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日本格闘技界で有名だったウクライナ人

強い。

強い。

強い。

とにかく強い。

北の最終兵器。

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20世紀末、なんでもありで人類最強論争のトップに君臨した選手たちがいた。

400戦無敗の男、ヒクソン・グレイシー

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一族最強の遺伝子、ホイス・グレイシー

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霊長類ヒト科最強の男、マーク・ケアー

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そして北の最終兵器、イゴール・ボブチャンチン

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グラップラーが全盛期の総合格闘技の世界で、とにかく殴る。

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殴りまくる

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あまりにも強すぎて対戦相手がいなくなると…

K1に出場して、K1王者アーネスト・ホーストとK1ルールで試合するほどのケタ違いの強さ。

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PRIDEグランプリ準決勝では、ホイス・グレイシーに勝利したあとの桜庭和志を完封

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PRIDE12では、人類最強決定戦で霊長類ヒト科最強と言われたマーク・ケアーに完勝。

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殴る。

殴る。

殴りまくる。

ウクライナ人の彼のファイトスタイルは、グラップラー全盛期の中で、秒殺の名を欲しいままに、ひたすら打撃を打ち込みました。

そんな彼のキャリアは、別の北のストライカーとの試合から下降の道を辿ります。

K1からの刺客。

クロアチアの英雄。

ミルコ・クロコップ。

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いくらミルコ・クロコップが強くても、ボブチャンチンならボコボコにしてくれるでしょ。

そんな時代が私にもありました。

K1からやってきたミルコが嫌いだった私は、父に連れられ、さいたまスーパーアリーナへボブチャンチンを見に行きました。

しかしミルコの伝説はここから始まります。

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さいたまスーパーアリーナにバットで頭を殴るような音がなり、リングに沈んだのはボブチャンチンでした。

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長い時間失神したまま、彼は担架で運ばれました。

その後のミルコは、PRIDE無差別級王者、K1グランプリ王者、RIZIN無差別級王者になります。

しかしボブチャンチンのファイトスタイルは、同じウクライナ出身の選手に引き継がれます。

ロシアン・ラストエンペラー、エメリヤンコ・ヒョードルによって。

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殴る。

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殴る。

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殴りまくる。

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ボブチャンチンを倒したミルコは、ヒョードルによってボコボコになります。

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こうしてヒョードルは、PRIDEヘビー級王者となり、21世紀最強の格闘家となります。

今現在のロシアの戦争では、PRIDEでは故郷が同じで、仲が良く、試合が組まれなかったボブチャンチンと、ヒョードルの国が、戦争をしている悲しい状態です。

強すぎて試合がいい選手たちと組まれなかったボブチャンチンのファイトマネーは、PRIDEでは最も安い金額のランクでした。

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怪我が多すぎた彼は、僅かなファイトマネーで飲食店のチェーンを展開し、ウクライナで巨万の富を得ました。

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今回の戦争で、店舗をなくしていないか心配です。

こんなに仲が良かったのに!


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