アートな旅 ~京都 寺巡り~
先日京都で1日暇ができたので、
以前から興味があったお寺での坐禅体験をすべく
建仁寺(東山区にある臨済宗建仁寺派の大本山の寺院)を訪れた。
この度初めて訪れたのだが、見どころがたくさんあった。
・国宝「風神雷神図屛風」(複製)
原本は京都国立博物館に寄託され、常時の公開はされていない
・重要文化財 多数
なかでも海北友松(かいほうゆうしょう)の襖絵が有名
・双龍図(法堂 天井画)
2002年、建仁寺創建800年を記念して
小泉淳作画伯が2年の歳月をかけて描いた108畳分の超大作。
歴史の浅さを感じさせない豊かで荘厳な雰囲気が天井から漂ってくる。
やっぱりアートは、作品そのものだけでなく、作品を取り巻く空間も含めてデザインされてこそエモいのだなと改めて感じた瞬間だった。
他にも紹介したい文化財はいくつかあるが、
本来の目的であった坐禅体験で過ごした空間もとても美しかったので、その情報を優先的に紹介したい。
・建仁寺塔頭両足院
私が行ったのは、最長で20分の坐禅だったのだが、日頃自宅で瞑想する環境とは異なり、静寂や、戸が風できしむ音、また外に舞い落ちる雪と美しい庭園。
その感覚のひとつひとつに意識を集中させ、呼吸とともに、あるがままを楽しむ時間は、私にとってとても贅沢なものとなった。
この坐禅が30分、1時間…となると、なかなかそうはいかないわけだが、
お坊さんたちは1日に5~6時間も坐禅を続けると仰っておられた。
それは誰にでもできることではない。尊敬しかない。
こちらも両足院の一角。決して広い庭(枯山水)ではないが、禅の思想で、〇は水の波紋、△は火、▢は大地、そしてそれらすべてを覆う空、空を動かす風、
地・水・火・風・空、この5つで世界を表現しているのだそう。
また人の体も一つの世界を捉えた時、同様のことがいえる。
地は足、水は血液、火は心臓、風は呼吸、空は体全体。
そのように想像しながら庭に目をやるとき、
日本の美意識の奥深さ、侘び寂びを感じることができた。
アートを体験するとは、それは絵画を見に行ったり、音楽を聴いたりすることだけではない。今回のように、歴史的建築を訪ね、座禅を組み、数百年の歳月に思いを馳せながら、静寂を聴き、香を嗅ぐ。
寺での坐禅体験は、五感を刺激する体験型のアートのようなものなのだなと思った。是非また機会があれば訪れたいと思う。
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