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妖怪ランドへようこそ

妖怪といえばアマビエの話?

そうではございません!

本日はある1人の人間が妖怪と出逢い、やがて次第に親しくなっていく物語です。

【プロローグ】妖怪とは何か

主人公は3歳の子供です。

Eテレ「おかあさんといっしょ」を観ていて、次第に口ずさみ呪文のように唱え始めた曲が

ようかいしりとり

でした。

この曲がとても素晴らしいのです!

ストーリーはシンプルで、妖怪博士とろくろ首(第1回戦)、妖怪博士と座敷童子(第2回戦)それぞれがしりとり対決を行うというものです。

1回戦では、

ろくろ首→貧乏神→三つ目小僧→海坊主→ずんべらぼう…と続くのです。

この戦いでは、一反木綿と答えたろくろ首の負けで終わります。

ちなみに2回戦は座敷童子がぬらりひょんと答えて負けます。

下写真は、「ようかいしりとり」が収録されているCDの、現在の歌のお兄さんお姉さん(まことおにいさんとあつこおねえさん)バージョンです。

↓は、先代のだいすけおにいさんとたくみおねえさんによる「ようかいしりとり」の歌が収録されています。

この歌を歌えるようになってくると当然

「座敷童子はどんな妖怪?」

「ぬらりひょんは?」

というなぜ?なに?攻撃がやってきます。

歌に登場する総勢22の妖怪全てに答えるのは困難を極めます。

そんななか救世主が現れます!

【第1章】妖怪と出逢う

この「ようかいしりとり」の作者おくはらゆめ氏は何を隠そう曲の作詞者です。

なので歌の歌詞の順番に妖怪が登場し、それぞれの妖怪の紹介が記されています。

本書によってビジュアルで妖怪を伝える「見える化」が達成されました。

【第2章】妖怪と距離を縮める

あるとき図書館でたまたま巡り合い借りた本がこちら↓

可愛らしくユーモラスなイラストとほわーっとしたストーリーで、「妖怪屋敷を訪ねた袖ひき小僧らを流しうどんでおもてなしする」という優しさ溢れる本です。

本書でさらに妖怪との距離がかなり近づきました。

その流れで同じ著者の本も読みました(↓)。

こちらでは今度は「雪女や雪童子が妖怪屋敷へ訪ねて雪合戦したりかまくらつくったり」します。

少しずつ妖怪を覚えてくると、さらにいろんな妖怪を知りたくなってきます。

すると様々な妖怪を一覧することができる図鑑あるいはカタログ的な本を観たい欲求が高まって来ました。

そんな願いを叶えてくれたのが、「少年少女版 日本妖怪図鑑」でした。

本書でつるべ落としあかなめだいだらぼっちなどなどエース級(どんな本でも掲載され、扱いが比較的大きい妖怪)を覚えていきました。

【第3章】「わけること」は「わかること」

続いて以下の「日本の妖怪大図鑑 三部作(家の妖怪、山の妖怪、海の妖怪)」と出逢いました。

タイトルが示すように、既に本自体で生息域が分類されており、それぞれさらに細かくカテゴライズされています。

この辺りになってくると、個々の妖怪の関係性により迫るようになってきました。

「海坊主と海女房は結婚してるから、どっちも指輪をしてるんじゃない」

「座敷童子がいるといいことがおこるけど、貧乏神とか疫病神がいると悪いことがおこる」

「牛追いと濡れ女は一緒に出てくる」

などなど本人のなかで分類されていることがわかってきました。

【第4章】「推し」の誕生

すると徐々にお気に入りの妖怪が出てきます。

そのなかの一つとして一反木綿がいたので以下の本を借りました。

ちなみに一反木綿は鹿児島の妖怪です(ゲゲゲの鬼太郎の一反木綿の方言は正確性を欠いていますが、今は追求はやめておきます)。

【第5章】バイブルとの出逢い

ある程度妖怪と親しくなってきて、それぞれがカテゴライズされてくると、何かにつけて確認や引用が必要になって来ます。

そんな時、すぐに持ち運び出来て、かつそれなりの情報量がある本を探し求めました。

そしてこれまでの書籍を通じても共通して大切なことは

妖怪のイラストがリアル過ぎない

ことです。

一方であまりにもデフォルメされているのも良くないですが、書店の妖怪本コーナーへ行くと、かなりリアルな恐怖を誘引するようなタッチで描かれた本が意外と多いのです。

(水木しげるの世界観で育った私自身もリアルなイラストには抵抗があります)

恐怖を与えると妖怪全体がNOとなりかねないので、チョイスには細心の注意を払ってきました。

また書店ではこの御時世を反映してなのか定かではありませんが、妖怪本自体が結構ラッピングされており、中身を確認しにくいことが多いのです(もちろん書店スタッフに訊ねると中身は確認出来るのでしょうが)。

それらの点に留意しながら、ことある度に複数の書店を渡り歩いて探しました。

それでようやくたどり着いたのがこちら(下のリンク)。

妖怪ビジュアル大図鑑」です。

辿り着くは水木しげる先生でした。

しかし水木ワールドへの接触すらドキドキでした。

なぜなら、これまで読んできた書籍のイラストよりも若干リアリティは増すので、怖いと拒絶反応を示さないか?

という不安です。

それでもダメ元で与えてみました。

その結果、

どハマりしました。

333もの妖怪が掲載されており、肌身離さず持っている今日この頃です。

【第6章】妖怪と実生活との接点

別に教育的存在として妖怪と触れ合わせた訳ではないのですが、妖怪やお化け、神様、鬼などは子供にとってはふとある時から気になる存在になるようです。

「神様がみてるよ」とか「鬼さんがくるよ」などは時折使う表現ですが、何やら見えない異形のものに惹かれていくようです。

そんななかで「座敷童子が好き」といったり、「押入れやクローゼットには納戸婆が住んでるんじゃない」という風に会話に妖怪が登場するようになって来ました。

あかなめ」は、風呂場に残っているヒトの垢を舐めにくる妖怪です(見出しの画像は境港市観光ガイドより引用したあかなめ像です)。

とくに悪さはしないのですが、気持ち悪いので風呂場は綺麗にしましょう。ということがだいたい共通していずれの本にも書かれています。

最近、子供が入浴の際には念入りに洗面器などを洗うようになってきました。なぜかと問うと、

あかなめが来ないように綺麗に洗ってるんだよ」

だそうです。

妖怪が実生活と繋がっています。

一反木綿に乗ってみたいそうですし、

胡瓜をみれば河童が好きなんだよ、といっています。

もともと危険を促したり、いうこと聞かないと怖い目に遭うよ、ということが妖怪の存在意義のある側面として、伝承されて来たと思います。

今のところ、よいかたちの付き合い方が出来ているのだと考えています。

【エピローグ】

子供にとって、妖怪は恐れる対象でもありつつなんだか親しみ持てる存在のようです。

妖怪ブームがいつまで続くのかわかりませんが、未だ本人は妖怪ウォッチや鬼太郎とはリンクしていません(いずれも未視聴です)。

今後は鬼太郎の映像と触れる機会を持ちつつ、そのレスポンスから判断しつつも、新たな妖怪ワールドの展開を見守っていこうと思います。


最後まで読んで下さりありがとうございます。


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