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抽象度を上げる

大学の授業課題に適した建築物を撮影する、と京橋に出かけた娘から夕刻にラインが入った。

再び撮影する夜の帳が下りる頃までの間、“ひとりカフェ”ではきっと手持ち無沙汰だったのであろう。

「都合が良ければ来てくれるといいな」と誘われて、丁度食材の買い物に行く予定だったこともあり、のこのこと出かけて合流した。

先月、夫が単独では2冊目となる書籍を上梓した。

大きめの書店であればもう取り扱っているだろうと思い、数ブロック先にある丸善日本橋店に立ち寄った。

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新刊であっても学術書ゆえに、入り口付近の所在ではないのだが、エスカレーターを上がってその分野コーナーの書棚に一冊と、膝辺りに平積みにされた書籍を見つけて嬉しかった。

出来るだけ多くの人々に読んで頂けるといいな、と心の中で願いながら見届けた。

私は夫の草稿を読むのがとても好きである。

門外漢ではあるものの、読みづらい部分は卒直に伝えるとして、それはつまびらかにされた具体的な物事の関係性から、抽象度を上げられる面白みを感じるからだ。

草稿を読んだ日は、気が付けば"今日の一番ワクワクしたこと"がそれであることもしばしば。

こうして図らずも、読む力は随分と身についているのかもしれない。

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