今回は高年齢者雇用の第3弾『高年齢者雇用~地域とのつながりを活かした採用活動 その2~』です。
読まれていない方はぜひ第1、2弾も読んでみてください。
今回は、地域とのつながりを活かした採用活動の2つ目『オレンジカフェ参加者からクオラ職員へ ~マッチングジョイのはじまり~』についてクオラの在宅介護支援センター責任者である堀課長のお話を交えながらご紹介します。
まずは今回の話の発端となるオレンジカフェの運営を行なっている在宅介護支援センターについて簡単にご紹介します。
在宅介護支援センターとは
『さつま町社会福祉協議会』という組織があり、その中に『地域包括支援センター』があります。
その地域包括支援センターの地域窓口として『在宅介護支援センター(以下、在介)』が設置されています。さつま町内には4箇所あり、クオラの在介は町から委託される形で「屋地・船木・山崎・二渡・久富木」地区を担当しています。
その在介の仕事の一つとして、『認知症カフェ(通称:オレンジカフェ)』が実施されています。
認知度カフェ(オレンジカフェ)
認知症カフェとは、もの忘れが気になる方、日常生活に不安がある高齢者とその家族、地域住民、専門職など、誰でも参加できる集いの場です。
認知症の当事者の方が通うことで認知症の当事者や家族の方が孤立してしまうリスクを減らせます。また、認知症の当事者、家族にサービスを提供することで、普段の介護で感じている負担やストレスなどを減らせることもメリットです。さらに、地域の人に認知症のことを理解してもらうことにより、地域全体で住みよい街づくりができることにも繋がります。
さつま町内でも各地区で開催されており、それぞれ趣向も違います。クオラが主催となっている認知症カフェは『喫茶 きんぎょの家』という名称で行なわれています。
オレンジカフェ参加者からクオラ職員へ
マッチングジョイのはじまり
オレンジカフェでは、認知症の方やその家族の方が相談することが多かったりするのですが、ある時オレンジカフェの参加者の方からこんな相談をされたそうです。
地域の方の声がこんな感じで直接聞けるのっていいですよね。ただこの相談、しっかりとした条件付きでの相談だったみたいです。
地域の方のニーズに応えた結果、スタートから5人の採用に繋がり、自分たちで勤務調整までしてくれるという人手不足に大きな一手となりました。人手不足解消だけでなく、その他にも効果が出ているようで、、、
業務改善にもつながる意見を言ってくださったり、土日等人が少ないタイミングで勤務を組むことができたりとクオラと働き手がまさにWinWinの関係になっているように感じました。
最初は5名から始まったのが口コミで広まり、トータルで33名の紹介・応募で、現在20名(取材日:R4.12.20 時点)がグループの各事業所で働いています。
この『働かせ方改革』に名前を付けて『マッチングジョイ』として取り組んでいます。
マッチングジョイの利点
①平均年齢70歳で、特に高齢者に対してのコミュニケーション能力が高い
②退職者が少ない(ストレスを感じるほど仕事を与えない。何か困ったことがあればすぐに相談できる体制ができている。何かあってもクオラグループにいるからどうにかなるという安心感も持っている)
③勤務時間帯が自由であり、職員数が少ない時間帯に抵抗が少ない。
⇒職員からの感謝により社会から必要とされることによる満足感を感じる
“「ここで働くのが楽しい」⇒クオラのことを友達や地域の人たちに話す
⇒口コミを聞いて、働いてみたいと相談が来る”の繰り返しだそうです。
さらに、この世代の方々の日常生活に欠かせないのが『健康』情報。困った人がいたら、「私がクオラで働いているから聞いてみる」と相談が来る。平均年齢70歳の知人の相談はすぐにサービスに繋がるという効果もあるようです。
結果、職員雇用だけでなく、患者・利用者の獲得にもつながっています。
マッチングジョイの位置づけ
「雇用というカテゴリーではなく、クオラグループへの入り口の1つとして位置づけるのがふさわしい」と堀課長は言います。グループ内に新たな利用者が入るパイプは、外来や入院、グループ内のサービス利用です。しかし、そこから集客が見込まれない場合、どれだけ営業をかけても、利用につながることは少ないと言います。
そうなった場合、医療・介護のパイプからだけでなく、もっと違うパイプが必要となります。そのひとつが雇用というパイプなのではないかと思います。クオラで働くことが楽しいと思うと、必ず友達や地域の人たちに話をします。これほどの宣伝効果はないでのはないでしょうか。
マッチングジョイで雇用した方たちがクオラの広告塔の役割を担ってくれているのです。
地域の中でこういった思いを感じながら働いている高年齢者の方々がたくさんいます。これぞまさにクオラのグループ理念の『地域貢献』なのではないかと思います。
マッチングジョイの今後
現在働いている方々の声を定期的に聞くことを忘れないことはもちろんのこと、高年齢者だけでなく、子育て世代や障害者雇用に拡大することができる取り組みだと感じています。
今後は、ターゲット層を広げて展開していくことができるといいのではないでしょうか。
皆さんへのお願い
皆さんのご家族や友人、知人に興味がありそうな方がいたら、ぜひ声掛け、ご紹介ください(年齢や性別、障害の有無等は問いません)。
事業所としてもっと力を入れて取り組みたいと感じましたら、社会福祉法人の堀課長もしくはグループ採用担当までご連絡いただければより詳細にお話しを進めていくことができると思います。
このマッチングジョイで大切なことは来た人の条件を受け入れる姿勢が大事ということです。「週1日だけでの勤務じゃちょっとね~」となりがちかもしれませんが、そこを受け入れてみる価値は存分にあるのではないかとお話を聞いて感じました。
以上、高年齢者雇用~地域とのつながりを活かした採用活動 その2~でした。