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「すみだモダン」リブランディング&広報PR事例|ものづくりのまち、すみだ区の魅力を発信する

qutoriはこれまで、さまざまなコミュニティを生み出し、見守ってきたからこそ、できることがあります。

墨田区で2010年に始まり、区内で製作活動を行う職人や事業者の商品に認証を行う地域ブランディング事業「すみだモダン」は、江戸時代からつづく " ものづくりのまち " としての魅力を発信する取り組みです。

その在り方やPRを考えるべく、コミュニティ視点や醸成手法を活かしたリブランディングを、2021年に担当いたしました。

具体的には、
ワークショップを通したヒアリング
・PR戦略の立案および実現に向けたクリエイティブ制作
・ポップアップ設計、運営
を行い、結果としてメディア掲載やSNS露出による認知拡大や、主体的なリブランディングの促進を達成しました。



■「すみだモダン」の事業背景と目的

2011年から10年間、一定の成果をあげてきた地域ブランドの認証事業「すみだモダン」。ところがCOVID-19の影響を受け、インバウンド向けの施策が滞り、新たな形での発信を模索していました。

2021年には「すみだモダン」のリニューアルを図り、ものづくりに関わる「働き方」「暮らし方」、そしてまちづくりを含めたすみだモデルを確立し、世界標準を目指すことを決定。

本プロジェクトでは、「すみだモダン」の認知度向上、墨田区民および関係人口のシティプライド醸成、そして関係事業者のコミュニティ構築を目標に定めました。

実現のため、ポップアップに関連する体験および参加者とのコミュニケーションの方向性、PR戦略を明示し、実現に向けたクリエイティブ制作を実施した事例をご紹介します。

「創る」「繋がる」「発する」の3つの領域からアプローチ

より区民や関係人口に目を向け、「創る」「繋がる」「発する」の3つの領域からアプローチを提案。

特に「発する」の視点からは、これまで行政的な発信に留まってきたすみだモダンを、商業施設でのポップアップの形で新鮮かつ、区民のシティプライドを刺激する形で実施するために、ポップアップのノウハウが豊富であるという観点から墨田区よりご依頼を受け、企画提案を行いました。

また、2021年5月に内閣府の選定する「SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」に選定され、産業振興を軸としたプロトタイプ実装都市を目指しています。

【施策1】墨田区の魅力を掘り下げるワークショップ

・SHOP&WORKSHOPすみずみ

開催概要
日時:2021年7月5日(月)13:30〜16:30
場所:SHOP&WORKSHOPすみずみ
参加者数:11名
目的:ポップアップの実施内容の発想/目標設定

討議内容
・現在のすみだモダンの課題点
・理想のすみだモダンのイメージ像の言語化
・ポップアップのコンセプト/開催目的
・事前リサーチ 共有
・競合調査・トレンド調査
・ディスカッション
 「すみだモダンを例えたら」事前課題の発表(ファシリテーター:加藤)
 現在のすみだモダンのイメージ像洗い出し
・総評
 ポップアップ開催の位置付け/展示内容の確認

・墨田区役所でのワークショップ

日時:2021年7月24日(月)10:00〜12:00
場所:墨田区役所
参加者数:8名
目的:ワークショップ
・すみだモダン商品を知る
・ポップアップでの展示内容選定(ファシリテーター:加藤)
・ポストイッドでアイデア出し
・すみだモダン商品紹介
・墨田区より説明
・展示内容アイデア出し

【施策2】プレス向け発表会の実施

開催概要
日時:2021年9月14日(火)14:00~15:00 
プログラム:
・墨田区長 山本亨 挨拶
・すみだ地域ブランド推進協議会理事長 水野誠一 挨拶
・新ロゴおよびステートメント発表、プロモーション映像公開
・「すみだモダン」概要説明&協議会新体制のご紹介
・トークショー:コロナ禍における地域のブランド戦略について
・質疑応答

登壇者(当時)
・墨田区長 山本亨 氏
・すみだ地域ブランド推進協議会理事長 水野 誠一 氏
・墨田区産業振興課 瀬戸正徳 氏
・廣村デザイン事務所 廣村正彰 氏
・すみだ地域ブランド推進協議会理事 
 すみだモダンフラッグシップ商品開発クリエイティブディレクター 廣田尚子 氏
・すみだ地域ブランド推進協議会 田中一雄 氏
・アサヒグループホールディングス 高森 氏
・ヒロカワ製靴 代表取締役社長 廣川 氏
・山口産業株式会社 山口 氏
・ホリゾン株式会社 杉山 氏

【施策3】錦糸町PARCOでのポップアップイベント

これまでのすみだモダンを象徴する『モノ(「すみだモダン」認証商品)』に加え、新「すみだモダン」の理念を体現する『コト(事業者の活動)』に対する理解を深められる展示を実施。

さらに、参加型のインスタレーションを設置し、「共に創る」ことをコンセプトにコミュニケーションの拠点としても運営しました。

テーマ:テーマすみだモダン10周年展示 New:streaming
日程:2021年9月14日(火)~9月26日(日)
時間:11:00~20:00
会場:錦糸町PARCO 6階12番地
主催:墨田区、すみだ地域ブランド推進協議会
協力:株式会社パルコ 錦糸町店、株式会社東京楽天地

展示内容

・新「すみだモダン」ロゴマーク&第1弾すみだモダンブルーパートナーの活動

ロゴマークは、隅田川の流れと墨田区の「S」を表し、緩やかな曲線と勢いのある先端は「ものづくりの原点と新しい未来への挑戦」を意味しています。手掛けたのは、「東京2020スポーツピクトグラム」の開発者の一人である、廣村正彰さんです。「こころ、ゆさぶる」という言葉は、区内にある三井広告事務所の三井浩さんと三井千賀子さんが制作しました。「ものづくりは未来づくりであり、こころを動かすもの」という意味が込められています。

・「日常に溶け込む商品」をテーマにセレクトしたすみだモダン認証商品

過去10年間で約200件に上るすみだモダン認証商品のなかから、日常に溶け込む商品をテーマに約18点を販売。区民の生活拠点であり、区外・都外の人々も訪れる錦糸町PARCOにて販売することで、より多くの方たちに「すみだモダンのある生活」を実感してもらいたいという願いを込めました。

・最先端の下町”のブランドブック「SUMIDAMODERN」

ブランドブック「SUMIDAMODERN」とは、これまでのすみだ地域ブランド戦略の10年の歩みと未来を記した書籍。「手仕事から宇宙開発まで、”最先端の下町”のつくり方」と題したコンセプト展示が行われました。

・参加型の体験ブース

「あなたにとってすみだモダンとは?」という問いかけに対して当てはまる答えに糸を貼る参加型の展示も。参加ごとに糸が何重にも重なって張り巡らされていき、来場者の考えが反映されていくインタラクティブな展示となりました。

▼当日の様子や展示物の詳細を覗けるイベントレポートはこちら▼


■プロジェクトの成果

墨田区の魅力や技術力を訴求するクリエイティブディレクションを行った結果、イベントには多くの方が参加してくださりました。満足度や推奨度においても高評価を得ることができました。

その他メディアへの掲載(主要全国紙、AXISなどのクリエイティブ専門媒体、東京新聞など地域媒体)やSNSでの露出によって、認知を拡大しました。

最後に、自治体・事業所・墨田区、各セクターを巻き込むことでそれぞれが主体となった動きが生まれ、今後の地域ブランド戦略のリニューアル展開のきっかけになりました。

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