サービス運営者として、文章を書くということ。
このnoteをはじめ、自社のオウンドメディアや他メディアへの寄稿など、この1年で文章を書く機会がグッと増えた私。
だからなのか、友人から「ライターになったの?」と聞かれることが多くなりびっくりしているここ最近です。
"ライター"って文章を書いて、その対価で食べている人のことだと思うのですが、その定義でいくと私は文章を書くことでお金をもらったことはないので自分自身ライターではないと思っています。
そしてより伝わる表現を勉強したいとは思うけれど、今後も"ライター"を目指すことはないだろうなとも思います。
じゃあなぜ私がこんなに粛々と文章を書いているのか。
それは自社のサービスや自分のやりたいことを表現するためには、文章を書くという方法が私に一番ぴったりだったからです。
私の場合はサービスですが、ものづくりやイベント開催を主軸にしている人も"自分の考えを表現する場"をもつべきだと思っています。
昨日「ほぼ日ブランドのすごいところ。」という記事にも書いたのですが、文章であれ写真であれ、絵や動画やスピーチであれ、自分たちの想いや考えを表現することは、回り回ってプロダクトの成功につながると考えているからです。
商品にせよサービスにせよ、世に出た瞬間が最高なんてことはありません。
それどころかプロトタイプだったり、ベータ版の状態で公開することもあるでしょう。
そこで応援してくれる人、多少我慢してでも使ってくれる人というのは信念やビジョンに共感してくれている人くらいなものです。
だからこそ1人でも多くの人に私たちの想いを伝えて、応援してくれる人たちを増やしていきたい。
その一心で日々思ったことや考えていることを発信しています。
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個人ではなくサービスレベルで言うと、オウンドメディアは立ち上げだけでも絶対にチームのコアメンバーがやるべきだと思います。
もちろんサイトの構成や文章を書くスキルはいくらでも一流のプロにアウトソーシングすることができます。
わざわざなんのスキルもないメンバーが苦労してやるべきではないという考え方もあるでしょう。
単純なコンテンツマーケティングだけを考えれば確かにそうなのですが、自分たちでメディアをやることで得られるものは顧客のリードだけではありません。
むしろサービスの立ち上げ初期はそれ以外の要素が大きいといっても過言ではない。
例えば1000字の原稿を書くとして、そのためにかける時間は読む時間の10倍上かかることがザラです。
私も書き始めて気付いたことですが、書くためには自分の中に明確な骨子が必要で、それを固めるための証拠集めも必要。
はじめは実際にキーボードを叩く時間よりも調べている時間の方が長いほどです。
サービスの立ち上げ初期は、まだコアとなるコンセプトやビジョンが固まりきっていない場合もあります。
だからこそ記事を読んで「わかったつもり」になるのではなく、自分の言葉で噛み砕いて消化するという意味でも文章を書くというのは非常に有効です。
以前有名な投資家の方も「何かをはじめたいと思ったら1ヶ月毎日それについての記事を更新しろ。それができないなら成功は難しい」といったことをおっしゃっていましたが、書くための情熱と知識を事前に確認するという意味で私もこの方法はおすすめです。
そしてなにより、メディアがあると取材がしやすいというメリットがあります。
ユーザーインタビューをしよう!としきりに言われていますが、どの会社も忙しい世の中。
ましてや大企業だと申し込むのも気がひけるし、体よく断られることだってザラにあります。
でもそれが「成功事例として紹介したいので取材させてください!」だと一気にすべてがスムーズに進みます。
こんな貴重な機会を大学生のインターンや外部ライターに行かせるなんてもってのほか。
必ずコアメンバーが行って、"記事には書けない本音"をキャッチアップしてくることが重要です。
1回の取材でユーザーヒアリングもできるわ、コンテンツも作れてリードもとれるわ、成功事例として信用実績も蓄積されるわで、一回で三度以上のおいしさがあるのがオウンドメディアの取材なんです。
もちろん相手にもメリットがあること前提なので、公開された記事はメンバー全員で拡散し、ちょっとでも相手の会社や企業の知名度アップに貢献する意識もお忘れなく。
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さらにこうして文章を書くということは、"中の人"に対しても有効だと思っています。
普段オフィスで毎日顔を合わせていても、実際に話すことのほとんどは実務的な目の前のこと。
どういう想いをもって働いているか、今何にハマっていて、最近どんなことに感動したのか。
ランチに行ったり飲みに行ったりしても、そういうことって毎日会う人に対してだと気恥ずかしくて、話す機会って意外と少ないと思うんです。
うちのチームのみんながどのくらい私のこの文章を読んでいるかはわからないけれど(笑)、他の文章も含めてちょっとずつ私の考えや想いが伝わっていくといいなと思っています。
そんなこんなで、私が文章を書いているのはあくまで本業のサービスを知り、使っていただくためのひとつの手段でしかありません。
定期的にブロガーが食えるのかうんぬん、ライターは安く買い叩かれてうんぬんという議論を目にすることも多いですが、スキルの切り売りではなく発信力を身につけて、自分の事業に還元すること。
今後はそんなかたちの表現者が増えていくんじゃないかなあ、なんてことを考えています。
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