マガジンのカバー画像

私、メンズエステで働いてます。

56
運営しているクリエイター

#ドキュメンタリー

杏里の暴露 「君は地雷」

杏里の暴露 「君は地雷」

 汐留のメンズエステで働く23歳杏里は、掲示板や口コミサイトで地雷と噂されている。

 杏里はソロで活動する地下アイドルである。

 といっても、いつもライブに来てくれるファンは3人程度しかいない。

 ファンがメンバーよりも2人多いだけだ。
 

 いつか、ももクロのような国民的アイドルになることを夢見ている。

 アイドルといっても、杏里はあまり可愛くない。

 モアイ像に似ていると言われたこ

もっとみる
オーナー森脇の暴露 「セクハラ講習」

オーナー森脇の暴露 「セクハラ講習」

 森脇はメンズエステ激戦区の中目黒、Nというメンズエステのオーナーである。

 今日は中目黒のマンションの一室で、長身で目がくりっとした小顔の新人にスキルチェックの講習をしていた。

 全くの未経験者だし特に美人というわけではないが、彼女だったらマッサージの技術以外でも客は来ると踏んでいた。

 

 森脇は正直、どの新人セラピストにもマッサージスキルはそれ程求めていない。
 

「とりあえず、次

もっとみる
ゆりの暴露 第8話 「幻のハリーウィンストン」

ゆりの暴露 第8話 「幻のハリーウィンストン」

 それから、ゆりはチビでハゲの客にちょくちょく呼び出されては、狭いビジネスホテルの部屋に連れられてセックスすることになってしまった。

 最初は紳士的なひとだと思っていたのに、結局は体目的の獣だったことに気付かなかった自分が情けなく思えた。

 愛情なんてひとかけらもなく、ただただ辛いだけで、無感情に相手が言うまま従った。

 全てはハリーウィンストンの時計を受け取るまでだ。

 時計を受け取った

もっとみる
ゆりの暴露 第7話 「484万円のお礼」

ゆりの暴露 第7話 「484万円のお礼」

恵比寿のお店で働き出して1年ほど経った秋の頃、四十過ぎと思われるハゲでチビの弱々しい体格の男がやって来た。

 その男は魅力的なルックスとは到底言えないが、ディオールのスーツを着ていて、金は持っているように思えた。

「これお土産で買ってきたんだけど、よかったらどうぞ」

 男は銀座にある予約しないと買えない空也の最中を渡してきた。 

「わー、ありがとうございます」

 ゆりは高い声を出して、喜

もっとみる
ゆりの暴露 第5話 「退店、そして再び」

ゆりの暴露 第5話 「退店、そして再び」

 泣きながら風俗行為をしてから、一ヶ月も経たずに、ゆりはその店を辞めた。

 しかし、昼のまともな職をと探したが、やはり給料が安く感じる。

(9時間働いても1日1万円ももらえない。メンズエステだったら1本つけば1万円貰えるのに…)

 メンズエステは神経をすり減らすが、働く時間が自由で、シフトも1週間ごとの提出でよく、嫌な客でもその時間を我慢して頑張るだけで普通の仕事の1日の給料が貰える。

 

もっとみる