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高年齢者雇用~地域とのつながりを活かした採用活動 その1~
今回は高年齢者雇用の第2弾『高年齢者雇用~地域とのつながりを活かした採用活動 その1~』です。
読まれていない方はぜひ第1弾から読んでみてください。
クオラで行なった『地域とのつながりを活かした採用活動』は大きく2つあります。
・元気高齢者等介護職場インターンシップ事業
・オレンジカフェ参加者からクオラ職員へ ~マッチングジョイのはじまり~
その中から、今回は『元気高齢者等介護職場インターンシップ事業』についてご紹介します。
元気高齢者等介護職場インターンシップ事業
急速な高齢化の進展により、今後ますます高齢者等の就業できる場や社会参加できる場が不足してくることが予想されます。そんな中で働く意欲のある高齢者等が能力を活かし活躍できる環境整備として、鹿児島県社会福祉協議会が主体となって平成30年度~令和2年度で実施されたのが元気高齢者等介護職場インターンシップ事業です。
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高齢者等の就業機会を創出するとともに、介護従事者の確保を図るため、介護施設において、元気な高齢者等が掃除や配膳等の生活介護の一部をサポートする人材として活躍できるよう職場体験を通じた就業支援を行ない、介護サービスの一部を担える新たな人材確保につなげることを目的としています。
介護施設での清掃や配膳等といった生活介護の一部をサポートする職場体験(インターンシップ)に参加する元気な高齢者等を募集し、高齢者等の生きがいづくりや社会参加を支援しつつ、就業機会の創出と介護人材の確保を図るというものです。
職場体験の募集対象者
次に掲げる心身ともに健康で活力ある55歳以上とする
⑴介護施設での就労に関心がある方
⑵これまで培ってきた技能や経験、社会貢献意識を活かしたい方
⑶職場体験期間中の留意事項、そして職場体験終了後の就労意向調査に応じていただける方
職場体験が行なわれる施設の種類
・特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
・介護老人保健施設
・養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
・軽費老人ホーム(ケアハウス含む)
・グル―プホーム
職場体験の内容や日程等
【内容】
介護施設での掃除や配膳といった生活介護の一部や作業のサポートを主体とする体験
⑴利用者との交流補助(話し相手、レクリエーション、趣味活動等の補助)
⑵利用者の介護・介助の補助(車椅子、食事、入浴、散歩等の補助)
⑶作業の補助(配膳、洗濯物の整理、農作業、清掃等の補助)
【日程】
⑴5日間(1日目もしくは2日目までが座学と実技講習となり、その後の期間から介護施設での職場体験となります)
⑵1日あたりの体験時間は、おおむね3時間
ということで、クオラグループからは介護老人保健施設クオリエと特別養護老人ホームマモリエが受入施設として参加しました。今回は当時、クオリエにて元気高齢者等介護職場インターンシップ事業を担当者した河井さんにお話を伺いました。
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担当者の話
●高齢者インターンシップに参加したきっかけは?
-社会福祉協議会からの案内があって、当時の上司が「面白そうだからやってみたら」ということで始まりました。
●大まかな流れを教えてください。
-初日は研修を行なうのが絶対条件だったので、クオリエの会議室で介護保険制度の説明、クオリエの概要、職場体験の心得、その他職場体験に必要な簡単な実技講習等を実施しました。その研修を終えた上で問題なければ2日目から本格的なインターンシップを受けるといった流れです。
●研修を受けてやっぱりやめるというパターンもありなんですか?
-実際にありましたよ。イメージと違う、というか勘違いしていたパターンでした。この事業は平成30年度~令和2年度の3年間実施されましたが、クオリエは平成30年度と令和元年度の2回参加しました。令和2年度はコロナが流行り出したこともあって参加しませんでした。
平成30年度は3名応募があって2名実施、令和元年度は4名応募の3名実施でした。参加者が1人もいない施設もあったみたいなので、ゼロじゃなくてよかったです(笑)
●主な体験内容はどんなものでしたか?
-厨房の場合は、野菜の切り込み、食器の片づけ、盛り付け等で、介護現場の場合は主に身体介助以外の現場のフォローでした。おしぼりを畳んだり、エプロンやコップを洗ったり、お茶出しも少しだけやってもらいました。基本的には5日間の体験でしたが、4日間の方もいらっしゃいました。体験終了後のアンケートに就業意向調査欄が設けてあって、「この施設で仕事がしたい」に○が付いたらその方と個別にやり取りして雇用に繋げていくような形でした。
結果、就労に繋がった方は令和元年度の実施者から1名。事情があって辞めてしまいましたが約1年勤めてもらいました。他の方からも仕事をしたいとの希望がありましたが、インターンシップの様子や年齢が80歳以上であったこともあり、体力的に業務として実施してもらうのは難しかったので、その方にはボランティアとして何度か来てもらいました。
●ボランティアもありなんですね。必ずしも就業場所を探すわけではないのですね。
-社会参加って部分が大きいと思います。高齢の方で、仕事を辞めてちょっと時間ができたから何かできることをしたいって思いのもと参加していたんだと思います。
●取り組んでみて良かったこと何かありますか?
-インターンシップって聞くと若い大学生(新卒)のイメージが大きいため、1度社会人を経験した人たちが介護現場を経験してから雇用できることで、採用費用をかけずに済んだ点、ミスマッチを防げる点など会社としてのリスク軽減に繋がったと思います。採用は難しくてもボランティアの方へ移行できる点も良かったです。クオリエとしてはフルタイム勤務ではなく、人が手薄になったり、足りない時間帯にピンポイントで働けそうな職員を見つけることができたのは良かったです。
●この事業に取り組んでみて何か効果はありましたか?
-管理職の職員指導の仕方がちょっと変わった気がします。それまでは新卒や中途でバリバリ働ける人たちの指導をすることが多かったので、仕事の中で高年齢の利用者さんたちと話をすることはありましたが、(年齢が)上の人たちに指導するっていう機会が少なくてそこの経験ができたことで、しっかりしないといけないっていう意識が生まれたように感じます。年齢もですけど、医療福祉業界の経験が全くない人たちにイチから説明しないといけないっていうのは学びになったという声も聞きました。
●最後に、高年齢者雇用をはじめとする今後の採用活動で取り組んでいきたいこと又は意識していることを教えてください。
-現場としては、現職員でも高年齢の方はいらっしゃるので、その方たちに継続して働き続けてもらうために現場が求めすぎないようにしています。結局、働いている時間にやってもらいたいことはたくさんありますが、なんでもかんでもやってもらおうとすると、移乗介助等身体的に負担が大きい仕事はキツくてついていけなくなってしますので、そういった業務の選別をして、効率よく助け合いながら仕事ができるように部長をはじめ考えて指導をしてもらっています。
採用のためにというよりも、今いる職員に長く働き続けてもらうという意識です。介護現場は体力を使うことも多く高年齢の方にはキツイ部分も多いですからね。逆に今いる職員が働きやすい環境を整えることで、業務の選別や現場の流れがスムーズにいき、今後高年齢の方が入職してきても、うまく対応できると思います。今はクオリエ全体が経験を積んで、そういった働きやすい環境を整えているイメージです。
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採用のためではなく、今いる職員のことを考えて取り組んでいるということに感銘を受けました。『求めすぎない』ことを意識し、業務の選別をしていくことで全体がうまく回っているのではないかと感じました。
実際に受け入れを体験したクオリエやマモリエ以外の事業所も、高年齢の職員がいると思いますので、職員の声を聞きながら適切な業務の選別ができるように心がけていただければと思います。
次回以降で、高年齢者雇用の第3弾『高年齢者雇用~地域とのつながりを活かした採用活動 その2~』として『オレンジカフェ参加者からクオラ職員へ~マッチングジョイのはじまり~』についてお伝えします。
以上、高年齢者雇用~地域とのつながりを活かした採用活動 その1~でした。
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