温度と香りのコントロール|ブランディングと商売
Voicy No.0280 2023年2月24日放送
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!
ブランディングがネットからリアルの場に移ってきて、体感がより重要になってきました。リアルの体験でブランドの価値を高めるため温度と香りもコントロールして、五感を刺激するを忘れてはいけません。
ネット・スマホからリアルへ
今日は「温度と香りのコントロール」というテーマです。
大いなる勘違いとして、コテツラジオを続けて聴いていただいている方には「そうだよな」と理解してもらっていると思いますが、ブランディングというと、「ビジュアルをよくする」とか「いいイメージにする」と世の中的には捉えられています。
だから「インスタにキラキラ写真をあげろ」とかやるんだけど、それはブランディングでも何でもないです。
ブランドはファンがいることで、ファンをつくることがブランディングです。
だから多くの人に知ってもらっても誰もファンにならなかったら、それはブランディングとしては失敗で。
ブランドづくり、ブランディングをするときに、ネットとスマホでできることと、ネットとスマホでできないからこそ、価値がめちゃ高いことがあるということです。
ブランディングの技術・トレンドは、ネット・スマホ推しからリアルな場に移ってきていています。そこにぴんときてない人は、ブランドづくりでファンの熱狂は得られません。
リアルの場で体感すると
2023年出だしに「大事なキーワードを言っておく」という放送をコテツラジオでもさせてもらいました。
コテツの勉強会の「コテツゼミ」でも、Voicyよりも少し量多く、2023年からの時代の変化で抑えておいたほうがいいポイントの話をしました。
そこでちょっとしか触れてないけれどすごく重要なこととして、リアルな場とか空間による体感が非常に価値を持つということです。
コロナが終わって、リアルな場に人が出てこられるようになりました。
乱暴な言い方をすると、手を抜いて、効率良くやれていたブランディングは誰でもできます。
だからこそリアルな場でどれだけ体験をつくり出せるかが、ブランドに対する愛着とか本当にファンをつくるために重要なカギになるという前提で話を聞いてください。
五感全体を通した体感、それがしっくり来るかどうか。
五感全体を通して、ブランドとしての価値観、メッセージ、哲学を伝えていけるかどうかという設計が必要です。
それを今やっているところは、そういう技術でやっています。
寒すぎる店は
ここから急に部分の話になるんだけど、スマホのSNS(インスタ・ティクトク・YouTube)は、見た目の問題じゃないですか。とくにインスタの場合は見栄えです。だから見栄えだけの話が大好きなんだよね。
お店の温度管理が甘すぎるなと思うブランドがあって、それは飲食でもハイブランドでも言えるし、リアルな場でイベントをする場合も、とにかく温度管理が甘すぎる。
寒い。
今この放送を収録している時点ではまだ冬なので、寒かったりするのです。
「見栄えをよくすることだけがブランド上、重要で」みたいな捉え方が、ここ数年、その勘違いが行き渡りすぎている。
温度とか湿度に対するコントロールが甘いのです。
自分が関わっているハイブランドのお店では、デジタル温度計の温度管理が徹底していて、温度とか湿度をこの状態に保つという約束事があります。
そもそも野生で暮らしていたわれわれ人類も、動物としての本能で、危険なところには長居したくないし、二度と来たくないもの。
なので、温度と湿度の管理は生命にかかわるものとして、とても重要です。
生活していて認識できるレベルで寒かったらアウトだし、心地いい、心地よくないかは、その場所にもう一度足を運ぶかどうかの動物的に重要な記憶になります。
ブランディングで関わっているハイブランドのお店は、店内に精密なデジタル温度計・湿度計がたくさんあって管理を徹底しています。
オレも自分の部屋に1部屋1個どころではなく、広めな部屋には2個、3個置いてある。
場所によって違うから。
お店でも、よくあるでしょう?
全体はあったかいのかもしれないけれども、自分のいる席にめちゃくちゃすきま風が入ってくるとか、窓の近くで冷気が窓を伝って入ってきて、その席の窓に近いほうだけが寒いことが。
ああいうのは致命的だよね。
特に男性と女性では筋肉量が違うので、女性が「寒いな」と思ったら、やっぱり来たくなくなるのよ。それはビジュアルの問題じゃないです。
匂いのコントロール
もう一個が、匂いのコントロール。
これもハイブランドでやっているところは、きちんとやっています。
自分が関わっているのは守秘義務等もありますが、オープン情報になっていて自分が関係ない、ネットで出てくるもので言いますね。オレもオープンのときに招待で行って説明を受けましたが、東京駅にシャングリ・ラ東京があります。
シャングリ・ラ東京というホテルは、世界中で同じ匂いを館内で全面的に出すシステムを導入していて、世界中どこへ行っても、同じ匂いに包まれるようになっているといいます。その調整もオープン前に行われて、OKが出ないと、オープンできないようになっているのね。
ただの芳香剤ではなく、オリジナルのアロマデフューザーのようなもので、匂いをほのかに香らせる機械システムで、匂いのコントロールをしています。
日本人は清潔な国民ではあるものの、「清潔=においを消す」ことが大好きです。香水をつける人も非常に少ないし、場を香らせるのも好きじゃない人がいます。
でも、個性として、ブランドとして考えてみるのは「あり」です。個人としても空間としても、どんな匂いで自分というブランドを演出するかです。
この話になると必ず聞かれるのが、
「匂いって好みがあるから、みんながいいという匂いはどんな感じですか」。
もう「ブランド=好き嫌いをつくる」ことだから、みんなに好きと思ってもらわなくていい。
最大公約数的に嫌だという人をつくりたくないなら無臭がよくなるし、これが今まで日本で広く思われている考え方だけど、匂いと温度のコントロールで、ブランディングを完成させる取組みをしてみてください。
以上、久々野智小哲津でした。
久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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