冗談という嘘
「冗談だよ」と嘘を言う人がいる。
嘘とは認識されていないかもしれない。
本人は「自分が本心で思うわけじゃないけど、想起したこと」を言っただけだ。
少なくとも発言の後に「冗談だよ」とつけなければならないような空気になった時点で、冗談を言うことに失敗しているが。
相手に通じてこその冗談
冗談ってなんだ?と思って調べてみたものの、「ふざけて言う話」としか辞書には載っていない。
その説明は個人的には少々不足があるように思う。
単に一方がふざけているだけでは、少なくとも、言う価値のない言葉でしかない。
結果として両者が笑えて初めて、冗談と呼んでいい。
ちょっとした嘘をついてすぐに種明かしをするというのも、よくあるパターンだ。
その時発した言葉自体に意味はない。
その場が和やかになればそれでいい。
空回りする冗談
冗談が通じるかどうか、発言する前に分かればこんな当たり前のことを考える必要はないのだけれど、場をしらけさせてしまうということは起こる。
ブラックジョークでありがちな「この人、本当に本心からそう思っているのでは・・」といううすら寒い空気や、言われた側が傷ついてしまう事態は誰もが一度は目にしているはずだ。
そしてたちが悪いのは、それさえもおもしろいと感じる輩である。
相手の反応を見て楽しみ、「この面白さが分からないの?」とばかりに言動がエスカレートしていく。
他者に不快感を与え自分だけが面白がっているなんて、あってはならない。
信用を失う狼少年
狼少年のはなしは有名だろう。
彼は周囲の反応がおもしろいからと簡単に嘘をつき、動揺させた。
その結果として誰も彼の言葉を信じなくなり、本当のことを言っても聞き入れられなくなる。
この教訓はきっと「ホラ吹きはよくない」ということだったのだと思うが、嘘かどうかはさておき自分の発言に責任をもつことの大切さを説いていると思う。
冗談でも、嘘でないとしても、相手を傷つけたり失望させることは口にすべきではない。
自分が他者に心を配ることができないと、他者からの心配も受けられなくなる。
もし、「疎まれたって心配されなくたって自分が楽しければいい」という考えをもっているのだとしたら、それは可哀想なことだ。
その意味では、狼少年は更生した分だけ幸福であった。
どうしようもない人間のまま終わる人が、少しでも減ればいいと思う。
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