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今回は前回の自己紹介(~第2章 最初の就職編~)の続きを書きたいと思う。私のこれまでの経歴は就活時代編で一表にまとめているので、改めて確認していただきたい。
今回は~第3章 2社目の就職編~で、初めての就職で早々にクビになった後の話から始まる。

■2社目の就職

ある日突然クビを言い渡され、抜け殻と化した私はまた引きこもり生活に逆戻りしてしまった。しかし時間が経つにつれ、その時に何もできなかった自分自身の無力さへの苛立ちだけが気持ちを支配していった。

「悔しい…自分に何が出来たのだろう…」

そんな思いを繰り返す日々を過ごすうちに『無力のままでは人生損をしてしまう、何か武器を身につけなければ』と思い立ち、図書館に走った。色々調べていくうちに、働く人は法律で守られている事を知る。あの時の自分にこんな知識やスキルがあれば、あんな悔しい思いはしなかったのに…と後悔すると同時に、なんとか必要な知識やスキルを身につけながら給料をもらう方法はないものかと思い、本屋に走った。

本屋の資格コーナーを眺めている時に、労働法(会社や働く人のルールを定めている法律)を専門に仕事をする国家資格がある事を知り、その資格を使って働ける会社を見つける為、ハローワークへと向かった。
世間はまだ就職氷河期真っ只中で、求人数も少なかったが、たまたま1件だけ私が目指している業界の求人を見つける事ができた。早速窓口に申し込みをするが、出てきた担当者は私を見るなり、「この求人は難しいよ。既に50人落ちてるからね。あなた無資格でしょ…」と言ってきた。ただ私に残された選択肢はないので、後に引くわけにはいかない。「それでも良いので、進めて下さい!」と懇願した。

後日、運よく面接が実施された。当時は知らなかったが、私の面接官はその会社のオーナーで、たまたま時間が空いていたので、暇つぶしに面接をする事になったそうだ。

そうとも知らず、私は緊張しながら面接に臨んだ。面接はとても和やかな雰囲気で進み、面接時間もそろそろ終了という時に、そのオーナーが突然私に言った。

「ねぇ、君はいつから出てこれるの?」
「…っえ!?…明日から出てこれます!」

私はとっさにそう答えた。何度も言うが、当時の私には選択肢が全くなかった。とにかく目の前にあるチャンスにしがみつく事しかできなかった。こんな感じで運よく次の会社に入社する事ができたのだが、私の運命はここから大きく変わる事になる。【エピソード③】

結局、その会社には6年ほど勤務した。恩義もあるので、そこでの出来事は詳しく書く事ができないが、本当に色々な事が起こった6年間だった。オーナーがとにかく個性的な人で、漫画で起こるような出来事がリアルに毎日繰り広げられ、その度に傷ついたり、打ちのめされたり、強くなることができた。誤解を与えるといけないのでこれだけは書いておくが、オーナーは間違いなく私の人生を救ってくれた恩人の一人であると今も心から感謝している。

そんなこんなで私はここでの6年間を駆け抜けたのだが、29歳の時にやっている仕事に限界を感じ、もっと仕事の幅を広げたいと思いコンサル会社への転職を決意した29歳の春。(2006年3月)


◇2回目の就職での学び
✔ チャンスを掴めるのは一瞬
✔ ぬるま湯の中では成長できない
✔ 物事は起こるべくして起こる

✔  チャンスを掴めるのは一瞬

上記にも書いたが、私が拾われたのは間違いなく運が良かっただけだ。たまたま求人が目に留まり、たまたまオーナーが暇つぶしに面接をしてくれなければ、私の人生はどうなっていたか分からない。ただ偶然であったとしても、自分で選択し、行動した結果が拾う神の目に留まったのだと思う。
この時はとてもじゃないが、将来のキャリアをどう築いていくのかなんて考えられる状態ではなかった。でも心の中で一度掴んだものは絶対に自分の糧にして、次のステージへ上がる【覚悟】はもっていた気がする。その覚悟がなければ決して仕事を続けられる環境ではなかったし、普通の精神状態ではいられなかったと思う。

この年齢になって心底思うが、自分の人生に【覚悟】をもって生きている人がとても少ない。自分の人生なのに流れに任せ、選択をしない人(選択が他人任せの人)が多いと感じる。

例えば、昔の同僚と久しぶりに会って話をすると、結構な割合の人が会社か上司の愚痴を言う。表面上はにこやかに聴いているが、心の中では「それを選択しているのは自分でしょ」と言いたいのをグッと我慢している。

話を戻すが、チャンスが目の前に現れるのは本当に一瞬だ。その時に覚悟を持っている人は迷わず掴むし、持ってない人は悩んでいる隙に掴み損ねて、「これは自分にとって良い選択ではなかった」と言い訳するのだろう。


✔ ぬるま湯の中では成長できない

オーナーとの関係性を別にすれば、本当に素晴らしい職場だった。上司や先輩は良い人ばかりで居心地もよく、仕事も順調にいっていた。お客様にも恵まれ、多くの知識と経験を身につける事ができた。ただ仕事を始めて5年が過ぎた頃から、自分の仕事の質に物足りなさを感じていた。というのも、お客様が抱えている本質的な問題を解決する為の方法を提供できていなかったからだ。専門とする法律面でのアドバイスはできるのだが、実務面でのアドバイスとなると自分には経験も知識も無かったので、何となく法律論で誤魔化すといった対応が目立つようになってきた。お客様は私を信頼して相談をしてくれるが、返ってくる回答がズレているので、がっかりしている表情を見る度に心が締め付けられる思いだった。

そこで初めて自分のキャリアについて考えた。このまま居心地の良い職場に居続ける事もできるし、環境を変えて自分を更に成長させる事もできる。さあ、どうする?

この選択には少し時間がかかったが、私は後者を選択する事にした。より厳しい環境になったとしても、お客様の役に立たない自分でいる方が辛いと考えたからだ。


✔ 物事は起こるべくして起こる

面白いもので、就活の時は自分と向き合うことから逃げた自分が、結局このタイミングで向き合う事を必要とされる。嫌な事から逃げても、結局後で自分に返ってくるのだ。

また当時は考えもしなかったが、オーナーが毎日引き起こした漫画のような無茶苦茶な出来事は、今では私にとって宝物となっている。当時は嫌で嫌で仕方なかったが、あれ程人間味に溢れ、自由な人に私は会った事がない。

私は生真面目な人間だと自分では思っている。父親はサラリーマンで母親は公務員という堅実な両親の下で育った。昔から共働きだったため、子供時代はとても寂しい思いをしたのを今でも覚えている。あまり両親に自分の気持ちを言えず、我慢しがちな子供だった。

しかし、オーナーと同じ時間を過ごす内に「人間ってこんなに自由でいいんだ」と思った。多少人に迷惑をかけようが、嫌われようが【自分に正直】でいる事の大切さを学んだ。本当に迷惑な人だったが、私にとっては出会うべくして出会った人だった。

全ての物事は起こるべくして起こる

ただその事象をどう受け取って自分の人生に活かすのかは自分次第だ。物事は取り方次第で、ポジティブにもネガティブにもなる。どうせ起こるならポジティブに受け取れる人間でありたいし、糧にしたいと思う。


■まとめ
どんな環境であっても人は学ぶことができるし、それを自分の力に変える事ができる。そして、自分に起こる全ての事象は何か意味がある。大切な事は【自分の人生に責任をもつ】ことだ。誰が言った言葉なのかは忘れたが『誰だって、自分の人生という物語の主人公なんだ。』

多くの物語に出てくる主人公は、仲間に裏切られたり、敵にやられたり、苦難にあっても最後にはだいたいハッピーエンドになる。それは【覚悟】を持っているからだと思う。主人公としての【覚悟】を皆がもって、自分の人生を歩むことができれば、全ての人が幸せになれるのにと思う。


最後まで読んでいただき、ありがとうござました。心から感謝致します。
次回は、~第4章~ 3回目の就職編となります。

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