映画「TENET　テネット」時間の概念を覆すクリストファー・ノーランからの最難関の挑戦状。

IMAXで鑑賞して打ちのめされた。

タイトルのTENET　

右から読んでも　左から読んでも　TENET

ここまで難解で、ここまでエキサイティングな映画を見たことが無い。

冒頭からいきなり身ごと攫われる感じだ。

満席の観客のオペラハウスの怒涛の銃撃戦から圧巻。

ただこれは序の口でありクライマックスが何度でも訪れる。

中盤のカーチェイスの迫力もハラハラして自身の心臓の鼓動が聴こえた。

そしてボ〇〇〇グ〇〇〇を実際に爆発させて撮影されたシーンは

いったいなんてことをこの監督はしだすのだろうと思った。。

この映画はSF映画でもありスパイ映画でもありタイムトラベル映画でもあり

名も無き男の巻き込まれ型サスペンスアクションとも言えるが

それを全て融合させ、超越させているように思える。

もはやジャンル分け不可能な

まさにジャンル「クリストファー・ノーラン」！

主演の名も無き男はジョン・デイビッド・ワシントン。

元プロのアメリカンフットボールの選手。

父はあの名優デンゼル・ワシントン。

凄い演技力だ。彼が主役で本当に良かった。

重要なキープレイヤーになるロバート・パティンソンも「トワイライト」シリーズの記憶が濃かったが本当に素晴らしく

本作の彼には本当にぐっとさせられた。。

そして本作のヒロインとも言えようエリザベス・デビッキ。

「華麗なるギャッツビー」での抜群のスタイルと鋭い美しさが印象的だったが

この作品ではケネス・ブラナー扮する冷酷かつ凶暴な恐ろしい男から息子と自由を渇望する女性を知的かつ魅惑的に演じている。

この作品の中核は”時間の逆行”

しかも順行と逆行が共存してしまう驚愕の世界。

クリストファー・ノーランが牽引してきたIMAXカメラと撮影技術、特撮技術がここまで進化したからこそ

この不可思議だがリアルな逆再生映像をスリリングに堪能できる。

長編デビュー作の「メメント」から「インセプション」でも「インターステラー」でも

クリストファー・ノーランが語り続けてきた

時間の未知の可能性の究極の姿。

ノーラン監督の「インターステラー」でも

「私は物理学者だ。怖いのは時間だ」

という台詞があるが

時間とは果たして何なのか？

この作品ではエントロピーや時間反転対称性をモチーフにして、有名な物理学者キップ・ゾーンが脚本を監修したらしいが

もう一度学生に戻って物理学と量子力学を勉強したい　笑

だからネタバレ徹底考察は物理学を極めた人に譲りたい。

そしてこの映画は決して映像ギミックに寄り掛かった作品ではなく

濃く熱い人間ドラマでもあり、友情や恋愛の香りにも満ちている。

クリストファー・ノーランはいったいどこまでいってしまうのだろう。

私たちを最もエキサイティングに未知の世界に連れて行ってくれる監督。

彼の映画では見たことのない世界のどこへでも連れて行ってくれ驚愕の光景を観ることができ

いつも異次元に没入トリップしてしまう。

物理学と量子力学の可能性の果てを緻密に設計、脚本にし、それを完璧に映像化しとんでもない体験させてくれるのは

この世でたったひとりクリストファー・ノーランしかいない。

IMAXで圧倒されたまま、難解な時間のねじれに打ちのめされた今日。

すでに２回目が観たくてたまらない。

時間の概念の覆して我々に突き付ける映画「TENET」。

あなたは

クリストファー・ノーランからの

最難関の挑戦状を見事、

１回目で解明できるだろうか。