小説を書いてみたいと夢見る私の原点。自己紹介を兼ねて。
りんと申します。
最近、読書をするたびに思うこと。
「小説を書いてみたい」
私の中で年々強くなっています。
何故そう思うようになったのか、せっかくなのでnoteに書き残しておきたいと思います。
もし良かったら、読んでいってください。
そういえば、先日書いた『インシテミル』の読書感想文が「みんなのおすすめの本」(?)みたいなものに追加されていました。仕組みがよくわかっていないんですが、一気にスキが増えたので、なんか嬉しかったです。
さて、
もともと私は国語が得意でした。
スポーツ好きで少年団などにも入っていましたが、幼い頃から体は病弱で、熱が出たときには親の勧めでベッドで本を読んでいました。
病院の待合室では、母から読み聞かせをしてもらっていました。子供を本好きにしようと目論んだ親の策略だったのでしょうか。お陰で読書の楽しさを学べたので、両親と病弱だった身体と感謝しています。
小学生までは、頻繁に熱を出していたので、よく本を読んでいました。それが習慣になると、熱が出ないときにも読むようになり、小学校高学年でライトノベルに手を出したときには、完全にスポーツをやめて文学少女の道を歩み出していました。
大学は文学部に進みました。
文学部を志望したきっかけは、高校の頃に夏休みの宿題として課された作文でした。
県内の各学校各学年から一作品ずつ選ばれ、教育委員会によって選考され、特選、入選が選ばれます。
そもそも、夏休みの宿題の作文なんて、大半の人が億劫だったのではないかと思います。
何とかネタを捻り出して、400字詰め原稿用紙を埋めて適当に提出したのではないでしょうか。
私も一年生の時は適当に書いていました。
高校生活で何を頑張りたいだとか、夏休みはどこどこに行ったとか──「だから何?」と言われそうな、チラシの裏レベルのことを。
だって、面倒だから。
しかし、二年生当時の国語の先生から「去年はあまりにひどかったから今年は頑張って書きなさい」と叱咤され、参考として過去の受賞作をコピーしたものをクラス全員に配られました。
そこで、負けず嫌いの私は燃えたのです。
絶対に自分の方が上手く書けると思いました。
謎の自信がありました。
また、先生に良いところを見せたい
とも思いました。
所謂「優等生」で通ってましたから。
○高校で実践した作文の書き方
まずはきっちりと構成を練り、パソコンで書いたり消したりしながら、しっかり校正をして、作文用紙に清書しました。
書き上げたものを読み返しながら、「間違いなく特選に選ばれるはず」と提出前から確信していました。
これが先生に評価されないわけがない。
今思えば、びっくりして腹を抱えて笑ってしまうほどの自信です。
結果として、確信通り、二年と三年で特選を貰いました。
選評は、起承転結の構成の妙、私小説のようで素晴らしいと高く評価していただきました。
もちろん、自分が一番作文が得意と言うつもりはありません。一年生の時の私と同じく、適当に書いている人が多かったでしょうから。
ただ、その時に真面目に作文を書いていた、同じ県の同級生の中では、最も高い評価を得られたと言う点で、少しの自信を持ちました。
冊子になり、県内の生徒に配られました。
高校が離れた中学の友人から「作文見たよ」と成人式で言われたことがあり、嬉しかったこともあります。
さて、作文の内容ですが、高校生らしい等身大の悩みや素直さを書いたことも良かったのでしょう。
完全に先生ウケを狙って書きました。(子供らしくないなぁ)
私が知る先生達は、賢しらな振る舞いをする、子供らしくない生徒が好きではありません。
そういう賢しらで生意気なくらいなら、おバカで生意気な方が可愛いものです。
聞き分けが良く、教員である自分を慕ってくれ、自分の助けられる範囲で頼ってくれる。
(授業後にたまに質問しに行き、その後に軽く雑談するなど)
素直で真面目で成績も良いが、大人しすぎず、周りからも好かれている。
そんな高校生が、進路や身近な人の死など、人生の節目に悩んで内省しながら、前を見つめて歩いていく。
精神的な成長をする。
また一つ大人になる。
そういう生徒像が好きな先生達ばかりでした。
そりゃ先生達ですから、可愛い生徒達には精神的にも健全に成長してほしいわけです。
つまり、そういう先生達が選考する作文ですから、作文にもそういうものを求めています。
これは、当時から「優等生」として振る舞っていた自分の感覚であり、その感覚を信じて先生達が好みそうな作文を書きました。
今でも間違っていなかったと思います。
起
悩みがある。(学生らしい等身大の悩み。選考する大人も昔を思い出して共感できる悩みがいい)
悩みは必須ではないが、最後に悩みが解決すれば、作文の説得力が増す。
承
出来事を書く。(進路、部活、読んだ本、離別死別、なんでも)
転
考え方を変化する。(出来事を通じてそれまでの自分の考え方が変わるきっかけを得る)
結
心の成長を書く。前向きに結ぶ。
これだけ。
先生達はよく言うのですが、高校生らしい「瑞々しさ」が好きだそうな。
高校生らしさが眩しくて、すっかり乾いてしまった先生達には羨ましいのでしょう。
「この作文(瑞々しい感性、若さ)を摂取したい!」と思わせる作文を書ければ勝ちです。
泣いたり笑ったり悩んだり──。
歳をとってしまった大人達は、そういうことを吐き出す場がなくなります。人に弱さを見せられなくなるのです。
大人達は、苦悩しながらも未来を信じて前を向く高校生像が眩しいのです。
国語の先生達は、私が賞を取ったことをとても喜んでくれました。
また、二年連続ということもあり、「小説を書いたらどうか」と勧められました。きっと良いものが書けると。
とはいえ、本気で言っていたのでは無いと分かっています。その場のノリでしょう。
「いえいえ、先生方のおかげです」
と言いながらも、その時の私が小説を書くことに興味を持ち始めるのには十分でした。
しかし、社会人四年目の今に至るまで、ろくに小説を書けていません。
ネットで2,3作品なら書いたことはあります。
短編ですが、幸運なことにとある投稿サイトでうち2作品も運営のおすすめ作品に選んでいただきました。
それで自分を慰めながら──ええ、それきりです。
小説を書けない理由。
それは、大学生になって近代文学を学び始め、思いのままに書くことが怖くなったからです。
個人的にはそう思っています。
良い作品って?
すごい作品って?
なんだかんだと文体やら日本語のルールやら、名だたる文豪の文学を批評する講義や演習を受けて自分程度の人間が小説なんて書けるわけがない、烏滸がましい、と思ってしまったからです。
私小説以上のものを書ける想像力もありません。
どうにも萎縮してしまい、書いては消し、書いては消し、と筆が止まります。そして、いつしか書こうとすら思わなくなりました。
文学部の先生達は、例えば村上春樹のこともボロクソ言っていました。その講義もよく分かりませんでした。何故あそこまでボロクソ言われていたのか、私の頭では理解しきれませんでした。
村上春樹以上の小説なんて、天地がひっくり返っても私に書けるわけがない。
私には高尚な文学の世界なんて理解できない。
小説を書くなんて到底無理な話だと思いました。
息苦しい。文学なんて勉強しなければよかったと思うこともありました。
大学で、文学に対する情熱は冷めていました。
それに加え、とある出来事を経験して精神的にかなり参っていたこともあり、気力を振り絞って参考文献や先行研究程度を読むことくらいしかできませんでした。
文字を読むことすら苦痛でした。
心の状態が悪く、ベッドから何日も起き上がれないこともあり、出席日数もギリギリでした。
一年ほど、抑うつ症状に悩まされました。
食欲がなく、意欲が湧かず、興味が無くなり、心が動かなくなり、希死念慮と罪の意識に囚われて、辛かったです。
身体もろくに動かせないので、風呂に入る気力もなく、数日に一度入った入ったで、希死念慮で泣き叫び、ユニットバスの壁を殴り、髪の毛も随分抜けて何個か十円ハゲをこさえてました。
何より、頭の回転が鈍くなりました。
何も考えられず、何も決められない。
ぐるぐる出口のないことを考えている。
スペックの劣るパソコンみたいでした。
当然、小説を書こう!なんて全くありませんでした。
スマホすら見れないので、当然ゼミのメールも読めず、たとえ読んでも頭に入ってきません。
返信しようとしても文字が打てない(頭の中で言葉を組み立てられない)ので、卒論発表会も連絡なしにすっぽかして先生に怒られました。
事情も何も説明していないので、「あなたは社会人としてやっていけない」と卒業前に面と向かって言われました。
結局、当時のことは親にしか言えませんでした。
大学の先生は研究者であって、教育者じゃないため、相談しませんでしたし、体調が悪いなどと弁明しようとも思いませんでした。そんな気力もありませんでした。
終わりに
今、すっかり体調も戻し、私はさまざまな小説を読んでいます。
小説家の人達は憧れです。
とても自由に表現していて、私が大学で学んだ、ガチガチに縛られて自由のない文学とは大違いです。
小説家の人たちみたいに、自分だけの小説を書いてみたいという思いは強いです。
しかし、自分は小説のことをよく知らないのだと気付かされました。
圧倒的に読書経験が足りないのです。
大学はほとんど読めませんでしたから。
社会人になり、心も時間も余裕が出てきた今、私は小説を読もうとしています。
自分が思うより、小説はもっと自由に表現できるのではないかと思い始めています。
いつか、私だけの小説を書いてみたいと思っています。
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