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本と映画と、エトセトラ。

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読んだ本・観た映画について気まぐれに。 (photo by tomoko morishige)
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2017年11月の記事一覧

「小言」という愛情表現

「小言」という愛情表現

女の子というのは、小さい頃から「もう!ちゃんとしてよ!」と怒るのが仕事なのかもしれない。

その構図は大人になってからもたいして変わることなく、日々「もう〜〜〜〜〜〜」と小言を言い続けている人も多いと思う。

そして大人になって気づく。

「小言」は、ひとつの愛情表現なのだと。

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昔、K-POPにハマっていた時代によく聞いていた曲がある。

その名も「잔소리(チャンソリ)」、日本語になお

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あの頃の、答え合わせを。

あの頃の、答え合わせを。

人生はタイミングだ、と思う。

「あの時、その言葉を聞きたかったのに」というボタンのかけ違いが、人生にはたびたび起こる。

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初恋ものといえば韓国のイメージがあるけれど、私は台湾映画の淡い色調と、どこにでもありそうな素朴なストーリー展開が好きだ。

最近観た「あの頃、君を追いかけた」はまさにそんな台湾映画の真骨頂で、誰もが自分の「あの頃」と重ねてしまう作品だった。

落ちこぼれで問題児の男

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自分の "器"を育てる時間

自分の "器"を育てる時間

ここ数ヶ月の間に「峠」「竜馬がゆく」と立て続けに司馬遼太郎の幕末ものを読んで思うのは、20代の過ごし方が人物を作るということ。

それぞれの主人公である河井継之助と坂本龍馬は、どちらも20代の前半はまだまったく世に知られていませんでした。

むしろ、優等生には程遠い問題児で、どちらも勉強はほぼ独学。

河井継之助は「学ぶとは自分の中に "原則"をつくることである」として、たくさんの書物を多読するの

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自分にできないからこそ、うらやましいこと。

自分にできないからこそ、うらやましいこと。

一週間の四国滞在を経て、改めて感じたこと。

それは「私は、やっぱりまだ東京の雑多な暮らしを愛している」ということだ。

地方都市での生活は、東京に比べて「ていねいな暮らし」を実現しやすいと思う。

ほどよいサイズ感、のんびりした雰囲気、人のあたたかさ。

東京に住んでいて憧れる「ていねいな暮らしに必要なもの」が、ここにはすべて揃っている。

▲大街道にある松山三越内観。吹き抜けかわいいよ、吹き抜

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バツはなぜ避けるべきなのか

バツはなぜ避けるべきなのか

巷にあふれる恋愛相談への回答で「こういう人と結婚してもすぐに離婚するからダメ!」というアドバイスを目にするたびに思うのが、「そもそもなんでバツがつかないように」という前提なんだっけ?ということ。

もちろんはじめから離婚しようと思って結婚する人はいないだろうけど、「結婚生活を続けること」がメインの目的になってしまうのもなんだか違うような気がするのだ。

だって、結婚しても1/3が離婚する時代、「結

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知らない土地で暮らすということ

知らない土地で暮らすということ

前後のスケジュールの関係で、10/29から11/4まで愛媛は松山でひとり気ままに過ごしておりました(ちなみに今は家族と四国旅行中)。

とはいえ仕事は山積みなのでのんきに観光しているわけにもいかず、大街道で見つけた超仕事しやすいカフェで延々仕事に明け暮れていたわけですが、観光地をうろうろするよりもこういう過ごし方の方が贅沢で楽しいなというのが今回の大発見でした。

昔から突然思い立って金沢に行った

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