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いよいよ長かった自己紹介も今回が最終章となる。
今回は前回の自己紹介(~第4章 3社目の就職編~)の続きを書きたいと思う。私のこれまでの経歴は就活時代編で一表にまとめているので、改めて確認していただきたい。
今回は~第5章 最後の就職編~で、独立を前提に自分に足りないモノを身につけるため、最後の転職を開始した時の話から始まる。

■4社目の就職

この頃の私の中には数年後に【独立】という明確な目標があった。その為に今の自分に足りない経験は何だろう?と過去自分が歩んできたキャリアを見直してみた。今まではどちらかと言えば社外の人間として会社に関わってきたのだが、社内の人間としての経験が全く不足している事に気づく。将来独立するのであれば、会社の人事部として社内から会社を変えていく経験は必須だと考え、最後の転職として、会社規模が中程度(売上10~100億円、社員数100名~500名)でまだ組織のルールが未整備な企業に選択を絞って転職活動を開始した。

最初は簡単に決まるだろうと気軽に考えていたが、実はこの時の転職が一番てこずった。なぜならば、コンサル会社にいた人間はアクが強いというイメージがあり、一般的な会社は嫌がる傾向にある事を始めて知った。私はこの転職を最後に独立する事を決めていたが、これを面接でだしてしまうと絶対に採用されないと分かっていたので、とにかくひた隠しに面接を進めていった。結構時間はかかったが、何とかビルのメンテナンス会社の人事部へ転職が決まり、初めて、いわゆる普通の会社員的な働き方を体験できた。(今までは会社員というよりも個人事業主的な働き方が多かった)

安住の地を手に入れた私は、人生最大にはりきっていた。こんな仕事もあんな仕事もやりたい!と気持ちばかり急いていたが、結局最初に任された仕事は私の希望していたものと違っていた。「なんで…、面接で言っていた内容と違う…。」正直落ち込んでいたが、苦労して入社した会社だったので、やるならとことんやろうと心に決め、任された仕事を懸命にこなしていった。

そうこうするうちに1年が過ぎ、やっと希望していた仕事を任されるようになった。その時は本当に嬉しかったのを今でもハッキリと覚えている。結局その会社では約3年お世話になった。ここでの3年間は私の考え方や見方を大きく変え、今まで自分に欠けていた物を多く発見し、補う事が出来た。

後から聞いたのだが、最初面接した時に「この人は何年か勤めたら辞める」と当時の面接官には分かっていたらしい(笑)。それでも、いてくれる期間だけでも成果を出してくれればという想いで採用したよと話してくれた。
あそこで腐らずに全力で打ち込んで本当に良かったと心から思う。
そして2011年12月、東日本大震災が発生した年の瀬に、いよいよ福岡へ戻り独立する運びとなる。(独立後の話は次回に取っておくので、お楽しみに。)

◇4社目の就職での学び
✔会社員こそキャリアの意識が大切
✔コミュニケーションは心の距離感が大切
✔周りに感謝する


✔ 会社員こそキャリアの意識が大切

会社という組織には様々な人がいる。給与を上げたい人、偉くなりたい人、そこそこ働ければいいと思っている人、定年まで会社にぶら下がろうと考えている人など働く目的は十人十色、それぞれが自分なりの考え方をもって働いている。

自分の身近に尊敬できる上司や先輩がいればいいが、身近な人の働く目的がネガティブだと、あっという間にその場の雰囲気にのみ込まれてしまう。職場では同じ人と過ごす時間が長いので、良くも悪くも身近な人(特にその人が自分よりポジションが上の場合)の影響を受けてしまうのだ。

管理職研修の受講生にも必ず一定割合いるのだが、『仕事の目的が生活のため』と割り切っている人がいる。何十年も同じ会社で同じ仕事しかやってきていないため、社内での評価は低く、かといって転職できるわけでもなく、ただ生活費を稼ぐためだけに会社にぶらさっがているタイプだ。

誤解を招くといけないので書いておくが、決してその人が悪いと言っているのではない。その人なりに何十年も会社に尽くしてきたのだろうし、家族の為に頑張ったのだと思う。ただ足りなかったのは、【自分でキャリアを作る】という思考だ。今、世の中でどのような能力やスキルが必要とされていて、自分がステップアップするにはこれから何が必要なのか、を考えて身につける努力が少し足りなかったのだと思う。

もっと若い時に自分の人生やキャリアと向き合い、頑張る方向性を変えていたら、きっと違う人生が送れたのではないか。そう考えると、会社員こそ自身のキャリアについて意識を高く持ち、必要とされる能力やスキルを積極的に習得していかないと、人生におけるリスクが高くなってしまうと思う。


✔ コミュニケーションは心の距離感が大切

初めて普通の会社員になって一番困った事は、職場での細々したルールが多いことだ。どこにでもその会社独自のよく分からないルール(書類の提出方法、報連相の仕方、人間関係など)が存在する。最初はそのルールを覚えることに結構手間取った。特にこれって必要なの?と思うようなルールもあり、それを勝手に変更したり無視したりすると、とたんに現場が混乱して仕事が止まってしまう。人間関係なども重要で、この件は必ずこの人に聞くように、などと決まっていて、もう訳が分からない。

最初、私はコンサル出身っぽく、ここは改善しましょうなどと調子にのって上司に意見していたのだが、上司からの反応はイマイチだった。その度に『なぜ改善しようとしないんだ、こっちの方が数段効率が良いのに。』と不満を抱いていた。

そんなやり取りを続けていたある日、上司からポロリと言われたひと言が胸に突き刺さった。

【ちゃんと周りを見てる?】

コンサル経験が長かった私は心のどこかで上から目線だったのだと思う。もちろんそんなつもりは一ミリも無いのだが、心の底では自分が一番仕事ができる、自分の言っている事が正しい、といった傲慢さがあって、無意識のうち言動に現れていたのだろう。周りからは、現状もよく知らないのに、今まで自分達が作り上げてきたモノを勝手に壊そうとする無神経な奴と見られていたのだと思う。

それ以来、私は職場や社内の人と積極的にコミュニケーションを取るように心掛けた。まず私を知ってもらい、周りの人を知ろうとすることで心の距離感を縮めることに専念したのだ。その結果、私に対する周囲の対応に変化が見え、私の言っている事に賛同してくれる人も現れ、仕事も進めやすくなった。

人とのコミュニケーションで大切な事の一つは【心の距離感】を見誤らないことだ。心の距離に応じた言動ができないと人は信用してくれないし、心を開いてはくれない。この出来事は私にとって大きなターニングポイントとなった。


✔ 周りに感謝する

4社目に入社した会社はある意味凄かった。なんと仕事が17時に終わるのだ。前職では24時まで働くのが当たり前だった私は、17時以降何をして時間を過ごしたら良いのか分からなかった。最初の頃は職場を出るとまだ外が明るいので、帰り際はいつもオドオドしていた。

そしてそれは突然やってきた。入社1週間後、家に帰ると突然経験をしたことのない頭痛に襲われてしまい、そのまま病院へ運ばれてしまった。原因ははっきりしなかったが、3年間体を酷使し続けた反動が、気の緩みで一気に噴き出したようだ。結局、入社早々1週間会社を欠勤し、その間体重が5キロ落ちていた。つくづく健康の大切さを実感した出来事だった。

回復後の出社はさすがに気まずかった。なにせ入社直後にいきなり1週間仕事に穴をあけてしまったのだ。これがコンサル会社なら仕事を取り上げられ、雑用に回されるレベルの失態だ。そんな重い気持ちで出社したのだが、職場のメンバーは本当に温かく迎えてくれた。それどころか、私の仕事を代わりに処理し、負担を軽くしてくれていた。

これには本当に感謝しかなかった。この時初めて仕事は【チーム】でするのだと気が付いた。皆で協力し、支え合いながら業務を繋いでいく、これが仕事なのだと。この経験をするまでは自分だけがしっかりと成果を出していれば、後は他人事と思っていたが、それは間違っていた。当然チームには優秀な人、そうでない人などいろいろなメンバーがいる。しかしそれぞれに適した役割があり、各々の強みを発揮する事で、チームの力は何倍にもなり、個人でやるよりも大きな成果を得る事ができる。だから仕事は面白いのだ。

そう考えると、私が力を発揮して成果がだせるのも周りの人々のおかげだ。私をいつも支えてくれる職場のメンバー、成長する機会を与えてくれるクライアントの皆様、そして何よりも心から応援してくれる家族に感謝したい。

心から、ありがとう。


■まとめ
長かった自己紹介もこれで完結となります。ここまでお付き合いいただいた読者の皆様、本当にありがとうございました。

ここまで読んでみて、いかがでしたでしょうか?もちろん私の数倍苦労したり、大変な人生を歩んできた人は大勢いると思います。ただ全ての人に共通して言える事は、【全ての道はつながっている】ということ。今日の苦労や大変な思いも必ず将来何かに役に立つということを知って欲しいと思い、私の人生を書き出しました。

私の場合だと、23歳の時に会社をクビにならなければ、人事の世界とは縁が無かったでしょうし、独立して人事のコンサルをしたり、研修講師をしたりする事は絶対にありませんでした。今になって思えば、苦しみながらも自分の人生を少しでも良くしようと、自分を信じて、知恵を絞って必死にキャリアを作ってきた事が良かったのだと思います。

だからこそ言いたい、【全ての道はつがっている】から腐らず諦めず自分のキャリアを作って行こうよ!と。人生は自分が主人公。全ての人が自分で選択して、幸せな人生を歩めることを心から願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうござました。心から感謝致します。

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