でこそ従業員数220名を超え、創業20周年を迎え人財を大切にする企業に成長した私たちですが、事業開始3年で8事業所まで急拡大した後、待ち受けていたのは労働トラブルとその果てにあった落とし穴。
 EP.6 事業展開で大喧嘩!火種の通所介護事業がのちの主力に⁉から続くエピソードです。

離職率7割を経験した私たちの深い学び。そこからの復活劇につながるお話です。



◆労基署の度重なる訪問、挙句の果ては労働訴訟⁉

事業開始3年目頃から歯車が狂い始めました。会社に労働基準監督署から聞き取り訪問が来るようになり、パワハラ、有給休暇取得と立て続けに問題が発生してることが判明。

この時、私は介護事業は軌道に乗ったと思っており、介護とは別のe-コマース事業を行う為に現場は幹部メンバーに任せ新規事業準備に入っていました。ところが、本社に高頻度で労基署職員が訪れてくるので、その都度、現場に足を運びヒアリングを行って記録調書をつくる日々に・・・。

労基署職員へは聞き取り内容と事情を説明すると、「そうですか、それは労働者側にも問題がありますね」と大きな問題はなかったのだが、翌年には不当解雇で裁判所から訴状が届いてしまった・・・。

こちらは、弁護士にも相談に行き「たぶん大丈夫」との言葉を信じ、訴訟に臨むことに。きちんとした手順を踏んで対応していたものの、面談の記録を作成しておらず結果として敗訴。記録の重要性を痛感した経験です。

そんなこんなで新規事業どころではなくなり、改めて訪問介護、居宅介護支援、福祉用具事業の管理を行うことになりました。


◆経験者採用が仇となる⁉未熟が故の大量離職!!

事業所拠点を増やしたことで、目が行き届かなくなり当時の幹部メンバーとの意思疎通ができいないことに気が付かず、無秩序状態になっていました。任せているという言葉と丸投げの意味を勘違いし、誰かがやってくれる、そのために雇っているという意識が働き、社長である友人は現場にも足を運ぶ回数は激減していたのでした。

介護事業においては、その専門性や特殊性があり、私も友人である社長も28歳、介護有資格、経験者として50代と言う年齢の離れた方を責任者として採用していました。しかし、会議等では、

「社長の理想はわかりました。そのようにしていきます。」

と、よい顔をするものの現場にもどれば

「社長は、介護経験が浅くなにもわかっていない、本社の言うことは聞かなくていい」

と言うスタンスにまったく気が付かない状態。今考えれば、会社ごっごをやっていたのだと思います。事業所数が多くなり、組織は部署が必要、部署には部長がいる、組織に当てはめて適性や能力を考えずに社歴や年齢で当てはめただけのまさしく「ごっこ」です・・・。

そうなれば指示がねじ曲がって伝わったり、現場職員からの改善要望やよいアイディアが中間の管理者で全てつぶされてしまっている状況になるのは自明の理。

この組織としてのコミュニケーション不和、対話の無さの結果が、大量離職につながっていました。後の振り返りで調べたところ離職率はパートも含めると

驚愕の68.9%⁉

約7割の人間が辞める結果となっていました。採用すれども、みんな辞めていく現状に、社長である友人は頭を抱え、さらに従業員に会えば悪態をついて退職届を渡される現状に

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「何のために会社をつくり事業を立ち上げたのかわからない、もう、現場には行きたくない」

と言って出社もせず、引きこもりがちになっていきました。


◆現場スタッフからの直談判がきっかけに!覚悟を決めて謝罪行脚!!

前述の離職の原因にまだ明確に気が付いていなかった私は、改めて全体管理のポジションにつき、事業所周りをしてみると、デイサービス施設の雰囲気が悪く、空気がめちゃくちゃ重い・・・。外回りついでに施設に寄った際には入り口までスタッフが出てきて、怪訝な顔で

「今日は、何の用ですか?監視ですか!!😠」

監視⁉なんでそんなこと言うんだろう?ただ近くに来たから顔出しただけなのに・・・。デイサービスで何が起こっているんだ?本社オフィスでそんな疑問を抱いて仕事している時に、一人のスタッフから電話がありました。

「日下部さん、ちょっと時間とってもらえますか?話したいことが!!」

「どうした?いいよ。本社にいるから来てくれる?」

連絡をくれたのは私が採用面接した若い女性スタッフでした。業務後の時間に本社に来てもらったところ

「どうなってんですか!!!😡」と怒鳴られ、

「ちょっと待て、何⁉😰」

「面接の時にいろいろ理想ややりたいこと話しましたよね。やろうとおもって〇〇管理者に話したら、本社からNGが出てるって聞きました!😠」

「いや、その話は会議で出てない。聞いてないよ。逆に聞くけど、会議で新しい取組やサービス向上について決まったけど、現場が反対しているって報告あったよ」

「そんな話は聞いてません!😤」

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ここで現状の原因が判明。なるほど、そういうことか。と言うことで友人を呼び出し、現況を打破すべく、社長自らが全従業員に謝罪することを提案。

ゴニョゴニョ言い出したので

「お前が手伝ってくれといったから協力している、これをやらないなら俺は辞める!」と一括し、謝罪行脚に行ってもらいました。

TOPである社長の謝罪があれば、あとは立て直すだけ。その後の行動は迅速に対応。この後離職率改善には2年を要しました。10%台まで改善し、人が辞めない組織に生まれ変わっていきました。ただ、これがまた問題に・・・。

☆問題は常に現場で発生する、そして現場を見ないと改善しない。
☆会話ではなく、対話。伝える努力や理解する努力が円滑な人間関係を生む☆あきらめない姿勢と続ける覚悟が突破口を開く

実はこの話は、10年くらい前にコンサルティング会社にて事例として取り上げられ、セミナーの題材としても使われるほどインパクトが大きいものでした。リアルしくじり先生です・・・。

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さぁ、この展開から切り抜ける方法は?次回はそんなお話です。今回の話からどんな気づきがありましたでしょうか?とても大事なことです。


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