HUNTER×HUNTER考察 闇のソナタについての考察

はじめに

闇のソナタとは、魔王が作曲したとされる独奏曲でピアノ、バイオリン、フルート、ハープの4つがあり、いずれも人間が演奏をしたり聞いたりすると恐ろしい災いがふりかかるとされているものである。
クラピカの仲間であるセンリツは、一章を聞いたことで身体を病むと同時に能力(おそらく念能力)を得たとされることから、これはおそらく洗礼にあたり、念でのダメージを受けたものと仮定してここでは考察してみたい。

闇のソナタ

まずはじめに、闇のソナタは楽譜を実際に目にした者に念獣が寄生し、楽譜のメロディを奏でると聞いた人間含め肉体に影響を与える寄生型の念能力だと仮定すると説明がつく。
加えて聞いた人間にも寄生し、宿主が闇のソナタを楽譜に起こすことで強制的に念を発動させ増殖するのではないだろうか。
それはあたかも「リング」でビデオをダビングする行為と同じように。
そこからもこの念は呪いに近いものを感じる。恐らくは死後の念によって、呪いは強力になっているものと思われる。
この念獣は普段は絶に近い形(陰)で寄生しており、闇のソナタを楽譜に起こす際と演奏する際にだけ宿主のオーラを借りて具現化すると考えれば、通常は見えない説明がつくだろう。

イメージ的には楽譜を見ると卵が寄生して、演奏することで孵化するといった感じである。そして演奏を聴いたものにも卵を産みつけると考えれば、イメージしやすいだろうか。

最初の楽譜に関しては、寄生型は具現化系能力に多いことから魔王と呼ばれる具現化系能力者が遺したものと考えるのが筋が良いように思われる。
死後の念によって遺された念遺物。カキンの壺やパームの人魚の水晶と同様のものであり、ただし込められた思いは真逆で世界に対する呪いであると考えれば、辻褄が合うのではないだろうか。
死後標的に取り憑いて影響を与える呪憑型が個人を狙うのに対して、こちらは楽譜と演奏という二つの増殖方法によって呪いを拡散させるという点で、まさに魔王の所業だといえるだろう。

魔王について

おそらくは死後の念によって強化されていると書いたが、生前の魔王の念能力はどういったものだったのだろうかとここでは推測してみることにする。おそらくは、相互協力(ジョイント)型の能力者だったのではないだろうか。
様々な能力を発現する楽譜を具現化する能力で、演奏者のオーラを用いて発動する。
作曲された曲が、いくつかの楽器で存在することから、可能性としてあり得るのではないだろうかと考えてみた。

また、幻影旅団のボノレノフ・ンドンゴの念能力で戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ)というものがある。これは奏でた音を戦闘力に変える能力であり、ボノレノフもまた具現化系能力者であることを考えれば、似たような能力があってもおかしくはないのではないだろうか。
加えて、同じく具現化系能力者であるゾルディック家執事のツボネや画像にあるビヨンドの部下であるゴレムも、相互協力(ジョイント)型の具現化系であることから、相互協力(ジョイント)型はその特性から具現化系に多いのだろうということも考えた理由のひとつである。

さて、それでは魔王が魔王と呼ばれるようになった所以。世界に呪いを撒き散らそうとした理由はなんだったのだろうか?
ここで考えられるのが、裏切りにあったことで仲間を皆殺しにされた、または仲間から裏切られた可能性だ。
相互協力(ジョイント)型能力だとすると、演奏する仲間が必須となる。
単体でこのような呪いを遺したとすれば、その仲間に何かがあったと仮定するのが、それらしいのではないだろうか。
個人的には世界へ呪いを撒き散らそうとした点から、前者だったのではないだろうかと考える。

「魔王」とは、世界の敵のことを指す。生前彼に何があったかを推察することは難しいが、少なくとも魔王と呼ばれるほど世界から排除されたと考えると、彼が呪いを遺したことにも納得がいくのではないだろうか。

おわりに

おそらく闇のソナタについて、原作で明かされることはないだろうとは思っている。
あくまで魔王が人であると決めつけた上での考察なので、的外れの可能性は高い。それでも今ある材料で考察したらこんな感じかなと。
なんか適当に考察しようと闇のソナタをお題にしてみたけど、思ったよりそれらしくできたんじゃなかろうか(自画自賛)。

仲間が皆殺しにされたのであれば、闇のソナタを生み出した能力名は「ミンナノウタ」なんかいいかもしれない。歌じゃないけど。


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