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Duran Duran『Rio』、ジャケットのイラストについて

久しぶりの時事ネタです。

ハッキリ言って、私の本業に関する内容なので、今回急遽、この話題を書きます。

ことの発端はDruan Duranの2ndアルバムの『Rio』のジャケットに描かれている女性がいた、そして発見され、42年たった、今、ご本人からのコメントが!という話題です。


これはビックリです。どうした?どうした?という感じです。どうやらこのジャケットにはモデルがいた?!そうなんですかー???長年イラストしか見ていないかったのですが、一体?

記事によると、このイラストのモデルの特定ができたと言うことですが、そもそも、モデルがいるというか、よく気づきました。それとも一部では有名だったのでしょうか?

今回その経緯がネットで公開されました。



Rio』のジャケットのイラストは米国人のグラフィックデザイナーでイラストレーターのPatrick Nagelという人物の手によるものでした。既に故人で、このイラスト発表の2年後に亡くなられています。

Duran Duranの初期の作品としてメンバーが登場しないアルバムジャケットですが、まさに「Cherry Icecream Smlie」という歌詞にピッタリなクールで鮮かな笑顔の80年代のデザイン・アート。

このイラスト、最近になってネット上のNagel Angel(@nagel_angel)といMonica MoynihanNagelの美術ブローカー)により特定され、Nagelのアシスタントだった(Sarah Bastos)からの証言、関係者の協力などを得て、この『Rio』のジャケットが『VOGUE PARIS』の1981年2月号の写真から制作され、そのモデルの女性に至ったということのです。


このモデルの女性(Monica Moynihan)が、42年ぶりに彼女自身もこのことを知ったわけですが、彼女のコメントがとても素敵です。

「すごく素敵!自分のこの写真がリオの表紙に使われているなんて今まで全然知らなかった」と彼女は書いた。「すごく興奮してる!デュラン・デュランが大好きで、80年代にはよく彼らの音楽に合わせて踊ったわ…後には結婚式でも踊ったわ」


なんて、素敵な!



Patrick Nagelさんのイラストは『Rio』以外にもDruan Duranのシングル「My Own Way」もあります。こちらもモデルのある作品だそうです。

このシングル筆者いまだに持ってます:Discogs https://x.gd/sU2VP 

調べたところ、実は、Patrick Nagelさんのイラストの「My Own Way」は日本発売のシングル盤だけです。

 UK盤の「My Own Way」のシングル盤: Discogs https://x.gd/d7SN5

「My Own Way」の英国のジャケットですが、こんな地味なジャケットだったのか!と衝撃でした。もしかしたら日本だけ違った理由の想像として、Patrick Nagelのイラストが日本で人気だったから?またはイメージが固定するの避けたかったから?とか、うーん、謎です。


筆者、実は、このPatrick Nagelさんのイラストが当時いたく気に入っていました。

私が自分が進路的にイラストレータなども考えたりしていた頃高校時代は音楽出版社なども考えていたのですが)に話を戻します。

デザイン学生の私は当時からDuran Duran大好きっ子。その上、『Rio』のジャケットの作風が当時のデザイン・アートでも流行っていたこともあり、この作者の画風に関心を持っていました。

私は洋書などのお店などで、Patrick Nagelの絵ハガキなどをコツコツ収集します。

「My Own Way」と同じイラストです(筆者所有、額装しました!)


今回の記事に対して、日本のSNSで散見した意見として、このイラストは元の雑誌の写真をトレースしたイラストではないか?という「トレス疑惑」。

昨今、日本のイラストもデザイン業界も恥ずかしい事に「パクリ」で話題。パソコンでデザインすることが当たり前になった現在。利己的な人達がイラストやデザイン製造を、より安直で、安易に他人の著作物を組あわせ作品を製造する事例も登場します。

このアルバム『Rio』が発表された1982年当時にはパーソナルコンピューターなるものを使ってのグラフィックデザイン・デジタルデザインの仕事は確立されていません。

日本ではこの時代に、NECのPC-8800シリーズ,富士通のFM-8,シャープのX1シリーズが登場します。私もこの頃、学校でパソコンを使う授業があり、そこでプログラムの授業を単なる遊びでラッキーと思って選択します。

とはいえ、デザイナーになって、数年後に東京でマルティメディアの仕事をするとは、この時、全く想像もしていませんでした。

またスキャナも存在しないということも衝撃です。


Patrick Nagelさんのポストカードを集めていました(筆者所有、額装しました!)


思い出したことに、学生時代にバイトしながら毎日出される課題を処理する方法の1つで、Patrick Nagelさんと同じようにファッション雑誌から、(私の場合は『流行通信』)のとあるページから、女性モデルさんだけを切り取って、違う方向に貼り付けた感じのイラストを作成したことがあります。

その時には「トレペ」を使って、人の輪郭をトレースして、イラストボードに女性を外した場所に転写して、その後、普通にイラストを描いたことをしました。

現在の「転写」というと完全に全部、色も複製されるイメージですが、100円均一でもある「トレペ」の転写なんて、薄い鉛筆の跡という程度。さらに「トレスコ」なる暗室の様な、バックライトを使って日光写真みたいな白黒のロゴを印画紙に印刷するマシンでよく写真の「あたり」を描いたので、それに近いローテクで作業したのかなと。

この「トレスコ」、ピントを合わせるの、両手で縦・横のハンドルを回す仕組みなのですが、ハンドルをグルグル回しまくって合わせていました。懐かしい。

他に、コピー機があったのか記憶にないですが。

こうやって私はデザインの仕事をしていましたが、Patrick Nagelさんの場合、雑誌のカットも担当されていて、その度にシルクの販を起こしていたのかと思うと、私にはできそうにありません。

まあ仕事ですけどね。


イラストと写真を見るとわかりますが、顎の形が実は少し違う。線も見事に簡略化され、綺麗な曲線を描いています。元はシルクスクリーン印刷なはずなので、版を起こして着色しているのではと思います。

女性のイラストが多いのには理由があります(筆者所有、額装しました!)


今、思い出しましたが、日本の暴走族というか、なめ猫っぽい感じのモチーフもありました。日の丸ハチマキに日章旗の線だけの女性やバイクの男女という感じで、日の丸ハチマキの女性は「寿司ガール」というタイトルでした。「組」という一文字入、扇子を持っているポーズなどなどあります。

My Own Way」も日本だけ、Patrick Nagelさんだったのは、何かの縁と謎にします。(日本の版画とか知っていると思いますので、影響あるという気もします)

(筆者所有、額装しました!)

画集も買いました。どこにあるのか忘れましたが。


とはいえ、私の頭に出てきて流れ続けているのは、この曲です。

Duran Duran - Rio (Official Music Video)

このブッチギリの80年代最もスリリングなイントロから始まる、Duran Duranの初期の名曲。サックスのソロとベースのソロの掛け合いも最高!

頭の中に「おおーりおー」が流れています。気分、ageageです。

くー、何度聞いても最高やん!(幾つ最高があるかは内緒である)



最後に、ちょうど、Duran DuranSimon Le Bon(サイモン・ル・ボン)のMBE(大英帝国勲章5等勲爵士)が授与される事が発表されました。音楽と慈善活動への貢献が認められた事だそうで、Simonは「音楽の他の慈善活動も認められた」という感激のコメントでした。




おめでとうございます!!



ポスターですが限定仕様でメガネが光っています




次回予告ですが、『Definitely Maybe』デビュー作の30周年記念のツアー、3回目の『シド・バレット「ひとりぼっちの狂気」』の映画鑑賞に突入、またSydの楽曲ランキングをやるとか。よく50曲とかやっているのあるじゃないですか、ああいう果てしないのとか。再びメタル、英国ロックなどを書こうとか、思いましたが、そうだ!スマパンだったんだ!!

いや、さらに!Kula Shakerの『Natural Magick』のツアーは続いていますので、こちら重要案件ですよね!っといきまく。



この先もまだまだ続きます



最後にメンバーシップも始めています


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