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野獣

墨色の森の中に 心臓の煙を無造作に捨てた

私は何も知らない 
思い出せないはずの出来事が 言葉が 想いが
地面に突き刺さる滝を斬り落とすように
沈黙を守ったまま 幾夜も離そうとしない

私は誰も知らない
お日様の光を十分に浴びて 服を脱ぎ捨てる
私を捕らえたカラッとした風の音が
息詰まった木々達が絡まり合う音が
仲間を呼ぶ野獣の泣き声が 

私の喚き声が

一晩中響いた


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