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今年初めて彼に会った話

つい先日、彼に2020年初めて会った。
彼は修士論文で忙しかったし、私も仕事で決して余裕があるわけではなかったから、2月になっても会えなかった。

「あけましておめでとう」
彼にぽつりと言うと、
「あっ、そっか…!あけましておめでとう、だね」
と返ってきた。

「今日のリップ、シックだね」
たぶん彼と会うとき塗るのは初めてのお気に入りのリップ。
「目元は…ピンク?」
「…パープルだよ」
彼は私のアイシャドウの色をよく間違える。仕方ないと思う。光の加減で分かりにくいから。当てられなくてもいい、むしろ何色に見えるのか分かって面白いから、いいんだ。
メイクを見てもらうのが楽しみだから、仕事のときより少しだけ念入りになる。

お昼ごはんを食べて、街を歩いて、百貨店の物産展に行って、お茶をして。
行く場所が少し変わるだけで、することは毎回変わらないのだけれど、飽きたと思ったことはない。
一緒に歩いて一緒にごはんを食べて話す、それがいい。

好きなことを仕事にしているし、起きている時間のほとんどは仕事をしたり仕事のことを考えたりすることに費やしている。
仕事が生き甲斐だからそれでいいと思っている。
仕事に向き合っているときは強く美しい自分でいたい、強い気持ちを保っていたい。
仕事に集中したいときは恋愛は頭のどこにも入り込んでこないから、時に恋愛なんていらないんじゃないかと思うことがある。
ごく稀に仕事がたて込んでいて返信ができなくなることがある、それでも仕事が終わったあと彼から連絡が来ているとほっこりするし、おつかれさま、とLINEのスタンプが送られてくると安心する。
たまにしか会えないけれど、会ったらやっぱりこの人だな、と思う。
こんな彼女でごめんねと思いつつも、この関係性がいいのかなと感じたりもして、ありがとう、と思う。

もう2年半も一緒にいるんですね。
すぐにもっといい人見つけられるよ、とあなたは言うけれど、私はあなたがいいんです。
そんな寂しいこと言わないでよ、私にとってあなたはかけがえのない存在なんです。
お互い好きなら離れなくたっていいじゃん、離れたくないのに離れるなんて私は嫌です。
離れたくないけど離れる、それが大人なら私は一生大人になりたくない。
一緒にいたいだけ一緒にいればいいと思うんです。
だから、これからも、ね、一緒にいようよ。

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