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ブランドになる瞬間。「それでいい」と「それがいい」の違い。

Voicy「コテツのブランディングと商売の話」コラム
 読めばブランディングができて商売が上手くなる

このコラムは、コテツがVoicyのブランディングと商売の話で語った内容を文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
Voicyもお聞きください。

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Voicy No.0028 2021年9月1日収録
ブランドになる瞬間。「それでいい」と「それがいい」の違い。

有名=ブランドじゃない

ブランドは「有名だからブランドになる」わけじゃないんです。有名だけどブランドじゃないものが、いっぱいあるんです。


ブランドというのは、「あなたじゃなきゃダメ」という状況が
でき上がっていること。

「あなたじゃなきゃダメ」と全員が言うことはあり得ない。
ある1人の人間が何かを選択するときに、これに関してはこれだと
決めていたら、それがブランドになっている状態です。

今日は実際に聞いてくださっている、
あなたの消費行動を確認しながら聞いてほしい。

そうすると、自分の中で何がブランドだと思っているかが明らかになります。俺も一緒に一つひとつ確認をしながらやるので一緒にやりましょう。

日々の生活の中でいろんなものを買うけれど、購買するときの感覚は3つ。人は合理的に買っているわけじゃないから、
購買分析をしたところで説明付かないことはいっぱいあるんだけど、
感覚としてこの3つに分かれています。

それがわかると、あなたにとってのブランドが何か、コテツにとってのブランドが何かがわかってくるので、まずそれを言いますね。

自分に買っているものに関して
「それでいいや」と思って買っているもの。
「それがいい」と思って買っているもの。
「それじゃなきゃダメ」と思って買っているものです。

個人が買っているときに、この3つがあります。

「それでいい」というのは人によって全く違う。
全員一致なんて絶対あり得ない。
個人が個人の生活に合っていて個人の好みと損得で行動しているから、
全員一致は絶対しないので、もちろん、それぞれの感覚でいい。

俺が出す例題は「そう思いますよね」ではなくて、「俺はそう思っている」という、ただのコテツの感想と思って聞いてください。

「それでいい」ものと、
「それがいい」もの、
「それじゃなきゃダメ」なものがある。

共通の認識で想像できるものということで、
コンビニを舞台にしてお話しします。

コンビニみたいな小さなところで全部決まっているわけではないから、
本当は広い話をしたいんだけど、広げる前にコンビニに行きました。

小腹がすいた。お菓子を買いたい。しょっぱいものかな? 甘いものだったらチョコレートだけど、スナックだと。何買おうかな。この味、新作か。
手に取った。それがたまたま湖池屋のポテトチップスの新作の味だった。

この購入は「それでいい」ですよね。

お菓子のスナックコーナーの中で、カルビーのコンソメの2倍のやつが俺は買いたいなら、「それでいい」です。

まず購入のときに「それでいい」行動があると思うんです。
この範囲内において俺が買っているのであれば
「それでいい」購入というのは結構多いというか、
もしかすると全部それだという人もいると思う。

コンビニに行って、家でちょっとネットフリックスでも見ながらお酒飲もうかなと思ったときに、ビールでもいいしカクテル的なものでもいいしと思っている人は、「それでいい」購入で、「それでいい」行動ですよね。

これが一番ライトなやつ。

もちろん「それでいい」で買っている時点で、買っている人からすると、
それはブランドじゃない。
あるいは、そこの範囲内にブランドはなかったことがわかる。

次に「それがいい」になるんです。

「それがいい」というのは、ポテトチップス食べたいな。カルビーと湖池屋があるな。でも湖池屋に目もくれず、カルビーのポテトチップの「のり塩」を買うとなると、「それがいい」ですよね。

でも、ありますよね、マイフェバリットみたいなものが。

実は「それがいい」だとブランドじゃなくて、
もう一段階踏み込んだのがブランドです。
「それじゃなきゃダメ行動」になっているのがブランドです。

おなかすいたな。コンビニに入った。スナック売り場に行きました。
カルビーの「のり塩」食べたいな。
棚を見たら、たまたま、その入ったコンビニになかった。

ダメだわ。もう1軒近くのコンビニまで暑いけど歩こうかなとなったら、
それはカルビーの「のり塩」のポテトチップスが、
あなたにとってブランドなのです。

これは、今はないのかな。子どものときに自分は結構あったんだけど、「何々買ってきて」とお父さんとお母さんに言う。
子どもの尺度ってあるじゃないですか。
「それじゃなきゃダメ」というのがある。
「帰りに今日ジャージを買ってくるね。破れたから」みたいなことで
お母さんに「これこれ、こういうのを買ってきて」と言う。

小学生のコテツ少年が、「お母さん、こういうジャージを買ってきてほしいんだ」となって、「青くて、こうで、ああで」と言っているのに、
お母さんが訳わからないジャージを買ってくるんです。

でも、それはもう子どもの尺度的に言うと、ダメなんだよね。
これじゃなきゃダメ、それじゃなきゃダメとなったら、
ブランドだという話です。

コンビニの中に行って、あなたが購入をするとなったときでも、
「それでいい」購入と、
「それがいい」購入と、
「それじゃなきゃダメ」購入が混ざっている。

マイフェバリットを超えて、
それがないんだったらもう一個コンビニに行こうかなみたいな。
なんだ、ここ。スイカバーないのかみたいな。

暑いからスイカバー食べたいから、ほかのものはこのコンビニで買う。
「それでいい」と「それがいい」レベルのものは買うけど、
「それじゃなきゃダメ」レベルは、
コンビニ1店舗でも2店舗でも行ってやるぞ的なことがあるんですよね。

これって、本人はその基準がわかるんです。
それ以外の他人には、ほとんど全くわからなくて。

これもあるあるだと思うんだけど、
よく「ジャニーズの顔、見分けつかないよ。どれも一緒じゃないの?」みたいなのは、ジャニーズのあるグループのファンからすると、
とんでもないという話です。

「Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)とSixTONES(ストーンズ)と
同じ感じじゃん」みたいなことを言われても、
それはストーンズのファンからすると、「いやいや全然違うんだよ。
それじゃなきゃダメなんだよ」となりますよね。

でも、それがいいというのも、あるじゃないですか。
テレビを見ているぐらいの関心度合いのものって。
ただ、コンサートに行くとなると、それじゃなきゃダメだと。

この中で行くと、「それじゃなきゃダメ」になっていく瞬間をどれだけつくれるかが、ブランドづくりのキモですよね。

これは人によって全く違うから、
コンビニに入っても全く違います。

出だしで言ったコテツブランド論で結構これは重視しているんだけど、
「有名=ブランドじゃない」というのに気付いてください。
そうなると、自分のブランドづくりが見えてきます。

例えばティッシュと言えば、クリネックスとネピアです。
クリネックスじゃなきゃ鼻をかみたくないという人はいるのかな。
いることを否定しているわけじゃなくて、「クリネックスじゃないと俺、
鼻かまないですよ」とか「私ネピアじゃないと」とか。

ティッシュとかトイレットペーパーも
クリネックスとネピアが有名メーカーです。

ブランド化で「それじゃなきゃダメ」という人がいるかというと、
もちろん買いに行ったときに「いつもこれを買っている」はあると思うけど、「それじゃなきゃダメ」レベルじゃなくて、
「それがいい」レベルが結構多くないですか。

そうなると、それはファンかというと微妙ですよね。
「ファンです」という言葉もめっちゃアバウトだから。


これじゃなきゃダメ!

家の中のもので言っても、例えばティッシュとかトイレットペーパー、
クリネックスとかネピアのどちらかじゃなきゃダメという人は、
少ないかもしれない。

ただ、コカ・コーラとペプシになってくると、多分「これじゃなきゃダメ!」というのが、もしかしたらあるかもしれない。

ちなみに、どうでもいいコテツ情報を放り込ませてもらうと、
俺は、スポーツ飲料はポカリスエットじゃなきゃダメなんです。


ただ、よっぽど喉が渇いているとき、アクエリアスが売っているけどアクエリアスを買わないというわけではないけれど、大塚製薬がポカリスエットを開発する物語みたいなのを漫画で目にしまして胸を打たれたので、どうしてもポカリスエットのほうが、自分はしっくりくるという理由なんです。

なので、コンビニに行ってポカリとアクエリアスが並んでいたら、
ポカリを買います。

アクエリアスの自販機だったら通り過ぎて、ポカリスエットの自販機まで。もちろん熱中症で倒れそうなときは話は違うけど、基本線で、私はポカリスエットに関しましては、「それでいい」というわけでもなく、「それがいい」でもなく、「それじゃなきゃダメ」に近い感じで、スポーツ飲料はポ
カリを応援し続けています。

大塚製薬はチャレンジして、ああいう商品をつくっているので。

でも、これは、ただの一方的な愛着です。
聞いている方にポカリスエットの良さを伝えるつもりは全然ありません。

家の中を見回しても「それじゃなきゃダメ」というものはある。
洋服とか車とか化粧品になってくると、もっとわかりやすいと思います。

女性の方は化粧品で「これじゃなきゃダメ」というのがあったりする。
もちろん途中で心変わりはするかもしれないけど、
「今は、ファンデーションは、ここのに決めている」。

これは男性からすると全然わからない心理だったりします。
化粧をしない方からすると、わからない心理だったりすると思うけど
あったりするし、男の人でも燃費とか値段だけで買っているという人もいれば、「いや、俺はホンダが好きだ」という人もいる。

バイクとか、もっと嗜好品になってくるとなおのこと、
そういう好みは強くなる。

女性の洋服もそうです。
こういうスタイルの、このブランドしか着ないという人もいるからね。

白Tシャツも「それでいい」という人と、「それがいい」という人と、
「それじゃなきゃダメ」という人がいます。

「それでいい」という人は、コンビニで売っている700円のTシャツでも
いいという人もいれば、「それがいい」でユニクロまで行って白T買う人もいるし、「それじゃなきゃダメ」ということで、ユニクロのTシャツを着るとか、どこどこブランドの白Tを着るという人も、結構いる。

ブランドになる瞬間という話の中で、
どうやって「これじゃなきゃダメ」という関係をつくるかだけど、
ビジネスを進めていく中で、それでいいと思って買ってもらえるように、
ただの認知を上げていくやり方をした先に、「それじゃなきゃダメ」というのは生まれにくいです。

どれを目指すビジネスなのかというのは、
ある程度変わってもいいんだけど、
目星を付けて、目的として持っておいてやったほうがいい。

ブランド化するのかしないのか、ですよね。

なんとなく選んでもらっていたものがたくさん売れているうちに、
いつの間にか「それじゃなきゃダメ」になるかというと、
そうでもないので、「それじゃなきゃダメ」「これじゃなきゃダメ」となっていくためには、ブランディング、ブランドづくりが必須です。

そうなってくると、ファンの方に時間と手間とお金をかけて、
そのブランドの思想とか、大事にしているものとか、
スタイルの違いを知っていただく。

エデュケーションをし共感をして愛着に上げていくという活動が必要なので、「それがいい」レベルで消去法的な選択として売れている状況まで行って数が売れていても、それはブランドにはなかなかなりきっていないので、
ブランディングをやったほうがいい。

この話は、自分の身の回りで何をどういうふうに買っているか確認すると、もっと理解が深まると思うので、今日からそれを考えながら見てみるといいと思っております。

以上、久々野智小哲津でした。

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