ー幼稚園ー しゃぼんだま あかあおきいろ ひかってた はるがきた しぜんとかぜが きれいだな まめをむく ぽんとおとして はじけたよ いちごがね まっかできれい あまかった まめをむく 8こまっすぐ ならんでる ミニトマト なっててうれし 手をたたく いいきもち かぜがゆらゆら すずしいな きんぎょがね だいじにされて ふとってる すずしいな ぼうしをぬいで すわってる せんすをね あかいかおして あおいでる みずいろの じてんしゃこいで すずしいな
遊べないよ。 もう会えないんだ。 また今度ね。 わがまま言わないで。 時間がないんだよ。 誰かの一番。 になりたかったのに。
スローモーションにすぎていくこの瞬間。 愛したかった沢山の思い出。 切なさと苦さが鮮明に残った。 また会いたいと呟いた。 その景色に。
ふーっと吹いたら飛んでった。 どこまでいくのかな。 この瞬間を収められたらな。
愛の雲。 悲しみの虹。 痛みの太陽。 会いたいな。 私の友よ。
早く着かないかな。 たってるしんどいな。 建物がミニチュアみたい。 なんでこんなに空が綺麗なんだろう。 おっきい月。掴んでみたいな。 荷物が重くて手がちぎれそう。 混みすぎて息出来ないよ。 ひとつ詩を書いてみよう。 明日学校なかったらいいのにな。 なみだが出てきた。みんな泣いてるのかな。
さっさっさっ 地面を擦るような足音。間に合わないかも。 たったったっ 教室から校庭へ向かうまでの足音。元気だなあ。 かつかつかつかつ 少し怒っているような足音。誰かにからかわれたのかな。 うわああああああ 校庭から聞こえてくる叫び声。勝敗が決まったのかな。 っぴー 体育の授業での笛の合図。なんかお腹すいた。
「音色、」 声が……、出た。 「あなたの音色も、聴きたい、……です」 「あの…」 そして初めて聞く、彼女の声。柔らかくて、甘い。生まれたてかのような純粋な目。もしかしてここは僕の空想の世界なんだろうか。 「はい」 「境目、素敵ですね」 僕のメロディーに、彼女は”境目”という名前をつけた。なんだか素敵な名前だ。 ー”綿あめの空”、はどうですか。 こう言って、彼女は少し恥ずかしそうにはにかんだ。風に揺られた髪が、より彼女を美しく見せた。 ー素敵ですね。聞かせて
おかあさん ひざに乗ったら あたたかい
私の隣にあなたの場所を用意しました。 ここにいつか、準備が整えば来てください。
彼女は、ベッドの上で後ろから抱きしめた僕の手を簡単に振り解いた。 「なんで照れないんですか。普通こんなことされたら照れますよ」 「現実じゃないみたいだからかな」 「現実じゃないみたいだから、溺れるんですよ。みんな」 「夢は、夢だよ」 本当に夢かのように薄く笑みを浮かべた彼女は、今夜も僕に背を向けて眠った。 __________________________________
ーあなたは私と幸せになります。 ーえ? ー赤いあなたは、私の青が恋しくなってる。 ーあははっあははははっ。 ー何も面白いことは言ってません。 ーごめんごめん。君が何色でも、僕は君を愛してるよ。 さっきまでの真っ白い空に私達の色が広がっていくのが見えて、彼は私にそっとキスを落とした。
ーこの絵、どうしてこんなに濡れてるの? ー雨が…降ってきたんです。 ーそっか。 彼が手に取ったのは、赤だった。そうして、涙色に染まったそれに、慌てて口紅を塗るみたいに分厚く、荒々しく重ねた。 正直言って、この絵はとても良いものだとは言えなかった。私が描いた部分は不気味な形と色で満たされているのに、彼のは鮮明で強い。まるで感性が合わないと思った。 完成にふさわしいものとはなんだろうか。未完成こそが、完成なのか。私にその答えが分かる頃には、きっと私はこの世にいない。
あははっあはははっあははっ ここはどこなんだろうか。 天使達と手を繋ぎ合い輪の中で舞い踊る、 真っ白い服を着た少女。 夢、か。 確かに脳内再生がリピートされ続けているのに、これを現実にすることはおそらく出来ない。 _________________________________ 「おはよう、あずさ」 「よっす」 「今日の放課後に何あるか知ってる?」 「えっと…。あれだろあれ」 「いや絶対知らないでしょ笑」 彼とはこうして毎朝一緒に登校している。彼の名
ついに真夜中に近づいてきた頃、彼と私は初めて出会った海にたどり着いた。彼はただ黙って、遠くを見つめていた。私は沈黙に嫌気がさして、今まで気になっていたことを尋ねた。 「そういえばさ、名前聞いてなかった」 彼の瞳は光を入れる隙もないほどに、この世界の真っ黒い部分だけを取り込んでいた。そうして彼は脈絡もなく、呟いた。 「綺麗だな。あそこ、みて。銀色に光る金魚」 「え……?」 私には、それが見えなかった。目の前には墨色の海と空が途方もなく広がっているだけである。 彼がほん
「ふーん。そーんなに僕と行くのが楽しそうだと思ったんだ」 「ちがっ別に…なんか、むかついたから?あんなクソ学校に「はいはいはい、行くよ」」 「えっ、ちょっと待って」 「ここーっ」 ゲーセン、私が彼女といつも来ていたお気に入りの場所。 「あっもう!痛いってば」 「とりあえず…クレープ食べたいな」 「いや、ゲーセンに来たらふつーゲームが先でしょ」 「お腹すいた」 「あっそ…じゃあ私先にゲームしてる」 視界が真っ黒になった。彼の左手が私の両眼を覆ったから。 「