ブランドになっているか?一発でわかる方法
Voicy No.0235 2022年11月7日放送
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あなたは「ブランドとは何か」を説明できますか。何気なく使っているブランドという言葉の定義を、「ブランドになっているか一発でわかる方法」という視点から解説します。
あなたにファンはいるか?
プロフェッショナル職やオレのようなアドバイザー業では、同じことを100万回、眉一つ動かさずに繰り返し言えることが必要な姿勢です。
聞かれることは基本的なことばかり。
繰り返し同じことを言うのに飽きてはいけないのです。
ブランドとは何かわかっていない人は99.999%です。
1万人いたら1人。いや、もっと少ないかな。
ブランドとかブランディングがわかって取り組んでいる人は、10万人に1人ぐらいでしょう。
ほとんどの人はブランディングが何かつかめていません。
ビジネス自体を「有名になれば売れるでしょ」「重要なのは露出でしょ」という感じで捉えています。
ひどい言い方をすると「なめている」からうまくいかない。
売れないのは露出の問題ではないのです。
ビジネス的にアカデミック的に、「ブランドとは」を知識として頭に入れたって仕方ない。
自分自身と自分のビジネスがブランドになっているかという観点と、そもそもブランドになる必要があるビジネスなのかも含め、それを知っておかないと、ブランディングもマーケティングもできないです。
出来上がりがわからないからね。
そういう意味で、この大本のところの話をしようと思います。
「とにかく好き」がブランドだ。
ブランドになっているか一発でわかる方法は「ファンがいるかいないか」です。ビジネスでも商品でも人でも、突き詰めるとこの1点しかありません。
相対比較を全部超越して、比較なんかどうでもいいと思っていて、高かろうが、手間がかかろうが、遠かろうが、性能が劣っていようが、指名で選び続けている人がファンです。
「好きだからいいじゃん?」という人が、いるかどうかなのです。
あなた自身がブランドかどうか考えてみたときに、自分よりもっと歌がうまい人がいようが、ライブ会場が遠かろうが、顔が悪かろうが、そこを超えて「とにかく好き。他と全然比べる気がないくらい好き」というのがファンです。
ファンは優劣で考えない。
マーケティングとか比較で選ばれるようにするのは違います。
「うちのほうが性能はいい」「うちのほうが量が多い」とか相見積もりを出させられるのは、その時点でブランドとしての勝負ができていません。
ブランド側から見て自分がブランドになっているか、自分の商品、自分の会社がブランドになっているかというのは、1点だけポイントがあります。
顧客と常連のお客様がいてもファンではない場合もあって、売る側は、そこをかなり真剣に見ればわかるはずです。わからないときは恐らくブランドじゃないと思います。
スーパーえこひいきしてくれる、愛情いっぱいのファンがいるかどうかです。
オレはブランドづくり、ブランディングに「強みは要らない」と繰り返し言っていて。
強みで買っていただくのは、優れているか劣っているかをアピールして、自慢して伝えてお客様になっていただくことは、きっかけとしてはいい。
最後に「好みだ」と思ってもらえるようになれば、ブランドになります。
ヴィトンのモノグラムというマークだらけの財布やカバンがかっこいいと思うのか、ダサいと思うかは好みの問題。
優れているか、優れていないかで買わないことです。
日産・トヨタ・ホンダの車も、化粧品やビールを選ぶにしても、優劣でいえば似たり寄ったりでしょう。こう言うと、怒る方もいらっしゃると思いますが。
ファンは自然にできるのか。
「ファンづくりを熱を持ってするかどうか」がブランディングで、「たくさんの人に知ってもらう」のは、マーケティングやPRの領域です。
好きになってもらうためにファンの方にメッセージ・スタイル・哲学・センスをお伝えして、「好きですか、嫌いですか」と熱量持って問う機会としてイベントや直接的な接点を持ち続けられるかどうかが、ブランディングになります。
だからファンづくりをやっていないのに自然にファンができてくることは、ないことはないけれど、やらないと、なかなかファンはできてこないのです。
マーケティングを続けて知名度を上げればファンができるかというと、その作戦は全く別の話になります。
すごく知名度はあるけれど、「あなたじゃなきゃダメ」と特別好きになってもらえずに選ばれない人とかモノって、ありますよね?
とても例を挙げにくいけれど、テレビに出ている有名人でも「この人じゃなきゃダメ」というファンは、おそらくいないでしょう。
番組でやっていたので紹介しておくと、タレントの勝俣邦一さんが『水曜日のダウンタウン』という番組で「勝俣邦一のファン0人説」というのを前にやっていました。
勝俣邦一さんはタレントとしてはものすごく使い勝手も良くて、番組も盛り上げてくれるから売れっ子です。
ただ「勝俣邦一さんじゃなきゃダメという人がいないのではないか」と番組でテストしたら確かにファンの方は少なくて、1人か2人が番組で募集したら来た感じでした。知名度なら数千人が知るレベルですがファンがいない状態で、ブランドじゃないということです。
逆に、顧客になっている人がほぼ全部ファンということもあるので、ブランドになっているかどうかは「ファンがいるの?」の1点でわかります。
ご相談いただいたら、人でも企業でもファンがいるかをコテツは最初に見ていますが、「優劣や比較を超えて好きだ」という人が出ていないことが、ほとんどです。
「好きでたまらない」というファンをつくるのが、ブランドづくりでは最初の仕事になっているのです。
久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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