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映画時評:モノクロ映画「人生は四十二から」を観た。大推薦! もし観ることが出来る環境があるなら是非!

大阪の中崎町にあるミニシアター、プラネットプラスワンでモノクロ映画「人生は四十二から」を観た。想像以上にムッチャ面白かった!
もし皆さんに見る機会があるなら大推薦だ!
「もし」と書いたのは、そもそもこの映画は1935年公開の米国映画。なかなか見る環境にある方は少ないだろう。

そもそもこの映画を観ることができたのは、大阪は中崎町にあるミニシアター、プラネットワンという小さい映画館で前々から観に行きたかったところなのだ。この映画館の特徴は、座席数が少なくこじんまりしたミニシアターで、上映する映画のほとんどが今回の様なモノクロ映画や西部劇と言った極めて客層を選ぶ全国でも傑出して珍しく、貴重なモノだというところ。
今回の映画でもそうだが、客層は全員が男子だった。女子も来るときはあるのだろうが、ここに来客の客層的には圧倒的に男性層が多いと予想される。
映画好きの女性の皆さん、西部劇はまだしも、今回のような内容なら全くオモシロく観られるので、是非とも来られることをお勧めする。

プラネットプラスワンでは、映画は一日中上映しているわけではなく、一日に1本か2本程度、毎日でもなく、チェックが必要だ。時にサイレント映画も上映されているようで伴奏が入る時もあるようだ。
ボクはむしろこっちを観たかった。次のチャンスを狙おう。

映画はモノクロやほとんどが昔の映画ばかりで最新の映画はしないと思っていいのか…。
その中でボクが観た今回の映画はタイトル名さえ聞いたことがなかった映画だった。ただ、この映画館を訪ねたいがために来ただけに観た映画だった。
それが当たりだった。

いい映画は画像は古くなっても、内容は錆びない。

だって、「人生は四十二から」と言うタイトルで、仮に内容を聞いたところでこの映画を観ようと思う人がいるだろうか。
何というダサいネーミングセンス。
当時は当時でアカデミー賞を取ったそうなのでそれなりの話題作だったはず。だったら、もうチョットネーミングを頑張って付けようよ。w

1930代当時の年齢の感覚で言うと42歳は今の年齢の感覚と大分異なるだろう。もう定年ぐらいの感覚かもしれない。
一般人がイギリスからアメリカに渡るだけでも相当な覚悟がいるだろう。
一般人と書いたが主人公は一般人ではなくもっと下の人。

その人がイギリスとは全く異なる価値観の自由の国アメリカに渡ることになり、自由という価値観を知ることになる。頭で「自由」が分かっていたつもりでも、言葉が通じる国同士でも実際に自分が行ってみて、体験してみること、で実感し、それを人生の最後の方で知り、そして行動にして実行するし、周りが支持してくれるのは、自国にいたままでは分かりえなかったことだろう。
こんな定番中の定番のハッピーエンドは、実は1930年代に既に完成した映画としてあったのだ。

普段はプロとして自我を押し殺して行動するが、周りの人はその人のプロフェッショナリズムを理解しつつも、その人の個性もしっかりと理解し尊重している。だからこそちょっとした個性の崩壊を見せたところで、普段のプロとしての仕事ぶりを見せていれば、多少の失敗があったところで周りはしっかりと理解してくれる。
人間は完璧ではないのだ。各々がそれを知っていれば自ずと他者に寛容になれるのだ。

人生の終盤まで主人に真面目に仕えてきた人生が最後に花咲くハッピーエンドがボクは堪らなく大好きだ。

また、このような映画を大事にし、上映してくれるミニシアターも大好きだ。
プラネットワン、また会いましょう。

中崎町のビルの2階にある。


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